仕上的螺鈿造

2011年09月08日 2年ぶりにフレット擦り合わせしてみました!



「ここまでで力尽きました」


先月手に入れてクレーム騒ぎでドタバタしていたギターは、結果的に私がそのまま所有することにしたのですよ。ところが・・・当初フレットは問題ないと安心しきっていたのですが、自分が所有することになったので、調整をきっちりしてみようとセッティングをやり直してみました。まずは、弦をエリクサーに交換しつつネック調整です。ストレートにした後にブリッジの高さを好みまで下げてみると・・・。

12フレットのハーモニクスも問題なくピッチは正しいようです。そこで、じっくりと練習曲を弾いてみたところ、あら?あららら?3弦4フレットを押さえるとビビリが出ました。なんだなんだ?ブリッジを少し上げてみても変わらず。そこで再度、綿密にフレットの高さをチェックしてみました。

4フレットを押さえてビビると言うことは、5フレットが高いと言うことですね。弦を外して、金属定規を当て高さを確認したところ、あららら!5フレットが高いのではなく、4フレットだけが低かったのです!ということは、5フレットだけを削るのではなく、全体を4フレットに合わせて削って下なければなりません。ううう・・・手間だなあ・・・。

てな事態に陥ったのですが、放置していても単なる弾けないギターになっちまいますので、久々にフレットの擦り合わせをいたしましょう!擦り合わせ用の道具は最低限揃っていますので、準備を始めました。まずは、メンディングテープで、指板を保護します。次に、全部のフレットのトップに黒マジックを塗ります。では削り始めましょう。


力を入れず、擦り合わせ用ヤスリを全面に渡ってスライド出せます。先ほど塗ったマジックの黒がすべてのフレットで削れて一番低い4フレットの金属面が見えればOKとなります。次に、削れて平らになったフレットのTOPを丸く成形します。HOSCOの丸い溝が付いたヤスリで丁寧に擦って1本ずつ仕上げます。これも削り過ぎに注意!

TOP成形が終われば、磨きに入りましょう。水磨ぎ用のサンドペーパーでこれまた1本ずつ磨いて行きます。この作業は時間がかかるので、指先がふやけて毎回ちょっと痛くなりますね。すべてのフレットから目立つ傷が無くなったところで、仕上げの磨きに入ります。小型の電動ミニルーターにコンパウンドを塗ったバフを取り付けて、丁寧にすべてのフレットを擦り仕上げます。最後に、キレイにコンパウンドを拭い去って、メンディングテープを剥がし、ネック全体をクリーニングすれば作業終了です。

弦を張り直してチューニングし、しばし寝かせネックが落ち着くのを待ってからネック調整です。トラスロッドをまっすぐに調整して、ブリッジを好きな高さにセット。これで一晩寝かせてから、最終的にもう一度チェックして問題なければ完成です。

当初からこのギターにはトラスロッドカバーが付いていませんでした。不格好なので、以前もらったPRS用のマホガニー製トラスロッドカバーにアバロンを貼付けて使うことにしました。これは慣れた作業なので、すぐに終了。ちょっとくどいですが、まあ、このギターですから、これで良しとしましょうかね。


という状況で、このギターはようやく真っ当に弾ける様になりました。本当はナットも作り直したいのですが、それは、またいずれやることにしましょう。本日のところは、ここまでで力尽きました。


本日の結論
職人気分は楽しいね〜!

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