面会的雪日和
2012年03月01日 お待たせした!これは2月29日の真実だ!


Robben Ford はグリーンモードを使っている!


「You are genius!」

2月29日朝から大雪だった。久々にゆっくり寝ていたので、9時過ぎに起きた瞬間窓外を見て呆然とした・・・。これは・・・。どうやって駅まで行くのか・・・。路線バスに頼るしかないな・・・。とりあえず午前中は出荷作業でドタバタして午後2時27分の東急バスで「日吉駅」に向かった。この状況でもバスは無事に予定通りに進行。



まず向かったのは新宿駅東口「みどりの窓口」だった。16時待ち合わせで伊藤氏と会うためだ。伊藤氏はアメリカ在住で、Henry Kaiserと親しい方だ。私も数年前からお知り合いになって今回で二度目の顔合わせである。雪が降っていて寒いので駅中の喫茶店でしばしご歓談となった。またHenryの家で会いましょうと約束して、1時間半ほどでお別れ。



その直後、写真撮影をお願いした隣の席の青年二人が声をかけてきた。「あの・・・すみません・・・あまりにもすごいミュージシャン達の名前が会話に出てくるので、つい聞き耳を立ててしまったのですが・・・どのようなお仕事をされているのですか?」

その青年達もベーシストだと言った。私がこれから Robben Ford に会いに行く話をしていたので驚いたらしい。私は、billboard TOKYOへ行くまでまだ3時間以上あったので、時間つぶしにその青年達と雑談をすることにした。彼らはビールを舐めつついろんな質問をしてきた。

私の現状を話しつつ、気がつけばあっというまに1時間が経過していた。「よかったらこのWEBを覗いてください」と名刺を渡して分かれたが、私はあえて彼らの名前を聞かなかった。また縁があれば、彼らからアクセスしてくるだろう。彼らは青森出身の24歳。高校の同級生だそうだ。先を急ごう!

大江戸線で六本木へ向かった。初めて足を踏み込む「ミッドタウン」だ。同行の橋本氏との待ち合わせは20時半。まだまだ1時間半ほど時間をつぶさなくてはならない。billboard TOKYO はどこだ?と探しつつミッドタウンを探索した。今時としてはかなり高級感を漂わせる内装だね。まあ、どのショップも私にとってはあまり意味が無い感じだ。

ロケハンとして、19時に billboard TOKYO の受付を覗きに行ってみた。すると店員が「チケットのご購入でしょうか?」と声をかけてきた。その瞬間私は反応した!

「ツアーマネージャーのリック・ウイーラーと話をしたいんだけど呼んでもらえますか?」

「あいにく、現在ライブ直前なのでお呼びすることは出来ませんが・・・」

「それじゃ名刺を渡しておきますね。これを渡して下さい。彼が会いたがっているんです。
 そしてRobben Fordから頼まれて作ってきたものがあるので、
 これをRobbenに渡さなければならないんです。20時過ぎにもう一度出直しますのでよろしく!」

と、Mr. Robben Ford とネームを入れた弾駆動を納めたケースを提示した。

「それでは、話を通しておきますので再度お越しの際にお声をおかけ下さいませ」

なかなか教育が行き届いている丁寧な対応だ。その後は、橋本氏を待ちつつ館内をウロウロと1時間ほど歩き回り、20時丁度に billboard TOKYO 受付前に戻った。すると先ほど声をかけていた店員が先に気づいて「バックステージパスが1枚出ていますので、見える部分に貼付けて下さい!」とグリーンのパスを手渡してきた。そうか!リック・ウイーラーに話が通ったんだな!だが・・・それでは困るのだ!橋本氏は今回、通訳としても活躍してもらうのだ。彼の分のパスも必要だ!

私はその店員に「もう1枚、通訳のバックステージパスが必要なんです。お願いですから手配してください」そう伝えた直後にお橋本氏の登場。すると意外にもその店員は「はい!バックステージパスがもう1枚用ご意出来ました。どうぞ!」と目の前で作ってくれたのだ。ほほう!やるねえ!

では開場までしばし夕食を食べつつ待つことにしよう。地下にあるハヤシライス屋さんで名物オムハヤシを頂くことにした。で食べつつ、橋本氏と何をロベンに聞くべきかと打ち合わせをした。橋本氏は数項目の質問を箇条書きにして準備完了。この辺りが橋本氏のビジネスマンたる手慣れた外人対策なんだね。

で、食事がほぼ終わろうかとしたときだった。私が通路側に目を向けると、見慣れた巨漢が歩いてきた。「みわたにさ〜ん!」と声をかけ呼び止めた。びっくりした様子のみわたに氏だった。そのまま billboard TOKYO へ突入!

先ほどの店員に促され、お姉ちゃんの案内で店内に入った。カップルシートに橋本氏と二人で座る。おじさん二人で座るシートではなさそうだが・・・。なかなか大人びた空間だ。ステージを見下ろす位置にあるシートなので、ペダルボードがよく見える。カプチーノを飲みつつ演奏が始まるのを待った。と、そのとき「田辺さん!ユーザーのHIROです!お世話になっています!」と声をかけられた。私が来ることを知っていたので探したようだ。

やがて演奏が始まった。極上のジャズに酔いしれる時間だ。Robbn がペダルボードに足をのばす瞬間を観察し続けた。弾駆動を踏むたびにそのサウンドの変化を楽しんでいた。なるほど!こう使うわけか!と、一人で納得しつつ気持ちよいギターサウンドを全身に浴び続けた。

