米国的裁判劇

2019年07月27日 陪審員たちの心理状態は!


主演 マイケル・ウェザリー


「人選を間違えるとかなり怖いことではありますね」

夜寝る前や早朝に目が覚めたときには、アマゾン・プライムで映画を観たり、アメリカのTVドラマをよく観ています。iPadでね。特にアメリカのTVドラマはシリーズ物だと結構な回数続くので、全150話とか200話なんてのがザラにあります。このタイプのドラマは例えば「CSI」とか「NCIS」「ロー&オーダー」「メンタリスト」なんてな警察関係ドラマが面白いのですが、最近気に入っているのはアメリカの法廷ドラマ「BULL」です。シーズン2まで一気に見終わりました。

アメリカの裁判では一般人陪審員12名が無作為に選ばれ最終的に審判を下しますが、陪審員が選ばれる最終段階で、倍の人数から検察側、弁護側それぞれが「この陪審員はいらない」とか「この陪審員はOK」とか裁判官に宣言して12名に絞っていきます。絞るためには根拠が必要ですね。人種や宗教観、倫理観など、いくつかの質問をしてその人物の精神的な方向性を見極め決めていきます。

誰を外し、誰を残すのか?適切な陪審員を選び出すことが裁判で優位に戦うための第一歩です。
その陪審員のマインドを事前に読み取って裁判結果を有利な方向へ向かわせるのがBULLの仕事。心理学の博士号を3つ持ち、様々なスペシャリストを集めて「裁判対策の会社」を経営しています。もちろんその会社には弁護士もいます。

一番の肝は、最終的に選ばれた陪審員12名とほぼ同じ年齢、人種、職業、宗教感等、を持った模擬陪審員12人を集めて、本物の裁判が行われている時に同時進行でその裁判の様子を伝え擬陪審員の心理状態を随時モニターし続けるのです。これによって本物の陪審員たちが弁護士や、検察官の発言によってどのように考えが傾いていくのかを同時進行で把握していきます。そのデータを法廷内のBULLに小型インカムで伝え、その瞬間ごとに裁判中にフィードバックし裁判を有利に導いていくのです。

BULLの会社には裁判所のセットが組まれていて、そこで様々対策が練られていきます。部屋いっぱいに並んだモニターには、逐一陪審員の精神状態が表示されていきます。大げさなモニターセットで荒唐無稽ではあるけれど、アメリカの裁判制度の機微が観られて面白いですね!

日本の裁判制度では、最終的に裁判官が判断を下します。最近は陪審員制度もありますが最終的な判断をするのは裁判官です。しかし、アメリカの裁判制度は陪審員12名が最終的に合議して12名全員が同じ結論に達した時「有罪」か「無罪」かが決定します。1人でも反対意見があれば審理が不成立となり、やり直しになります。

つまり、いかに12人の陪審員の心情を読み取り、自分の側の意見を納得させるかが駆け引きなのです。一つ微妙なところは「真実」ではなくても「12名全員」が納得し合意すれば結論が出されるという部分です。このドラマの中でもそのギリギリの戦いが何度も出てきます。

その昔、ヘンリー・ファンダ主演「12人の怒れる男」という映画がありました。裁判ものの映画で、父親殺しで死刑を求刑された18才の被告に対して陪審員12名が審議する映画で、ほぼ全編審議室内の映画です。11名は「有罪」だと判断しているのに1人ヘンリー・ファンダだけ執拗に「無罪」を主張していつまでも合意に至らない・・・。証拠のナイフはあるのに・・・。しかし長い長い審議の結果は全員合意で「無罪」。何故、11名は1名よって意見を変えられたのか?その顛末が面白い映画です。もともとはテレビドラマだったようですがね。「偏見」がテーマにあるようです。

この映画やテレビドラマでもアメリカの裁判シーンで必ず出てくる陪審員の存在は、素人が犯罪性を判断するのですから、かなりシリアスですよね。特に宗教観や人種問題などを抱えたアメリカでは選ばれた陪審員の質が問われます。人選を間違えるとかなり怖いことではありますね。

それに比べて日本では裁判官がほぼ判断をするわけですが、ここに昨今問題が出てきています。それは裁判官の「常識」への疑問。日本においても人種問題が出てきています。これ以上多くは語りませんがね。理不尽な判決が多く見受けられる昨今ですよ。日本でもアメリカタイプの陪審員制度が導入されたとしたら、どうなるんでしょ?気になりますねえ。

「BULL シーズン2」のラストが「えっ?なにこれ!!!」という気になる終わり方だったので早く裁判エンターテイメント「BULL シーズン3」が観たいです!そうそう、主人公のBULLを演じている役者は「NCIS」にも出ていた マイケル・ウェザリー です。結構お気に入りの役者ですよ。「NCIS」の頃に比べると「BULL」ではすっかり中年太りしてますがね!


本日の結論
裁判員を一度ぐらい経験してもいいかなと思いますね。

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