中華的言語戦

2019年09月27日 中国語だけのマニュアルとの戦い!


端正なこの外観の中は中華の世界!


「サン・パ・チー・スー」

昨日の戦いの記録を残しておきましょう!

それはふとした気の迷いから始まりました。何気なく眺めていたネット広告で、音声自動翻訳機の動画を見つけました。ハンドマイク・タイプで簡単に自分の声を相手の言葉に翻訳してくれますし、相手の言葉も自分の言語に翻訳して音声で出してくれます。これは、最近たくさん見かける翻訳ガジェットですね。

どの商品もそこそこの値段しますし、それほど欲しいと思っていなかったのですが、画像を見ているうちにデザインがなんとなくデジャビュっぽく感じてApple商品にありそうな感じの外観でした。Apple tvのリモコンみたいな・・・。しばらく見つめていたら急に物欲が湧いてきて、使いもしないのに動画を見ているうちに「なんかこれ持っていると便利そう!」と訳のわからない理由をつけて自分で自分の物欲を掻きてててしまいました。いかんいかん!

そしてネットで価格調査です。1万円程度の値がついているようでしたが、いつものWishでも探してみたところ5,000円以下で販売されていました。送料いれて約6,000円程度ですね。まあ、これくらいなら騙されてもいいか!としばし躊躇しつつも購入決定!購入から9日目に届きました。Wishsでは、ほぼアベレージの配達期間ですね。

朝から仕事をしていたので、15時過ぎになってようやく時間が空きました。そこでこの商品のパッケージを開いてみることに。すると!!!出てきたのは予想通りの商品でしたが、思っていたより小ぶり!手のひらにすっぽり収まるサイズです。さらに箱の中をチェックすると薄いマニュアルがへばりついていました。開いてみると・・・。

おおお!!!なんと中国語だけのマニュアル!英文も無し!こりゃ困った!困ったぞ〜〜〜!!!ここから長い戦いが始まりました。まずはマニュアルの設定導入部分を見ました。原文ではなんとなくしか理解できません。そこで iPhone アプリの登場です。翻訳ソフト「Papago」には文字列を写真に撮ると翻訳してくれるソフトがあります。それを使いましょう!短い中国語なので、日本語に訳されたときでもなんだか分かり辛かったのですが、ほぼ理解したと。

そしてとりあえず、ガジェットに電源を入れてみました。普通はこの段階で iPhone に Bluetooth で認識されるはずですが、全く認識されず。なんで?と、混乱のうちに理解したのは、別の方法でリンクさせる必要があるらしいと。

困り果てていながらもなんとか予測を立て、色々やっているうちにわかってきたのは、次にやらなければならないのは iPhone に アプリをダウンロードすることでした。このアプリ経由で設定と翻訳をさせるようです。ところが、そのアプリへリンクしてるはずのバーコードがエラーを引き起こしアクセスできないのです。何だこれは?かなり真剣にパニック!しかし何度か繰り返し、その先にあるページをなんとか探り出しようやく発見!それは Wechat アプリでした。

Wechat(中国発祥のLINEみたいなSNSアプリ) に登録を済ませて次は、Wechat のリンクの中からこの商品用のミニアプリというやつを探さなければなりません。これまた中国語表記だらけで文字列が見つからないし発音も出来ない・・・検索できないので「魔芋AI」と必要な前半だけの文字で検索して発見!そのミニアプリ内を手探りで必要なセクションまで進み、ようやくこのガジェットの初期設定の手順解説にたどり着きました。ふう・・・。

もちろん、画面は全て中国語の解説。さらに、ガジェットから発せられる指示サウンドも全て中国語。もう訳が解りません。解説イラストがあったのでなんとか進み方は分かるのですが。何を書いてあるのかわからないので確信なく困惑・・・。そこで日本語で誰か解説していないかなと、ネット検索してみるとありました!一件だけ丁寧に解説したページが有りました。