気がつけばアンコールも終わり、ステージは拍手のうちに終了。その直後、もう一人「田辺さん!古手川です!」と声をかけられた。この方もユーザーである。挨拶を交わしたところで、ステージを観るとギターテクらしき人物がベースギターを片付けていた。

私はあのペダルボードを作った社長のMason氏から「ステージのペダルボード写真を撮影して送って!」と頼まれていたのだ。そこで正式な手続きに基づいて撮影をすることにした。まずは橋本氏がステージの下まで急行し、リック・ウイーラーと交渉。すぐにOKが出た。そこへみわた氏も合流し、ステージ上に上がり堂々と撮影合戦!ついでにリック・ウイーラーとも記念撮影!とても上機嫌なおっさんだ!ちなみに、Robben は弾駆動のグリーンモードでセットしていたなあ。



さて次はいよいよ、バックステージへと進もう!とその時、バックステージパスはもらっていなかったのだが、みわたに氏がどさくさにまぎれてリック・ウイーラーに「僕も一緒に行っていい?」と聞いたところ「OK!」とあっさり同行が認められたのだ!実にラッキーである!

てなことですぐに楽屋へ突入!するとそこには Robben Ford が水を飲みつつ待っていてくれた。私を見るなり「ハイ!タナベサン!」と声をかけてくれるRobbenだった!まずは握手を交わし自己紹介。会えて嬉しいよ!的なやり取りがあり、橋本氏とみわたに氏を友達だと紹介。そして私は「あなたへギフトだ!」と弾駆動を取り出し手渡した。バックアップ用の弾駆動を欲しがっていた Robben はニッコリと笑みを返し、梱包を解いた。するとまず弾駆動の裏面を見てニヤリ!そこには彼の名前が入れてあったのだ。



今回の弾駆動は黒いケースだ。前回とは違うデザインに敢えてしておいた。Robben は明日サウンドチェックすると言う。同じペダルでも個体差で微妙にサウンドが違うのは彼にとっては常識だからね。引き渡しの儀式が終わればおなじみのサイン攻めタイムだ!あらかじめ用意したサイン用のA4を取り出して「サインをお願い!」と手渡した。するとRobbenは「何枚?」と聞いてきた。「3枚書いてね!」と伝えたところ快諾。私の名前入りでサラサラと手慣れた感じで書き上げた。



その後は、橋本氏もみわたに氏も用意したCDや古いレコードヂャケットにサインをもらい大満足!さらに記念写真もお願いしてこれまた大満足!良かったよかった!これで私のミッションは無事に終えたのだ!お二人に対しても義理が果たせた!


Robben + 橋本氏


Robben + 弾駆動 + みわたに氏


最後に「また会いましょう!」と Robben に別れを告げ楽屋を出た。

出口付近にいたリック・ウイーラーは別れ際に「You are genius!」と声をかけてくれた!嬉しいかけ声だね!そして、出口から一歩外に出た瞬間に橋本氏が思い出したのである!「リックにする質問を一つ忘れてた!ラリー・カールトンが使っている禅駆動はどこで手に入れたかを聞かなきゃ!」おお!そうだそうだ!私もすっかり忘れてしまっていたぞ!

再び楽屋へ飛び込んだ私たちだった。リックを楽屋外へ呼び出し、橋本氏が質問した。すると・・・思ってもいなかった驚きの答えが返ってきたのだ。

「あの禅駆動は、私がebayで手に入れたものなんだよ!それをラリーに使わせているんだ!」

えっ?なにそれ?全く予想していなかった展開である!さらにもう一つ予想してなかった発言がリックから出てきた。

「実は、私が田辺さんに会うのを知ったラリーから、質問して欲しいと頼まれていたんだ!
 あなた達が戻ってきてくれて私も嬉しいよ!」

で、ラリーのその質問とは?

「禅駆動のボリュームのカーブをもっと徐々に上がるようにして欲しいんだ」

「現在のポットはBカーブだけど、Aカーブにして欲しいってこと?」

「そう!ラリーはボリュームをAカーブにしたいんだ!」

そうか!それであれば対応は簡単だね。でも私としてはラリーが使う禅駆動に、ラリーの名前が入っていないのは気に入らないなあ・・・。それにリックがebayで落札したものを使わせているというのもなあ・・・。そこで私は瞬時に判断した!

「分かりました!
 ボリュームをAカーブにしたラリー仕様の禅駆動を作って、私はラリーにプレゼントしましょう!
 この名刺のメールアドレスへ、リックさんの住所を送ってください!
 もちろんリックさんの分も作って2台贈りますよ。」

「ワオ!本当かい!うれしいねえ!」

なんてなやり取りがあり、私が知りたかった謎が解け、新たにネーム入りの禅駆動を ラリー・カールトン に届けることが出来ることになった。ラリーは来日もかなり多いので、次に来日する際にはリックに対して堂々と「招待してね!」と言えるだろう。私の精神的なリハビリに対する必要経費ってな感じかな。なんてな作戦を含んだ今回の戦略的対応なのである!

このような2月29日夜の出来事だったと。ミッション完了!橋本さま、みわたにさま、お疲れさま!


と・・・ここまで書いて来て・・・これって本当に起こったことだろうか?と不思議な感覚に襲われた。
いまもまだ、私は現実と夢の狭間を揺れ動いているような感覚がある。
私は誰?ここに映っているのは本当に私なのか? 離人症の感覚に近いものが私をよぎっている。


本日の結論
次は、ラリーに会いに行こう!いつ頃だろうね?

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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