豊洲的鮪価格


2019年01月07日 ご祝儀価格とは何に対するもの?

ネットニュースよりお借りした画像です!


「あのマグロを食った!

2019年1月5日朝の豊洲市場初競りで、あの「すしざんまい」の社長がまたもや歴史的価格「3億3360万円」で大間のマグロを競り落としました。移転前はいろいろ問題があった豊洲市場でしたが、こうなってみると景気が良い話じゃありませんか!前回の記録的価格を2倍以上に御本人が塗り替えたのですからね。

で、この落札価格に対していくつかの賛否両論が飛び交っているようなので、私なりに考えたことを書き留めておこうかと。

景気がいい話でいいじゃないか!という意見は問題ないのですが、反対意見の方々が気になったのですよ。世の中の仕組みというものを考えずに、ただあの「3億3360万円」との金額だけに過敏反応しているとね。例えば「鮪一匹にそんなに払うくらいなら、社員にもっと給料払ってやれよ!」とか「寿司をもっと安くしろ!」とか。バカ丸出しです。

この社長が落札した価格を「鮪の代金」としか考えていないんですね。確かに正月の初競りは「ご祝儀相場」というものがあります。毎年落札価格は常識的な金額ではなくなりますよね。しかし、この社長の狙っているところは、そこではないですよ。「一等賞」を取ることが目的なんです。

あなたや反対意見を述べている人々は、何故この超高額落札の事実を知っているのでしょうか?テレビ、新聞、ネットニュース等、マスコミが大きく取り上げて報道したからですよね?ほとんどすべての報道機関が取り上げていたはずです。そして「またあの社長がやっちまったか!」と思ったはず。それらの報道によって「寿司屋の社長の顔」まで覚えてしまいますよね。

社長の狙っているのはそこです。メディアが取り上げるのはいつも「一等賞の人」です。藤井聡太もそう、大谷翔平もそう。二番手じゃ誰も取り上げないんです。この話が好きなんですが「日本一高い山は?」「富士山!」「それでは日本で二番目に高い山は?」「???」というもの。ほとんどの方が知らないというのです。

昔広告の世界で生きていましたので、広告の対費用効果についてはかなり知っていますが、今回の落札価格は、広告費に換算したら安いものです。「一等賞落札価格」=「広告宣伝費」と考えれば納得行くものです。当然、海外へもこのニュースは流れていますし、英語を始めとする外国語でも拡散されています。「日本に行くときはあの寿司屋に行ってみたい!」と思わせることができます。

私は2015年に、アメリカのギタリスト Mr. Henry Kaiser と奥様の Mis. Brandy Gale をこの「すしざんまい」へご案内しました。彼らは美味しいお寿司に大満足していましたが、今回のニュースをメールで知らせると彼らも喜んでいました。「おおお!あの寿司レストランの社長がまたもややっちまったか!」とね。

落札当日の「すしざんまい」ではすぐに鮪を解体して、通常価格の握り寿司で販売します。本来であれば大トロ1貫3万円程度の価格になるそうですが、通常価格380円程度。赤身だと160円程度の価格だそうです。そのためニュースが流れた直後に客が押し寄せていたとか。宣伝効果抜群です!あの値段の鮪が、通常価格で食べられるという「特別お得感」が人を動かすのですよ。いままで「すしざんまい」に行ったことがない方も多くいたはずですよね。

ちなみにあの大間のマグロを釣り上げた漁師には、手数料や税金が引かれた残りの1億7千万円程度が支払われるそうですがね。漁師たちにとっても励みになる金額ではないですか!「すしざんまい」はあの金額のおかげで絶大なる宣伝効果があり、漁師にとっては信じられないほどの収入になり、お客にとっては「安価であのマグロを食った!」との楽しい記憶になるし、誰もがハッピーになれる話じゃありませんか。

社長が落札したのは「鮪一匹」ではなく「鮪初競りに関わるニュースの出演料」であったというわけなんですよ。むしろ「鮪」はおまけなんです!だから、あんなに安い通常価格で販売できるんですよ!皆様、ご理解していただけたでしょうか?


本日の結論
私もあの鮪を食ってみたかった・・・!

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