確保的絶滅種

2013年07月06日 JRC4558D艶有り、再入手報告!


JRC4558D艶有り と JRC4558DD艶有り の違いは?



「オペアンプ探しの旅も今回で一応終わりか」

二度も三度も起こったらそれはもう奇跡とは呼ばれないだろうなあ・・・。
前回の「JRC4558D艶有り」大量入手事件の更に続きがあるのだ!

さて、本日のネタは再びオペアンプ「JRC4558D艶有り」入手についての話。

1980年代に製造された「JRC4558D艶有り」は世界的に有名で、探しているペダルメーカーも多いのだよ。歪み系ペダルのリプレイス用に探しているペダルマニアが多いしね。私のところへも「JRC4558D艶有り単体を譲って欲しい!」とたまに申し入れがある。もちろんそれは固くお断りしているのだが・・・。

私が作る弾駆動、禅駆動はこの貴重な「JRC4558D艶有り」と「JRC4558DD艶有り」を使っている。これらのオペアンプはもう絶滅危惧種扱いとなっていて、貴重品扱い。NOSの状態で、まとまった量をもうほとんど手に入れる事は出来ない状況がある。

ここで基礎知識として「JRC4558D艶有り」と「JRC4558DD艶有り」の違いについて書いておこう。この2種類のオペアンプは表示が「D」ひとつ違うだけである。これが意味するものはなんだろうか?



「JRC4558DD艶有り」はもともと「JRC4558D艶有り」として製造されたオペアンプである。メーカーではオペアンプの表面に文字を印刷する前の段階では全く同じオペアンプとして扱われていたのだ。つまり製造されたばかりの段階では「JRC4558D艶有り」と「JRC4558DD艶有り」に区別は無いのである。

では、何故一部の「JRC4558D艶有り」に「D」をひとつ増やして表記を「JRC4558DD艶有り」にしたのか?それは「選別」したからだ。工業製品の性能には「許容範囲の誤差」がどうしても発生する。「JRC4558D艶有り」もそうだった。そこで、大量に製造された「JRC4558D艶有り」の性能チェックを行い、特にノイズ特性の優れたものを選別し「JRC4558DD艶有り」と印字したのである。

「JRC4558D艶有り」 = 低ノイズ品
「JRC4558DD艶有り」 = 超低ノイズ品

ノイズ特性の違いは、計測器を用いて分かる程度の違いである。実際にペダルに両方を使用してみても私はその違いを聴き分ける事が出来なかった。私は現時点でメインに「JRC4558DD艶有り」を使用しているくらいだ。

当然「JRC4558DD艶有り」の方が製造数量が少ない。そして発売当時の価格も高かったのだ。生産比率のイメージとしては以下のようなものだろうか? 実態を知らないのでこの程度の説明しか出来ないがね。


昨今、野球用公式ボールの反発係数問題がニュースになっていたが、量産されたボールは当然ながら許容誤差の範囲で反発係数が大きいものと小さなものが産まれる。オペアンプも同じで、ある許容誤差の範囲内でノイズ特性の高いものと低いものが出来上がるのだ。

野球ボールの場合も反発係数を検査後、いちいち選別して名前を付け替えたとしたら、飛ばない「公式ボールD」とよく飛ぶ「公式ボールDD」のようになるのだよ。しかしその飛びの違いはほんのわずかでしかない。これで分かった?オペアンプはその選別をやったのだ。実は「JRC4558DD艶有り」の方がより貴重品であると知れば新しい発想が生まれないか?

ここまで書いて来るともうお気づきだろうが、世の中では「JRC4558D艶有り」のネームバリューが高く、探しているマニアが多いため高額で取引されている。一方「JRC4558DD艶有り」はネームバリューが低いので、現在は「JRC4558D艶有り」より低価格で販売されているケースが多い。株式の取引や通貨の取引と同じだね。欲しい人が多ければ価格は上がるのは世間の常。

さて、本年5月に1,280個の「JRC4558D艶有り」を入手した私だったが、さらに6月になり先日のショップから「再度見つけました!今度は『JRC4558D艶有り』70個ですがご入用でしょうか?もしそうであればお取り置きしますが」と連絡があったのだ!そして「JRC4558DD艶有り」の在庫もあると加えられていた。

で、これを知った私はどうしたのか?私は「JRC4558D艶有り」を全量購入する意思をすぐにショップへ伝えた後、「JRC4558DD艶有り」の在庫数も問い合わせたのだ。その数を正確にチェックしてもらったところ「439個の在庫があります!」との返事が!迷わず「JRC4558DD艶有りも全量購入したいので取り置きしてください!」と返信した。その直後、ショップの通販ページから「JRC4558DD艶有り」が消えた。この瞬間に、私は新たに70個+439個=509個を確保した事になった!

さすがに、ショップとしても今回が「JRC4558D艶有り」最後の入荷であると言っていた。私自身がすでに所有している在庫と、今回の入荷を含めかなりの量を確保した事になる。私がいずれ廃業するまでに必要な「JRC4558DD艶有り」と「JRC4558D艶有り」を確保できた感じだ。

このところオペアンプの大量購入や、まとまった量のアルミケース加工オーダー等でかなりの資金が必要だったが、それも何とか切り抜けて手持ちの財力も使い果たした。これで私自身のオペアンプ探しの旅も今回で一応終わりか・・・。まあ、いずれ極安で「NJM4558D艶有り」が見つかる事があれば購入再開する事もあるかもしれないがね!

と・・・「JRC4558D艶有り」購入の金策をしていたところさらに・・・ショップから連絡が来た!
「追加で『JRC4558DD艶有り』600個を発見しまして入荷致しました。これもご入用でしょうか?」ううう・・・ううう・・・どうすべえ・・・やっぱり全量確保しておかないと気持ちが落ちつかんもんなあ〜〜〜!!!ええ〜い!買っちまえ〜〜〜!!!

てなことで再び「JRC4558D艶有り」x70個 「JRC4558DD艶有り」x1039個 入手したぞ!

なんてな事を書いていたら・・・市民税、区民税、健康保険料などの通知書がまとまって届いた!年間分まとめて支払おうと計算したら・・・おっと〜〜〜ひえ〜〜〜いけねえ〜〜〜!!!そういえば今月は源泉徴収税も半年分をまとめて払わなくてはならないはず・・・。あたたた・・・これから金策だ〜〜〜!!!と、大騒ぎして・・・。

無事に金策も終わり、なんとか税金関係等の支払いをすべて済ませ、一気に「JRC4558D艶有り」購入の支払いも済ませた。そして、本日7月6日のお昼に注文していた「JRC4558D艶有り」と「JRC4558DD艶有り」が届いた。

ダンボールを開いてみると、手紙が一通入っていた。

「事務所内を探してみたら2個のみみつかりました。オマケとして同梱させていただきました」の文章と共に「JRC4558D艶有り」が2個同梱されていたのだ。ありがたいご配慮である。他にも「JRC4558DV艶有り」や「CXA4558」などがオマケとして加えられていた。これは「JRC4558D艶有り」を私が使い果たした際に次の候補のテスト用としてお送りいただいたものだ。これまたありがたいご配慮である。


本日の収穫品  「JRC4558D艶有り」x72個  「JRC4558DD艶有り」x1039個


本日の結論
今までは先行投資をあまりしなくて済むようにしていたのだがね・・・あああ・・・。

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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