六弦的改造記

1999年10月17日 まだ道は遠いぞ〜〜〜!!!



やっと塗装が終了し、ボディーは再び光沢を取り戻した。

「ホットなのかクールなのか?」

昨日から急激に夜風が冷えてきた。ホットな季節が、クールな季節に急変したのだ。長引いた夏は突然冬の気配に代わり、秋という素敵な季節をショートカットしてしまったかのようだ。夏が短いと、クーラー屋が売れ無くて困るのだが、物思いに耽る季節が短いと言うことは、読書の季節が短いと言うことは、本屋が不況になると言うことだろうか?(そんなことはないだろう!)

10月5日に独断倉庫「六弦的大博打」でご報告したのだが、私は1本のギターをWEBで見つけ購入した。だが、このギターはかつて全く違う色のギターであったらしい。分解してみると、残った塗料から以前はパールホワイトのようだった。その塗料を派がした跡があった。現物は全体に渡りくすんだ印象で、艶消しと言えば聞こえが良いが、部位によっては木地が露出しているか所もあった。塗装を剥がした後に塗ったクリアラッカーは刷毛目もある。塗りがいい加減だったのだろう。

だが、購入した以上は何とか元通り美しい姿に復活させたいではないか!そこで、先週末の連休を利用して塗装に命を懸けることにした。

10月8日
帰宅後ピックアップや、ボリューム、ペグなどの部品をすべてはずし、サンドペーパー掛け、を行い。表面をツルツルに下処理し直した。実に疲れる作業である。電子部品は、その論理的知識がないのに取り外さねばならないのである。再度取り付けるときのことを考えて、オリジナル状態の綿密なる図を書き残して置いた。なんとコマメなことであろう!(投下財力を無駄にしたくないだけだろ〜?)

10月9日
塗装は湿度を嫌うので、湿度が下がるのを待つ。 朝から再度ギターのボディーを磨きに入った。仕上げは1000番の目が細かいサンドペーパーである。すぐに目が詰まってしまい、頻繁に新しいモノと取り替えながらの作業になった。空は晴れ渡り、風も少しあったこの日は空気はサラリとして、塗装日和になった。いったんラッカーシンナーで全体を拭き細かいゴミや突起を取り除いた。その後、ボディーを十分に風で乾かし、いよいよ塗装にはいる。

だが、当家にあった塗料はほとんど残っていない事に気づいた。まずは塗料を買わなければ作業は進まない。下地用の「サンデイングシーラー」と「ラッカースプレー」「耐水サンドペーパー1500番」を買い求めるために近所のDIYショップ「トンカチ」へ出かける。無事購入後、作業は続いた。帰宅後下地剤の「サンデイングシーラー」をボディー全体に吹く。風向きを計算し、窓は閉め切って、ベランダで作業したにもかかわらず、換気口からシンナー臭が室内へ進入したようだ。部屋の中では妻が「臭〜〜〜い!!!」と叫んでいた。

2時間ほど乾燥させた後、磨きにはいる。水に浸しながら「耐水サンドペーパー1500番」で丁寧にこすりまくる。指先が水でふやけてきたが、そんなこたあどうでも良い。ひたすら指先に力を込めた。やがて指先は痛みを伴うようになり、作業は中断。全体をもう一度見直すと、塗りむらを発見した。しばらく乾燥させた跡、一部分だけ追加で「サンデイングシーラー」を吹き付けた。本日はここまででおしまい。

10月10日
朝からサンドペーパーで平面を出す作業に入った。本日も良い天気だ。「サンデイングシーラー」はある程度削り落とすことを目的とした塗料である。削ることで、平面を出すのだ。丁寧にスリスリしまくる。十分に擦った後、2時間かけて乾燥させた。午後からいよいよ「ラッカースプレー」の登場である。ネック側に紙を巻いて保護し、ルーフバルコニーにでる。一番端まで行く。ここならシンナー臭の影響は出ないだろう。

