終了的英特訓


2015年08月08日 計算は正しい?

ペラペラになるには学習1000時間が目安



「もう提出用の録音をする必要がないが」

今日もまた暑い日が続いておりますね。なんとか夏風邪地獄から復活出来ましたよ。でも、作戦を変えてこのところ部屋のクーラーは27度設定にして24時間つけっぱなしにしました。すると体調が戻って夜も眠れるようになって快適ですね。夜寝るときにクーラーをタイマーで切るとその後の室温上昇で目が覚め熟睡できないんですね。

かねてよりお知らせしていた「90日間の英会話特訓」は、5月11日からスタートして、いよいよ本日8月8日14時過ぎに最終的な宿題を録音して提出し終了となりました。その間に色々ありましたが、自分の総括としてこんなことを感じましたよ。

まず当初にあった「本当に90日間でペラペラになるのか?」との疑問は、ハッキリ言って分かりません!まだ実践してませんし・・・。「ペラペラ」の正確な定義が存在しないので人によってどうとでも解釈できますから、様々な英会話メソッドで書かれている「ペラペラになります」との謳い文句はアテにはできないと早いうちに気づきます。「終着駅」が存在しないのに必ず「終着駅」に到着しますと言っているようなものですからね。

ペラペラの定義風思い込み
1 ネイティブと自由自在におしゃべりできる。
2 ハリウッド映画を字幕なしで理解できる。

なんてなイメージですよね。でも多くの英会話教材で言うペラペラは、全く次元が違います。

1 ネイティブに話しかけられても怯えない。
2 ネイティブの言っていることを日本語変換せずに何とか概要が理解できる。
3 自分の言いたいことがかろうじて英語で言える。

英語力ゼロベースの生徒からすれば、これでも以前に比べればかなりペラペラだと解釈できます。今まで、道端で地図を持った外国人観光客に道を聞かれて、慌てて逃げるように去っていた人がその外国人に道案内できるようになっていれば、このレベルまでで第一段階終了なのですよ。当たり前ですね。この先ほんとうにペラペラになるには、ある程度英語の背景に在る文化まで理解する必要が出てくるわけですから。そして、上級スキルを目指すのであれば大金をつぎ込む事になるのでしょう。

当初さかんに広報として言われていた「1日たったの12分頑張るだけでペラペラになります」の言葉。これは毎日出される課題をこなすための時間だと理解していたのですが・・・実際やってみると、12分ではとても無理です。物理的に12分ではクリア出来ないんですよ。

というのも、毎日発音の見本やヒヤリングのためのムービーを見なければなりませんが、その視聴時間だけでも5分〜10分程度はかかってしまいます。すると残りの5分程度で何が出来るのか?穴埋め問題や、和文英訳、英作文、更にはその日書いた英文を録音してほぼ毎日提出しなければなりませんでした。英語の達人だって12分でクリアするのは難しいですよ。

ましてや初心者が英文をたくさん読んで書いて録音しなければならないわけですから、そりゃあ時間がかかりますって。更に当初は、かつて習ったはずの怪しげな知識が邪魔をして、和文をなんとか原文に忠実に英訳しようと無駄な動きばかりしてしまいました。文法先行の学校教育の弊害。原文にこだわらず意訳すればよかっただけなのですが。

そして悟るのです。日本語を忠実に英訳するのは無理。同じ意味が通じればどのように英訳しても問題なし!ってね。つまり答えは無数に存在していて、唯一無二の正解は無いってこと。逆に英語を日本語に訳すときも同じですよね。しかも英会話ですから、なるべくシンプルに短い英語に置き換える事を目指すのです。私はそこを理解するまでかなり時間がかかってしまいましたが。

まあ、そんなこんなでなんとか課題英文を書き上げてから次に録音です。私にとってはここからが辛い修行でした。一度録音したらそれを再生し発音を確認します。もともと、CM業界で働いていた私は無意識に録音物のアラ探しをしていたようです。自分の発音の細かなところがとても気になりました。そこで、もう一度録音し直します。もちろん再度チェックすると、今度は別の部分が気になりました。そしてまた録音をやり直すと。これの繰り返しで、いつまでも録音が終了しません。あっという間に1時間が経ち、長い時は2時間もかかってしまいました。 長文だと最長3時間かかりましたがね。これで分かったでしょ?本気で取り組むと毎日12分のレッスン時間確保では無理だってのが。

