逝去的飴玉娘


2011年04月22日 スーちゃんが亡くなってしまいましたね!



「私の自宅で眠り続けるのでしょうね」

昨夜のこと、ネットのニュースで元キャンディーズのスーちゃんが亡くなったと知りました。1956年生まれのスーちゃんは、私が就職した1973年頃「8時だよ!全員集合!」出演で人気が上昇していきました。その後の活躍は、皆様ご存知のとおりです。

そして、1978年4月4日に後楽園球場での解散コンサートで彼女たちは「普通の女の子」に戻って行きましたね。

現在その解散コンサートの様子は、DVDでも発売されています。が・・・私にはキャンディーズの解散コンサートに対して、ひとつとても強い思いがあります。私自身はキャンディーズのファンだったわけでは無いのですが、とある事情でキャンディーズの貴重なブツを手に入れたのです。

解散コンサートが開催された直後のことですから、1978年の夏ごろだったと記憶していますが・・・。私は原田真二のコンサートフィルムを編集する仕事をしていました。彼のファースト武道館ライブを記録したものです。そのライブフィルムは現在「OUR SONG and all of you」というタイトルでDVD化されて販売されています。

そのライブフィルムは8台の16mmフィルムカメラで撮影されていました。ここから先の説明は難しいのですが、編集の際にはダミーで繋ぐため「白身」と呼ばれるなにも写っていないフィルムが大量に必要になります。予算が少なかったので「白身」を大量に買うことが出来ず・・・その対策のために某所から上司が大量の廃棄16mmフィルムを手に入れてきました。これを「白身」の代用にしようとしたのです。

無事にこのライブフィルムの編集が終わった直後、余ってしまった「廃棄16mm」フィルムを処分しようと中身を確認していたところ、なんとそこに「キャンディーズ解散コンサート」のフィルムが全編入っていたのです。現在販売されているキャンディーズ解散コンサートDVDは、元々16mmフィルムの映像でした。たぶん今日はニュースでその映像がたくさん流されるに違いありませんね。



ではなぜ、その「キャンディーズ解散コンサート」のフィルムがそこに入っていたのでしょうか?私なりに推察してみました。

コンサートフィルムはネガフィルムで撮影します。そのネガを編集して最終的に上映できるフィルムに焼き付けます。ところが、焼き付ける際に問題がひとつあります。それは撮影されたネガフィルムはたくさんのカットと複数のカメラを使用していますので、各カットごとに色のバラつきが出ます。そこで焼き付ける際に「タイミング」と呼ばれるカットごとの色調整を施す必要があります。

その「タイミング」の度合いを決めるために、一番最初に焼き付けされる棒焼き状態のフィルムを「0号」プリントと呼びます。これは表に出ることはなく、色調整の確認のためだけに使用されます。そこで「タイミング」を確認調整した後に焼かれるフィルムが「初号」と呼ばれてようやく陽の目の目をみることになります。「初号」が出来れば「0号」は必要なくなりますので廃棄されます。

私が見つけた「キャンディーズ解散コンサート」フィルムはその「0号」プリントではないかと推察するのです。

入手した直後、確認のために一度だけ16mmプロジェクターにかけて全部観ました。確かにそれは「キャンディーズ解散コンサート」の全編でした。さてどうする?と悩んだ私はその廃棄フィルムをリールに巻いて自宅に持ち帰りました。上司が廃棄物としてもらってきたものですので、窃盗にもならないし。そしてその後、数度の引越しの際にも廃棄すること無く持ち続けていました。そのフィルムは今も当家の片隅で眠っています。

10年ほど前一度だけ、キャンディーズファンクラブに連絡をとって「このフィルムを譲渡しましょうか?」と持ちかけましたが、交渉がうまくいかずそのまま立ち消えになってしまいました。さてこの「キャンディーズ解散コンサート」フィルムは、今後どうなっていくのでしょうか?そもそも素人が、16mmフィルムプロジェクターを簡単に使えない時代になりましたのでね。鑑賞することが難しいですし、きっと私の自宅でこの先も眠り続けるのでしょうね・・・。


本日の結論
いっそのこと、水谷豊・伊藤蘭ご夫妻にプレゼントしましょうかね?

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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