羨望的長椅子


2012年11月22日 リビングのソファーを考える!


ル・コルビジェ デザイン LC2



「固めのクッションの方がいいよね!」

還暦になり、物欲がすっかり無くなってしまった私ではあるが、昔からずっと欲しかったものがひとつあった。ル・コルビジェがデザインしたソファーだ。LC2やLC3 と呼ばれている。上の画像はLC2の2Pだ。オリジナルはイタリアのカッシーニのようだが、価格は円安になったとはいえ、現在の販売価格は約100万円だ。3P(三人掛け)だと147万円となる。LC3の方はもう少し低く幅広い、座面のクッションも一段だけだ。基本的に、どちらのタイプもステンレスのパイプフレームに、角張った革張りのクッションがはめ込まれて構成されている。

このスクエアでシンプルなデザインに憧れていた私は、欲しいと思いつつもその価格に長年手が出せなかった・・・。ところが昨今、テレビドラマを見ているとやたらにこの「LC2」を目にするようになった。その登場回数は異常に多い。社長室に刑事が聞き込みにくるとそこにはLC2のソファーセットが置かれているってな感じだ。見た目に洗練された豪華な感じがするしね。

なんでだろ?こんなに「ル・コルビジェ LC2」がテレビで露出しているのか?気になったので調べてみると、なるほど・・・そういう事か!と納得したのである。

ル・コルビジェのデザインに対する著作権が近年切れたため、誰でも同じデザインで作れるようになったのだ。そこで、中国でステンレスフレームを作り、本革を使わずに合成皮革でクッション作り、格安で出回るようになってしまったというわけ。2Pでも3万円弱で手に入る状況だ。この価格で簡単にオフィスのラグジュアリー感を出せれば、撮影時の美術費用として安いもんね!しかし・・・何だこの価格は?

だが、さらに調べて行くと、乱立した家具メーカーの中で極安LC2にも格差があるようだ。あまりに安いものだと、ステンレスフレームにも問題がありそうだし。合成皮革の質も悪そうだ。そもそもソファーは長い期間使う家具なので、合成皮革はやがて表面が割れたりして惨めな事になるから私は選択する気がない。

それでは、私が納得出来るクオリティーのLC2はどの程度のものだろうか?その次のランクの物を調べてみると、基本的に本革だが、一部合成皮革という商品があった。2Pで9万円程度の価格である。体に触れる部分だけが本革で、外側は合皮である。本革と合皮のハイブリッドだね。しかしこれも、長期間使い続けると本革と合皮に劣化の差が出ていかがなものか?と不安が募る。やはり、総イタリア製本革使用のLC2でなければ、私の選択肢に引っかかってこないのだよ。そうなると安いショプを探しても、途端に価格は20万円以上になって来るってことだね。

さて、クドクドとここまでLC2について語って来たが、それはなぜか?理由があるのだ!

当家がここに住んで24年が過ぎた。入居した際に家具をそろえたのだが、その際に選んだのが総革張りの3人掛けと2人掛けのカリモク製ソファーである。価格はもう覚えていないが、かなりしたのだけは記憶している。現在の価格をカリモクのWEBで調べてみると、同じ品種は存在しないが似たようなものが35万円程度だった。それが2つだから60万円程度するってことだね。

24年も毎日使い続けていると、クッション性がヘタってくる。 さらに、座面の本皮も色が薄れ、細かなひび割れも始まっている。さすがに倹約家の妻も「そろそろ買い替えようよ!」と言い始めた昨今だった。そこで私は企てた。どうせ買い替えるのなら、ル・コルビジェデザインのソファーを導入してやる!とね。

しかし!そこには、大きな壁が立ちはだかっていた!妻である。妻は全身がゆったり包まれるようなハイバックのソファーを欲しがっていたのだ。私にとってはそのデザインは許せるものではなかった。家庭内の平和を維持しつつ、私の希望通りのソファーを購入するにはどうしたらよいのか?しばし研究の日々が続いた。

少し前の事、私はある事実に気付いた。LC2はデザイン性が大好きなのだが、オフィス向きのデザインである。座面の高さが思ったより高めだ。「世界で一番女性の足を美しく見せるソファー」と呼ばれている位だからね。そこでもう少し座面が低い LC3の検討を始めた。当家のリビングルームに置くには天井高も鑑みLC3の方が向いていると確信し、さらに追求を始めることに。


LC3 2P

かたくなに拒否する妻をなんとか説き伏せるためには、一度本物に座らせるしかない。その結果、見つけた目黒のショプがあった。11月21日天気がよかったので、車で出かける事に。40分ほどで到着したショップには、LC3 2Pがサンプルで置いてあった。好都合である!LC2の1人用もあったので座り心地を比較出来るし。

置いてあったLC3は柔らかな座り心地で、なかなか快適。妻もなんとかギリギリ納得はしているのだが、あれこれ愚痴も多い様子。さらにLC2独り掛けに座ってみた。なるほど。こちらはやや固めの座り心地。しかし、これは本来のLC2 LC3と固さが逆転している。そこで聞いてみたところ「当社のLC3はオリジナルで柔らかいクッションを取り付けています。ご希望があれば固めのクッションもご用意出来ますよ。納期は約2か月後になりますが・・・」

この頃から妻も少し積極的になり始めていた。「長く使うから最初から柔らかいとすぐに形崩れするよね!固めのクッションの方がいいよね!」と言い始めた。よし!これは何とかなる!家庭内平和は保たれそうだ・・・!果たしてこの先どうなるのか?

以下、次号に続く・・・。


本日の結論
家庭内で長く使うものには気を使うわ!

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