裁判的和解談

2013年05月23日 まだ記憶されているだろうか?


2011年12月18日夕方17時40分の出来事!



「上等じゃねえか!」

ついにアノ事故が決着したので、ここで経緯を一気にご報告しよう。

ちょっと古い話になるのだが、2011年12月18日夕方に近所の見通しが悪い交差点で、当家の車が一時停止違反の車にぶつけられた事故があった!妻が運転し、私は助手席に乗っていた。当方は交差点直前には徐行をし、安全を確認しつつ進入したのだった。ところが、加害車両は一旦停止規制があるにもかかわらず一旦停止せず交差点に進入、当方へぶつかって来たのだ。



私は現場で加害者に確認をし「一時停止をしなかった私が100%悪い」と相手に言わせた。そしてドタバタは翌日から始まったのである。加害者が加入していた保険会社担当から電話があり、私が対応したのだがそれが酷かった。まるで当方が加害者のような言い草なのだ。当方は優先道路を進んでいたにもかかわらず、当方が一時停止しなかったから事故が起きたと言い始めたのだ。なんだそれは?当時の詳しい事情は、以下のリンクでお読みいただきたい。

衝突的交差点 http://www.tanabe.tv/top/dokudan2011/1220.html

論破的屁理屈 http://www.tanabe.tv/top/dokudan2011/1229.html

検証的交差点 http://www.tanabe.tv/top/dokudan2012/0112.html

経過的交差点 http://www.tanabe.tv/top/dokudan2012/0117.html

事故的再始動 http://www.tanabe.tv/top/dokudan2012/0701.html

事故的提訴化 http://www.tanabe.tv/top/dokudan2012/0724.html

ここから先は少し回りくどい表現になってしまうが、お許しいただきたい。裁判内容なので、なるべく正確に分かりやすく書こうとするとこんな事になっちまうんだ。

相手の保険会社の対応にあきれ果てた私と妻は、弁護士と熟慮した結果、裁判所へ提訴する事にした。そして、ついに2012年11月裁判が始まった。

原告は運転者である妻、被告は加害者の代理人である保険会社だ。当方の主張は「この事故は加害者の100%過失であり、車両修理費と原告の治療費及び通院にかかわる主婦の休業保証及び裁判費用を求める」ものだった。当方は事故現場の画像を撮影し、論理的に当方の主張を証明する証拠書類を作成した。さらに、妻が通っていた病院2か所の診断書と診療明細も提出した。

ところが・・・被告側弁護士が提出して来た反論書類を見て「なんだこれは?」と思う事が見つかったのだ。まず最初に見つけたのが、事故現場の交差点に関して「一方通行」と表記してあったのだ。そんな道路は現場のどこにも無い。警察が作った事故現場の調書にも、そんな事は書いてない。いったい何が根拠になっているのだろうか?変なの・・・。

やがてそれはさらに変な方向で表面化して来た。なんと!事故の加害者を原告として、当家の妻を被告とする裁判が逆提訴されたのだ。なんぢゃそりゃ?ますますワケが分からない状態となった。訴状をよく読んでみたところ、ようするに事故の加害者は弁護士特約に入っていたので、それを利用して「治療費や休業補償に関する値下げ」を目的とする反撃として被告代理人が仕掛けたものだろうと理解した。

提訴内容は当方に加害車両の修理費を支払えというもの。その根拠は「原告車両が一時停止規制を無視し進入し事故を起こした交差点は、被告車両側にも一時停止規制があり、被告がそれを無視した為に起きた事故」というもの。(この場合の被告というのは当家の妻の事だ)なにそれ?いいかい・・・よ〜くあの交差点の地図を思い出していただきたい!どうみても、あの交差点は加害車両側に一時停止規制があり、当方が走行していた道路にはそんな規制は無いのだ。当方が走行していたのは優先道路なのだ!

いったいどうして、被告代理人弁護団はそのような嘘の根拠で反撃を試みたのだろうか?全く理解出来ない。というか・・・彼らが提出して来た書類には2通で合計12名の弁護士の印が押してあった。つまり、12名の弁護士が「嘘の根拠」に対して「間違いございません!」と印を押したのだ。どう考えても変だ。若い者を一人事故現場に行かせて確認させれば済む話なのだ。いったい何をしたいのか?全く理解出来ない状態となっていた。

その後裁判所の判断で、被告代理人側の提訴内容は当家が起こした裁判に吸収されて、一件の裁判として判断される運びとなった。その方が分かりやすいね。しかし!これまたよく考えていただきたい。被告代理人が起こした裁判は、その根拠の「被告(当方)車両側の一時停止規制違反」が現実に存在しない以上、それを外してしまうと「原告車両が一時停止規制無視で進入し事故を起こした」と自分側の不利な状況だけしか残らない訴状の内容になったのである。自分で自分に非がある事をダメ押しする事に意味があるのかい?