左手でネックを逆さに持ちボディーを一気にラッカーがけした。ところがである!いったんボディーを全面塗装してしまうと、下に置くことが出来ない。さらに、下手に室内に入れると、埃が付着する可能性がある。左手はもうブラブラ状態なのである。これは困った・・・。しばらくこのまま手に持って表面がある程度乾くまでじっとしているしかない。ヘッド部分を股間に挟みネックを両手でつかみ約1時間も耐え続けた。まったく大バカである!表面の乾燥具合を確認した後、室内にぶら下げた。これで明日まで寝かせるのだ。

10月11日
再びサンドペーパーをかける。今度は仕上げのための処理である。「耐水サンドペーパー1500番」で丁寧に擦る。水研ぎと言われる作業である。ひたすら丁寧に作業を続け、かなり平面が出てきた。本当はもっとラッカーの層を厚くして平面性をさらに高めたいのだが、体力と時間、財力のバランスを考えて塗装はここまでで止めることにした。しばし乾燥させたた後、いよいよコンパウンドで磨き上げる。チューブから焦げ茶のどろりとしたコンパウンドを布に出し、ボディーをひたすら擦るのだ。ふふふふ・・・光り輝いて来たぞ!買ってきたときとは見違えるほどの輝きだ!

がその時であった〜〜〜!衝撃の事実を発見したのだ〜〜〜!塗装の一部に泡が含まれている場所を発見!!!かなり白っぽくなっている。これは捨ておけん!泣くなくその部分をサンドペーパーで擦り落とす事にした。これで再塗装が必要になったが、本日はもう時間切れである。乾燥をかねて、来週まで作業持ち越しとした。

一週間経過。

10月16日
早朝から塗装の準備に入った。ボディーの塗装直し部分以外を丹念にマスキングテープでカバーする。昼になり、青空が見えてきたので塗装に取りかかった。まず、再塗装部分をスプレーする。今回は泡が出ないように薄く数回に分けて作業をした。今回は問題無いようである。ルーフバルコニーには手頃な台があったのでそこにギターを寝かし、ついでにネックからヘッドにかけても塗装した。これもまた薄く数度に分けてスプレーした。した・・・した・・・したが、突然スプレーはその内容物を吐き出さなくなった。つまり空になったのである。これは悔しい!もうこれで最後だというのに・・・

ここで、再度「ラッカースプレー」を買いに行くべきかどうか考えた。だが、新しく買っても、その部分でしか使わないのでラッカーの残量がたっぷり出るだろう。それはもったいないな。皮膜は薄いが全体的にムラなく塗装が出来ている。まあ、これでいいか!と妥協し、そのまま乾燥終了を待つことにした。

が・・・2時間程うたた寝をし待っているうちに、先ほどまで晴れ渡っていた空が、今にも降りそうに曇ってきた。これはやばい!ギターは外に出しっぱなしなのだ!下手すると雨が降るかもしれない!あわてて室内に取り込んだ。さらに2時間そのまま乾燥を続ける。そして、いよいよ最後のコンパウンド作業になる。先ほどの一部分塗装の境目を丹念に磨き、平面にしていく。そこが終われば、後は全体をもう一度コンパウンドがけして終わりとなる。1時間ほどで終了。全身汗だくである。指先もブラブラ状態になってしまった。だが、ボディーは輝きを取り戻したのだ〜〜〜!!!二度とやりたくないぞ〜〜〜!!!

ところが、ギターはこれだけでは音が出ないのだ。ましてや、エレクトリックである。パーツの取り付けとハンダ付けが待っているのだ!さらにその電気回路に改造まで施そうという不届きな企みを持っている私なのだ。これがさらなる壁となって立ちはだかる!すでにその苦悩の日々はスタートしているが、果たしてこのギターは無事に復活することが出来るのか?それは期待して良いことなのだろうか?いま、目の前ではピックアップもバラされて無惨な姿をさらしている。このピックアップコードは「クールなのか?ホットなのか?」それすら分からず作業を続けているのだ。悲惨である。大いに悲惨である。だが仕上げなければならないのだ〜〜〜!!!

以下、次号に続く(次号っていつだよ〜?)



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