海馬的誤作動

2013年03月16日 私自身は何も気付かず・・・。


2011年3月15日東横線、深夜の「渋谷駅」ホームはお祭り騒ぎ!



「私に何が起こったのだ?」

2013年03月15日の記憶として書き残す。

その昔、大酒を飲んで一晩の記憶が無くなってしまった事が何度かあった。酒を飲まなくなって、そんなこともすっかり忘れていた昨日のこと。とんでもない事態がわが身に起こっていた。しかし、私はそれを全く覚えていないのだと今朝になり妻から知らされた・・・。黒澤映画「羅生門」のごとく、私と妻の昨夜の証言が全く違うのだ!これから書くことは妻の証言を元にして私の行動を記録として残すものである。

私の記憶

昨夜は年に一度の食事会があり、久しぶりに夜になり恵比寿に出掛けた。まずは車で妻に日吉駅まで送ってもらった。約束時刻は20時だったが、ちょっと遅れてしまい恵比寿駅から地図を頼りに数分歩き、指定されていたお店に飛び込んだ。iPhoneを見ると、妻からメッセージが入っていた。「こまめに連絡してください」なんだこれは?とりあえず無視していたが・・・。先発3名と合流し懐かしい話や近況を報告しつつ、数時間飲み食いしたらもうお別れの時間だ。えっ?もうこんな時間?と思えるほど早く過ぎ去ってしまった。

帰りは渋谷駅経由にした。理由は東横線の渋谷駅が移転となり、昨日で今までの駅での乗車が最後となるためだ。駅に着いて驚いた!深夜なのにまるでお祭り騒ぎ。報道のカメラもズラリと並んでいた。多くの人々が携帯のカメラでその風景を撮影していた。私は無事に日吉駅戻り、妻の迎車で自宅へ戻った。私にとってごく当たり前の一日にしか過ぎなかったのだが・・・。寝る前にひとつだけ気になっている事が有った。本当は、恵比寿へ行くときに渋谷駅を通過したかったのだ。しかし、私は渋谷駅を通過せず日比谷線で直接「恵比寿駅」に降りたようだ。というか・・・恵比寿駅に降りた記憶も無かったのだが・・・。

今朝になり9時すぎに目覚めた私は、何だか疲れ切っていた。目覚めが感が悪くなかなか起き上がる事が出来なかった。ようやく9時半になりベッドから抜け出し、メールチェックを始めた。そして・・・10時になり妻が私の部屋へやって来た。

「大丈夫だった?昨日は大変だったけど・・・」

「えっ?なにが?」

「えっ?覚えてないの?」

ここから妻の驚愕敵証言が始まったのだ!私はいったい何をしていたのだ?記憶が全く失われている!

妻の証言

昨日は私が20時待ち合わせで出かけるというので、私は妻に18時までに帰宅するように頼んでいた。約束通り妻は18時に帰宅した。妻は買い物をした荷物が重かったので、私に電話をして駐車場まで荷物を取りに来て欲しいと頼んだ。私は駐車場へ行き、荷物を持ち自宅玄関に入った。

すると私は「なんでこれがここにあるんだ?」と慌てだした。それは玄関に置かれた出荷予定の梱包されたペダル2つ。私はパニックに陥っていたという。私はMacを立ち上げて、オーダーのチェックを行い、まだ発送しなくてよい状態のパッケージを発送準備の為、玄関に置いているだけだと確認したという。

私の言動が気になった妻は私に質問をした。

「今日はどこに行った?」

「どこにも行ってないけど・・・」

「午前中に郵便局と薬局に行ったよね?」

「行ってない・・・」

「ほらこれがそのときもらって来た薬よ」

「覚えてない・・・」

「一昨日はどこに行った?昨日はどこに行った?病院に行ったよね?」

「えっ行ってない・・・」

「井田病院はどっち?関東労災病院はどっち?」

私はそれぞれの方向を指差したという。

「井田病院はどうやって行った?関東労災病院はどこに有る?」

私は井田病院の件は答えられず、関東労災病院の場所は正確に答えたという。その後、私は妻に「今日は何日?何曜日?」と1時間の間に10回ほど質問したという。この時点で妻はかなりヤバいと感じていたようだ。妻は、さてどうしようかと考えていたのだが・・・しばらくして妻は私がノンビリして出かける様子が無いのを見て声をかけたという。

「あら?そろそろ出かける準備しなくていいの?」

「えっ?なに?どこかに出かける予定があるの?」

「20時に恵比寿で食事会があるって言ってたじゃない!」

「えええ・・・知らない・・・」

「もうすぐ20時だけど、行かなくていいの?」

すると私は慌ててMacでスケジュールを確認し、行く予定のレストランの地図をプリントアウトし始めたという。そして、幹事に電話して「ちょっと遅れる」と伝えていたという。すぐに身支度して妻に日吉駅まで送ってもらい私は東横線に乗った。妻は心配だったので、私のiPhoneに「こまめに連絡して下さい」とメッセージを送ったという。
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3月16日朝になり妻が私に話しかけて来た。

「昨日は大変な状態だったけど、大丈夫だった?」

「えっ?なにがあったの?」

「えええ・・・覚えてないの?」

と、妻は昨夕の私の言動について細かく見たままを説明してくれた。さらに妻はいくつかの質問をして来た。ここ1週間の行動についての記憶だった。それに対して私は正確に答えられたのだが・・・。妻は昨夜、危ないかも知れないなと思ったが、野たれ死にする事は無いだろうと思い私を送り出したという。

妻から伝えられた昨夜の私の言動は、初めて知る驚愕の事実であった。私には昨夕の記憶が全く残っていなかったのだ。私にとっては普通の日常であったはずなのだ・・・。しかし、上に書いたように私の記憶が著しくおかしな状態になっていたという。これは脳梗塞の前兆か?私に何が起こったのだ?

妻はすぐに、近所の脳神経科でMRI検査をしてもらおうと手配を始めた。その時点で11時だった。土曜日だが、12時に予約が取れてすぐに車で出かける事に。MRIの前にまず医師の診察が始まった。昨日の出来事を伝えて18時から20時頃までの記憶が飛んでいると伝えた。さらに、私の昨夜の記憶が欠如した言動も伝えた。そして3月28日に関東労災病院で突発性難聴の検査の為、MRI検査を受ける予定があるとも伝えておいた。

医師は、私に対し手を上げさせたり、目をつぶって立ち上がらせたり、目の動きを上下左右観察したりと、体が正常に作動するかをしばらく確認していた。そして医師から伝えられた結論は・・・。

「短期記憶障害ですね。よくある症状です。心配有りませんよ。脳の海馬が一時的に誤作動したんですね。短期記憶障害は再発する事は無いとされていますので、緊急を要するような症状では有りません。MRI検査もすぐには必要ないですね。28日にMRI検査を受けられるのであればそれでよろしいでしょう」

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赤い部分が海馬

脳の海馬が誤作動している数時間の記憶が、今の私には全く欠落しているのだ。昨日、妻が帰宅する直前から私が恵比寿駅前に立つまでの3時間に起こった事柄なのだが・・・。私自身にとっては記憶が全く欠如しているので、なにも変わらない日常だったとしか今でも思えないのだ。しかし、妻にとっては「とても恐ろしい体験」だったという。

今後、さらに歳を取りこのような事が再び起こったときには冷静に対処しようとお互いに確認し合った本日だった。

本日の結論
海馬の誤作動!初めての経験だけに不思議な体験だったなあ・・・。

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