数回の公判の後、2013年1月末になり被告側から「反撃」が始まった。簡単に書くと、今度は「原告が通院した病院2か所の治療内容は、事故とは関係がなく、主婦に休業補償はあり得ない」というもの。被告側弁護士は、妻が受けた過去3年分の治療内容をチェックしたようだ。過去治療した件の延長線上にあるというのだ。何をバカな!当家のかかりつけの医院だから事故後も当然通院したのである。酷い反論だ。さらに、主婦に休業補償が無いという主張もふざけている。長い間通院して、その度に待合室で半日つぶして居たのだ。誰が好んでそんな無駄な時間を過ごすというのだ。

反撃の文章を読んでいると「医師から休業の指示が出された証拠が無い」と書いてあった。何を言っているのだ!専業主婦であるとすでに知っている医師が「仕事を休みなさい」と言うはずが無いではないか!「しばらく体を休めてください」とは言うだろうがね。こんな揚げ足取りの反論文がズラズラと書き連ねてあるのだ・・・。呆れてしまってもう大笑いするしか無かった。

妻は「反撃」に対して「反論文」をすぐに書いて当方の弁護士へ送った。弁護士はそれを元に、次回公判で反論を展開するのである。ところがその前にひとつまたもや笑っちまう事が判明したのだ。

公判3回目。そもそも交通事故に関する裁判である。まずは事故責任割合について主張するべきだろう。原告である当方は以前にも書いた通り、現場の写真を撮り丹念な検証を行って証拠書類を作成し提出した。しかし、被告側からは「警察が作った現場調書」1枚だけしか提出されなかったのだ。それを被告側はよしとした。つまり、原告側の製作した資料だけで裁判所が事故の責任割合について判断してかまわないと、被告側は認めたのである。ということは、事故そのものに関して被告側はもう反論しないのだね。後は裁判所の判断を待つのみだ。

しかし・・・被告側が事故内容についての証拠書類を作らなかった理由も分からないではない。当方が作った証拠書類を見れば、それ以上の反撃用証拠書類は作れないからだろう。調べれば調べるほど、被告には不利になる証拠ばかりになるからだ。だからこそ、そこを被告側は追求するのを止めて、車の修理費や治療費、休業保証費の削減へとターゲットを変えたのだろうね。

残るは、原告の治療費と休業補償に関する支払いの度合いの判断だけだ。

やがてその時が来た。裁判所から和解条項案が送られて来たのである。簡単に言えば、裁判所はこう判断するのでそろそろ手を打ってはどうだね?という内容である。いつまでも裁判を引き延ばせばそれだけお互いにコストと疲労が溜まるからね。で、裁判所の出した和解条項案を読んでみた。簡単に書くと以下のような内容だ。

1 過失割合は 被告 9 : 原告 1 とする。
2 被告代理人は、すでに支払った治療費等の金額以外に原告へ60万円+車両修理費として70万円を支払え。
3 原告は被告に 8万5千円支払え。
4 訴訟費用は自己負担とする。

過失割合に対して当方は不満があるのだが、判例集に9:1の実例がある為、これ以上長引かせてもあまり意味は無く、裁判結果としてもたぶん変わる事が無いだろうと考え受け入れる事にした。和解金に関して、差し引きで 121,5000円を受け取れる事になる。だが、当方が被告に支払う85,000円は当方が入っていた保険会社から支払われ、さらに当方の保険会社から車両修理費用の10%が当方に支払われる事になり、手元に137万円が残る事となった。最終的には、その中から弁護士費用を支払うのだがね。

面白いのは、裁判前に被告代理人が主張していた「代車のレンタル代金14万円を支払え」はいつの間にか無くなってしまった事だ。これに関しては当方の担当弁護士が裁判前に「そんな主張は裁判の場では恥ずかしくて言えませんよ」と言っていたのだが、まさしくその通りの結果となった。さらに、今回の和解条項を双方が承認し実施すれば、その後一切この事故に関する補償や請求は出来なくなる。つまり後から「代車のレンタル代金を支払え」と被告代理人は言えなくなるのだ。その支払い期限は5月27日だった。しかし、昨日5月22日に双方の支払いが完了した為、すでにこの事故に関するすべてが終結した事になる。

裁判前に、被告代理人が当方へ支払うと言っていた金額は58万円程度だったので大躍進だ。そもそも、この裁判は被告代理人担当者のあまりにも理不尽な言動に対し、普段穏やかな私が珍しく大憤慨した結果起こした「懲罰」的意味合いを持つ提訴だったのだ。結果の保証を求める事は当たり前だが、それよりも裁判を起こす事そのものが目的だったのだ。当方の強い意思を相手に示したかったのだよ。

事故直後の被告代理人担当者の言葉の中で「そのような主張を続けられるのであれば、当方は弁護士特約に入っていますから裁判を起こしますよ!いいんですね?時間も取られますよ!」と素人に対して脅しとも取れる言動があったのだが、その言葉に対して「上等じゃねえか!そう言うのなら逆にこっちから仕掛けてやる!どうせヒマだし、いくらでも裁判につき合ってやるさ!」と考え、当方は相手に何も意思を伝えないまましばし準備活動をし、いきなり裁判所へ提訴したのだ。弁護士特約にも入っていない当家が、突然裁判を起こしたのだから、被告代理人は一瞬驚いただろうね。

今回お世話になった増田弁護士には丁寧な対応と、心強いサポートをしていただき大変感謝している。いずれまた、何かトラブルが起こったら再びご協力をお願いしたいと考えている私だ。今回の事故裁判を経て、裁判と弁護士という今まで接した事が無かった世界に触れてまたひとつ視野が広がった気がする。人生は経験値を増やす事で進化するのだ。

追伸
先日のNJM4558D艶有りを1,280個購入する為の資金は、この和解金が原資となったのだ!このように偶然のNJM4558D艶有り発見が、偶然の事故によって得た保証金によって資金補助されるという巡り合わせの不思議を感じないわけにはいかない。もともと、偶然によって出来上がった禅駆動なのだが・・・実は必然であったのかもしれないなあ。

ちなみにこの裁判の途中、Larry Carlton と Robben Ford に増田弁護士と一緒に会いに行った経緯が有る。増田弁護士もギタリストであり Robben や Larry の大ファンなのだ。そして、私のペダルのユーザーでもあるのだよ!


本日の結論
自動車保険の弁護士特約は必ず加える事をお勧めする。いざという時、必ず強い力になってもらえるから!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



GO TO HOME PAGE