読了的眩暈

2002年02月07日 これはどういう事象なのだろうか?



「新しい解釈を発掘し

1月18日、私が勤務中に激しい眩暈と嘔吐に教われ救急車で運ばれた事は記憶に新しい。その状況は当時の独断倉庫でお知らせした通りである。さらに、その話のオチとして一冊の本を紹介しておいたが、やっとそれを読み終える事が出来た。島田荘司著「眩暈(めまい)」である。これは556ページの分厚い本だ。日々持ち歩くにはちとつらい重さだった。

島田荘司著「眩暈(めまい)」はジャンルで言えばミステリーである。「名探偵 御手洗潔シリーズ」だ。毎回、名探偵の活動を助手が記録し出版した形式を取っている。「眩暈(めまい)」は、その1ページ目を開いた時に呆然とする事になる。そこには「ひらがな」しか存在していないのだ。では、2ページ目は・・・これまた「ひらがな」しか存在していない。3ページ、4ページ、そして10ページまでイラツキながら読み進む事になる。この間はすべて「ひらがな」のみである。

11ページ目にしてやっとわずかな漢字が出没を始めた。進むに連れ漢字の出没率は高まり、やがて普通の大人としての文章へと変化する。その文章は奇妙であり、幻想的であり、非現実的内容に思える。そして、それは95ページまで続く事になるのだ。この本の第一の山場はここにある。実はこの95ページ分の奇妙な文章の謎を解く旅がこの本のメインストーリーなのだ。

つまり、あまりに奇妙な展開の95ページなので「なんだよこりゃ?」と、95ページまでの文章をじっくり読まずにしっかり記憶出来ていない読者の場合、そこから先のミステリーが成立しない事になるのだ。通常のミステリーであれば、まず事件が起こりその動機と犯人を割出すストーリーが多い。事件も「殺人」がほとんどである!

島田荘司著「眩暈(めまい)」では、95ページ分の奇妙な文章の謎を解明して行くと言う変なストーリーだ。その文章の詳細を書くワケには行かないが、久々にユニークな手法のミステリーに出会ったと喜んで読んだ私であった。島田荘司のミステリーには当りもあれば「なんだよこりゃ?」というモノも混在している。今回読んだ「御手洗潔シリーズ」はおおむね分厚いボリュームである。このシリーズは蘊蓄(ウンチク)まみれのストーリー展開となりがちである。

もちろん今回も蘊蓄満載である。こまごまとした蘊蓄の内容をバラスのはミステリーとして次の読者の為に禁じ手だと思うので、今回も避けることにするが、一つだけ気になった記述があったので、あえて書く事にする。

285ページ1行目の記述である。

「地球の自転の影響を受けながら排水されるので、
  半時計回り、すなわち左巻きの渦を作って排出するものと考えられる」

これは蘊蓄として「コリオリ効果」を説明する文章の一部である。この本での説明は、ほぼ引用された原本のままである。WEBで発見した「コリオリ効果」説明文と取り上げた現象例についても瓜二つであった。敏感な読者であれば、もうすでにツッコミを入れている事だろうが、安心されよ!私はあえてその本の誤植のまま、ここに転記したのである!「半時計回り」は誤植であり「反時計回り」が正解である事は誰しも気付く事だろう。

この誤植はコリオリ効果の蘊蓄を説明している最中だけに、私としては「ちょっと悲しい誤植だなあ・・・」と感じたのである。そして、さらに思う事があった。「半時計回り」という言葉がもし存在するとしたら、どのような現象の事だろうか? そこへ思いを巡らすのである!

そこで、聡明な登録会員諸氏にお願いする!
半時計回りとはなんぞや?
その言葉が存在すると仮定すればどのような現象なのか?是非、新しい解釈を発掘し啓示倉庫にお書き込み下され!



本日の結論
島田荘司著「眩暈(めまい)」は、私にはアタリだったが・・・読んでみる?

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