三年的空白後

2022年06月13日 中村梅雀さんとの交流!


2022 06 08 Billboard Live Tokyo!


「不思議でならないようだったがね 」

もうすでに終了してしまったのだが、Larry Carlton コンサートが3年ぶりに日本で開催された。横浜二日間、東京三日間だった。一ヶ月ほど前からツアーマネージャの Rick に連絡を取り、開催日には再会しようとの約束をしていた。この三年間にも何度かメールのやり取りは続けていたのだがね。

そして、いよいよ2022年6月がやってきた。開催が近づいたらメールで時間調整をやり取りしようと決めていたので、6月4日の横浜コンサート初日が終わるのを待ってRickにメールを送った。事前に分かっていたのは、COVID19 対策で今回は楽屋訪問は出来ないこと。招待も少人数しか出来ないことなどだった。そこで6月8日か9日に2名招待の希望を出しておいた。さらにもう一つ、メールに書き添えていたことがあった。それは、私自身がなぜ毎回 Rick に会いたがるのかという理由についてだ。私自身の鬱病歴と関係があるのだ。

2005年に鬱病に突入した私は一年かけてかなりひどい状態に陥った。そして2006年2月末、自殺未遂に及んだ。幸い生き残ったのだが。それから鬱病との長い戦いが始まった。自殺未遂の2日後、休職に入った。猶予は18ヶ月だったが、そんなに必要だとは思っていなかった。しかし、結果的に7年半の鬱病生活が続いた。

鬱病が発症して2年後、2007年の秋に私は趣味で初めてオーバードライブペダル「禅駆動」を完成させた。自分用に作っただけだったから、販売するつもりはなかった。しかしその後友人たち用にも作ったら、口コミにより徐々にオーダーが入るようになり海外からも噂を聞いてオーダーが来るようになった。海外有名ギタリストからもオーダーが入り始め、しばし混乱した。相変わらず鬱はひどかったため、納期は「出来上がったとき」と説明して納得してもらっていた。

2011年あの大地震が遭った年の11月に、奇妙なオーダーをスウェーデンから受けた。現地でLarryのコンサートがあり、そのボードに禅駆動が乗っていたと。同じものを欲しいというのだ。だがその時点で、私はLarryに禅駆動を作ったことはなかった。なぜだ?2012年2月末にその謎が解けた。Robbe Ford と来日していたRickに初めて会った際、交わした会話の中にそれはあった。Rick は Robben とLarry の両方のツアーマネージャをやっていたのだ。そして Rick は2011年に Larry の依頼で新しいオーバードライブ探しをしていたと。いくつか候補を見つけた中に、偶然ネットで見つけた禅駆動を手に入れ加えておいたというのだ。やがて選択の時が来て Larry は禅駆動を選ぶこととなったという。Larry が気に入ったのなら、正式に Larry 用として Larry の変更リクエストを加えた禅駆動を製作しお送りすると約束した。もちろん、Rick用にも弾駆動を製作して送ることにした。

そして、Rickと分かれる際に彼は私にこう言い放った「You are a genius!」(貴方は天才だ!)んんん?こんなことを言われたのは人生で初めての出来事だ。帰宅後もその言葉が頭の中でリフレインしていた。翌朝、私の鬱がかなり軽くなっているのを感じた!50%減。言葉が持つ癒やしの力なのか?

その二ヶ月後、Rick は再び Larry Carlton と共に来日した。私は Blue Note Tokyo に招待され、ライブ終了後に楽屋で Larry Carlton に合うことが出来た。Larry は私に言った「Your pedal is great!」(貴方のペダルは素晴らしい!)世界一のギタリストにそう言われるのは驚きだった。翌朝目覚めた私は、あまりにも頭の中にスッキリした感覚があり驚いた!鬱が100%消え去っていたのだ!これもまた昨夜の言葉の持つ力か?鬱からの開放!

そう!私は、Rick と Larry の言葉によって7年半の暗い鬱の世界から復活できたのだ!このことを初めて Rick へメールで伝えた。Rick はその返信の中で驚いていた。とても素晴らしいストーリーだと喜んでいた。さらに Rick 自身も2019年に鬱病に罹患し苦しんだと。コロナ渦で身動きが取れない中、Larry が彼の回復を手助けしてくれたと言っていた。彼もすっかり回復したので私と会うのが楽しみだと書いていた。鬱病は罹患したものだけが理解できる独特の精神世界があるのだ。


Mr. Rick Wheeler

最終的に私が招待されたのは6月8日のセカンドステージ。2席確保されていた。誰を誘って行くべきか?5年ほど前に禅駆動ユーザーになられた歌舞伎役者の「中村梅雀」さんに連絡をしてみた。以前にもお誘いしたことがありその時は梅雀さんが撮影の仕事で同行できず、一度お会いしたいとも思っていたのだ。やがて返事が来てその時間はフリーなのでぜひ行きたいと書いてあった。梅雀さんが禅駆動ユーザーになったきっかけは Larry の大ファンであったこと。梅雀さん自身もミュージシャンとして有名なのだ。

当日 Billboard Live Tokyo の受付前で待ち合わせした。時間通りに合流。すぐに指定された席に向かい、雑談を始めた。梅雀さんは Larry が来日していたことさえ知らなかったという。大変な喜びようだった。楽屋に挨拶に行けないのは残念だったが、Rick には会うことが出来てお互いに鬱とコロナのサバイバーとして喜び合うことが出来た。記念撮影もし、お土産の「赤霧島」を手渡しておいた。また次回お会いしましょうと挨拶をして会場をあとにした。梅雀さんも Rick と記念撮影をしこの夜は楽しんでいただいたようだ。さらに別の話も梅雀さんから出ていたがその展開が楽しみだ。それはいずれまた書くことにしよう。これで梅雀さんとは良い友人関係になれたと思うけどね。


お別れの前に私の母が梅雀さんのファンなので、サインと記念撮影をお願いした。帰宅後、母用にサインと写真を合体させたものを作り送った。受け取った母の喜び様は大きかった。70歳の息子と梅雀さんがなぜ友だちになっているのか?不思議でならないようだったがね。

本日の結論
新しい交流が始まるのは楽しいね!



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