でも、なんとか30分程度でやっつけている人もいるようでした。つまり文章は書いたら書きっぱなしですぐ提出。録音も1回したら自分では聞かずにいきなり提出してしまうという作戦です。でもこれじゃ身につかないと思いません?発音は、英文を正しく読んだ回数だけうまくなっていきますから、回数をこなさないと上手くならないんですよね。

私は日々その日の課題が終わった頃にはグッタリ疲れきっていました。これを90日間繰り返したのですよ。しかし、30日目あたりで不安がよぎるようになりました。「このまま最後まで行けるのか?」毎日覚えて毎日忘れる感覚です。年齢もあるし・・・この不安感と戦うかのように、日々大声で課題の英文を読み上げつつ録音を続けました。すると、40日目あたりで自分でも分かるほどかなりスムーズに読めるようになってきて、抑揚もおもいっきり付けられるようになり少し褒められ始めました。すると調子こいて発音も少し早めにできるようになりました。そろそろ加速するのか?と思い始めた頃・・・。

70日を過ぎたあたりで、急ブレーキがかかりました。夏風邪をこじらせて思考が混濁していせいもあるのでしょうが、提出課題の英作文に文法のエラーが目立つようになりました。なんで?何度も確認したはずなのに、凡ミス続出です。指摘されて「ああそうだ・・・そうだ・・・」と1週間ほど凹みました。

なんだか文法的にかなり混乱が生じ始めていたようです。それを解決するには文法を復習すればよいのですが、毎日やっているレッスン時間がかかりすぎてそれどころではありません。一日が、課題と本来やるべき仕事で費やされていますからね。残った時間が殆ど無いわけです。この90日間は映画を一本も観ていません。

さてどうする?

そこで決めたことは、とにかく最後までドタバタしながらも行き着いてから、初心に戻り頭からやり直してみるというものでした。一度通過してきたわけですから次は早くクリアできるだろうと。更に発音やイントネーションはかなりクリア出来ているのですから、文法を中心に再確認すればよいわけです。もう提出用の録音をする必要がないのですからね。でも、読み続けることはやるべきですね。

そうそう!当初苦しかった録音の繰り返し回数は徐々に減っていきましたが、最終的に理解できたのは、私がやった「自分が気に入るまで録音を繰り返す」をやっていると劇的に発音やイントネーションが進歩するってこと。発音は繰り返した分だけ上手くなるってことですね。もちろん、提出した録音物に対しては毎回フィードバックがあって、間違っている部分の指摘と正しい発音の指導があるから可能な作戦だたのですが。自分で読んで自分で判断するだけでは全く意味がありませんね。

さあ、そういうことで本日90日間のカリキュラムが終わりました。明日から復習を開始しましょう!

と、ここまで書いたところでふと思いついたことがありました。

英会話の学習は「ペラペラになるには学習1000時間が目安」と様々なところで読んだ記憶があります。これは英語漬けの時間がトータルして1000時間に達するとスムーズに理解できて話せるようになるという意味です。では計算してみましょう。「90日間1日12分のレッスンでペラペラ」のフレーズは計算上どこまで正しいのでしょうか?

1日12分 X 90日間 = 1080分 = 18時間

えええ〜〜〜!!!全然足りないじゃあ〜りませんか!982時間もね。

ただし、Skype を使ったアウトプット・レッスンが12回ありましたのでプラス12時間で、トータル30時間だったと。それでも970時間も不足しているわけですなあ。

1000時間必要だと毎日3時間頑張れば1年でなんとかなるペースです。私の古い知人で英語が全くダメだった方が渡米して日本人とはほぼ接触せず、アメリカ人の中だけで生活していたら、1年後のある日、映画を観ていて突然すべてが理解できるようになっているのに気づいたと言っていました。ほぼゼロから始めるとそれだけの時間は必要だということですね。まあ、1日1時間の勉強を続けても約3年近くかかるってことですから。この計算で行くと1日12分だけの学習では、

60000分 ÷ 12分 = 5000 日 ≒ 13.7年 えええ〜〜〜!!!