簡単に書くと、ガジェットのスイッチを入れ立ち上がったら、電源ボタンと+ボタンを同時押しし、次のセクションに進むと。その画面でiPhoneとガジェットをWiFiでリンクさせる必要があります。画面上には当家の WiFi 名が表示されていました。そこへ WiFi のパスワードを打ち込めばリンク完了です。が・・・が・・・リンク失敗と出ました。なんで?間違いなくWiFiは使える状態だし、パスワードも間違っていません。が・・・何度繰り返してもリンクが完了せず「失敗」の文字が出続けるのです。とりあえず次の策が見つからず途方に暮れました。もちろんガジェットのサポートにも「なぜ繋がらないのか?」とメールを打っておきました。ここまでにすでに二時間以上経過・・・。

そこでもう一度落ち着いて考えてみました。このようなトラブルが起こった場合、経験上商品が悪いケースは1/10程度の確立だと。私のやっている行動に問題は無いのか?そこで、他に誰かこのような WiFi に繋がらない経験をしてネットに書いている方はいないのか?とね。そして別の方を見つけました!思ってもいなかった内容がそこには書かれていました。

まず「このガジェットは WiFi に関して2.4GHzしか認識しない」と書かれていました。おっと!当家はでは通常5GHzを使っていますので、まずはここで引っかかっていたのですね!さらにもう一つ「WiFi名は半角英数しか認識しない」というもの。当家は「一心不乱」と名付けていたので、ここでもアウトです!ううむ・・・思わぬ落とし穴だったなあ!

すぐに、2.4GHzの別回線を用意しました。こちらの名前は英数半角なので問題無し。パスワードも用意して準備万端!祈る気持ちでリンク作業を行ってみると・・・更に落とし穴が!パスコードを打ち込む必要が出てきました。そのパスコードは4桁の数字です。ところが!その数字は文字ではなくガジェットから中国語の音声で読み上げられるのです。えっ?音声?一度やってみたところ、数字が聞き取れませんでした。もう一度やってみたところ、一部聞き取れました。なるほど、やるたびに数字が変化するのですね。そして三回目に「サン・パ・チー・スー」と聞き取れました。「3874」だと確信して打ち込みました。おおお!!!あっさりリンクしたではありませんか!麻雀を昔やっていてよかった!と思われた瞬間でした。なんだよ・・・紙のマニュアルにそんな事書いてねえぞ!不親切なマニュアルの上に中国語であると二重苦の状態でよくたどり着けたものです。

さて、実はその先がさらにとても使いづらい状況でした。こいつは初期状態で「中国語—英語」の翻訳設定になっています。これをとりあえず「日本語−−−英語」に切り替えなければなりません。これまた手探りで言語選択設定画面を見ると、あああ・・・今までに使った他のアプリの言語選択画面では、国名とともに国旗の画像が表示されていて一目瞭然でした。ところがこいつは、中国語の表記だけで国名がずらりと並んでいるのです。幸いにして「日語」と書いてある項目を発見したので「日本語」(中国式略字でした)だろうと選択してみました。やはり正解!これでようやく本来の基本機能を設定できました。しかし、必要になったらすぐに言語が切り替えられなければ意味がないですよね。その度にいちいちドタバタするわけ?まいったなあ・・・。というわけであまりおすすめするガジェットではないと結論づけました。

テストに使ってみると、まあまあの翻訳精度。短い文章を正しく翻訳されやすい文法に従った日本語であれば、1秒後に翻訳された英語となって音声が飛び出してきました。緊急事態には使えそうです。ですが、基本的に私が使うために手に入れたのではなく、妻のために用意したのですがね。いずれ旅先で困った事態も起こるだろうとの対策です。

考えてみると、現在 iPhone にインストールしている「Papago」をそのまま使って音声翻訳したほうが精度が高そうな気がします。使いやすいし・・・。文字列でも表示されるので間違いに気づきやすいし。てなことで、約四時間の迷走を楽しんだ午後でした!

このガジェットの真中にボタンが有り、AI機能が搭載されているというのですが、その実態は siri の呼び出しボタン。しかし残念なことに、中国語にしか反応しないという設定なんです・・・。このガジェットは中国人向けの商品です。中国語が理解できない方は手を出さない方がよろしいかと!


本日の結論
このような迷走事態を「推理小説」のごとく楽しめる様になっている自分が嬉しい!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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