つまり、何が言いたいかというと、私はこの3か月間でようやく英会話の入り口に立ったにすぎないと。もともと「ペラペラ」なんてな曖昧な基準を信じるほうがおかしいとね。逆に言えば、その人なりのペラペラの基準があり「外国人に声をかけられても焦らない状態」をペラペラだと思えばその状態には成れているわけですからね。かと言って、字幕なしのアメリカ映画を全部理解できるように成ったわけではないですから。ネイテイブ発音に対するヒヤリングはまだまだ修行中です。

勘違いしないで下さいね。私はこの90日間の英会話レッスンを否定していないんです。私にとっての問題は「やるのか?やらないのか?」の違いだけだったんですから。ず〜〜〜と長年やりたいと思っていた英語の勉強を始めるにあたり、その肩を後ろから押してくれたのが「90日間1日12分のレッスンでペラペラ」のフレーズなんです。

実は、昨年1月から別の6か月間自習メッソッドでスタートしてみたのですが、それは半年後見事に挫折しました。理由は仕事がとても忙しくなったことと、DVD 10枚組だけで指導者抜きの学習をするのはキツイですよ。DVDのクオリティーも低すぎましたし、さらに、そのメソッドには私にとってクリアできない大きな欠陥がありました。自分自身にいくらモチベーションが有ってもそれだけではダメなんですよ。でも、ある重要なマインドに対する収穫はもちろん有りましたから無駄ではなかったんですよ。

この年齢になって学習するのに必要なのは「強制性」です。自宅で一人学習し続けるには「強迫観念」が必要だと思います。日々追いかけてくる「課題」を毎日クリアし提出する必然性をキープし続けるには、そこへ自分を追い込まないと続けられないんですね。必ずネットの向こう側に指導者がいて、その方とのやりとりで自分の学習進行具合を毎日確認していかなければ、次に進めませんね。売りっぱなしのDVD 10枚組ではそれがないんですよ。

今回のメソッドはその「強制性」に対して見事に私がハメられたと。ラストの10日間は結構楽しんで「クイズ」を解くような気分で和文英訳や英作文をやれるようになっていましたからね。

「クイズ」といえば、ひとつ面白いことがありました。全90回の課題の内、約1/3分になんらかの出題ミスが有ったということ。ムービーでしゃべっている内容とテキストの内容が少し違っていたり、否定文の説明のはずがテキストは肯定文になっていたり、脱字あり、習っていないことがいきなり出てきたり、出題の日本語が曖昧だったりと混乱がたくさんありました。私はそれに出くわす度に、事務局へ修正を申し入れていました。当初は腹を立てていましたが、やがてこれも「クイズ」の一部であると解釈して取り組むようになりました。つまり間違いの発見そのものが英語に対する訓練になるとね。そして最終日にも見事に1か所だけ修正点を見つけて通報しておきました。

もし、同じような英会話学習をゼロから始めようとしている方がいれば一つだけ参考意見を書きましょう。

英会話学習を開始する前に「アルファベットの発音が正確に出来るようになっておくこと」意外にこれが出来てないんですよ。「フォニックス」といいます。アメリカでは子供に対してまずここから教えるそうです。一旦学習が始まってしまうと、「フォニックス」をイチから自力でクリアしている時間がないんです。始める前にこれをまずクリアしておくと、最初から学習がスムーズに行くんですね。「自分が発音できない音は聞き取れない」という事実があり、そしてこれをクリアしておかないと、初日から英会話サンプルムービーの発音が聞き取れないんです。さらにネイティブは書かれているテキスト通りに発音してませんから厄介なんですよ。

大量の英語を日々聞きつづけると「フォニックス」の持つ意味が理解できます。しかし、最初から例の「聞き流すだけ」の教材だけではこれが理解できません。まず「フォニックス」を身につけてから「聞き流すだけ」を聞くならなんとかいけるでしょうが。そして・・・やがてその次に待ち受けるワナにも気付き始めますがね。

最後に、かなり昔に目撃したことですが・・・。某アメリカ人広告業界女性スタッフ(日本語が理解できる方)に日本人スタッフが英語で話しかけていました。その日本人スタッフは自分でかなり英語が出来ると思っていた方です。が・・・そのアメリカ人にこう言われていました。「あなたの英語は発音が下手すぎて理解できない、面倒くさいので日本語で話して下さい!」とね。正しい発音を身につけるところから始めましょうね〜!


本日の結論
さてと、そろそろあの方に連絡をしなければ!って・・・だれ?

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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