合唱的改造談


2011年02月07日 持ち込まれたステレオコーラスを改造!



「改造費の方が高くなってしまう・・・」

2日前のこと、禅駆動ユーザーのイノウエヤスシさんから「ARION コーラスの改造依頼メール」が届きました。改造内容は「スイッチのツゥルーバイパス化」です。私はコーラスなんて改造したことが無いので・・・なんでまた私に?と思っていたのですが・・・回路図が添付してありましたので、どれどれ?と眺めてみましたところ「これなら何とかなるのでは?」と判断いたしました。いつもの好奇心ってヤツですな。さっそく回路図にツゥルーバイパス回路を書き加えて確認。ということでお受けいたしました。


そのメールには、他の方がツゥルーバイパスに成功された画像も添付されていました。これを見ると、スイッチがセットできるスペースはケース内にあると判断できますね。それが一番心配でしたので、これで安心してやれそうです。


2月5日の午後に当家へ来られたイノウエさんはまず「貢ぎ物のサランネットです!お使い下さい!」といただきました。カラーはブラックです。そのうち、ジャンクアンプがまた手に入れば次回作のレストアに使いましょう!

さっそく、ペダルをバラして回路図と見比べながら、改造ポイントを探りました。いちおうイノウエさんにどこを触るのか説明しつつでしたが、実は自分自身が声を出しつつ確認することで安心したかったんです。

元々このペダルは激安物で3,000円程度なんですが、今はプレミアがついて結構な値段になっているようですが・・・。ということで、現物の中をじっくり見ると、パーツやケースがほとんどプラスティックなので、なんとも心もとないと言うか、すぐ壊れるんではないの?と、思ってしまいます。プラスティックなので、ケースの加工は楽ですけどね。

まずはフットスイッチの取り付け位置を確定します。スイッチをケースに当てながら、試行錯誤30分。位置を間違えると後戻りできませんからね。決定したところで一気にボール盤で穴を開けました。スイッチをその穴に当ててみると・・・おっと〜〜〜!!!表側からナットが留められません!なんで?そこでスイッチについていたナットを外して、少しシャフトの長さを稼ぎましたが、それでも素直に留ってくれません。ケースの上面から出ているスイッチのネジ部分がほんのわずかなんです。

思いっきりペンチでねじ込んでみたらようやくナットが食いついてくれました!その勢いで一気に留めてなんとか成功です。次に基板上の回路を回路図と見比べながら、プリント基板のどの部分を削れば良いのかをチェックです。3か所ほど削って完了。必要なワイヤをそれらの削った部分にハンダ付けして行きます。

結構ドタバタしながら、なんとか全部ハンダ付け完了!スイッチへ配線をハンダ付けして一応完成です。回路が裸の状態でテストしたところ、間違いなく稼働しています。すぐにケースへ戻して元通りの姿にしました。見た目は当初送られて来た画像のように仕上がりましたね。


ところが・・・スイッチを踏んでもLEDが点かないんです!なんで?もしかして・・・分解して確認すると、LEDが死んでいました。新しい高輝度LEDに交換!その作業中にもうひとつ問題が発生!電源が入らなくなったんです。よく見ると、基板のバッテリースナップが切れていました。あああ・・・。古いブツはこれがあるんですよね。基板の取り付け穴をキレイに掃除してバッテリースナップを取り付け、さらにその根元をホットボンドで固めて耐久性を上げておきました。

もう一度組み込んで再度サウンドチェックです。ところが・・・今度は音が出なくなってしまいました!なんでだよ〜〜〜!!!ケースをまたもやバラして基板をじっくりチェックしましたが、何度見ても怪しいところが見つからないんです。こりゃ困った!1時間ほどテストを繰り返していたんですが、時々エフェクト音が出ることがあり、どこかが接触不良を起こしていることだけは確認できました。しかし、深夜2時になりついに体力が限界!翌日へと持ち越しです。

朝早く起きて、基板を手にもち両手でほんの少し捻ってみると、エフェクト音が出ます。何度やっても同じ現象です。と言うことは、基板上に何らかの接触不良がある証拠ですね。接触不良が起こりえるのはどこ?と探してみたところ、怪しいか所が見つかりました。スイッチです。触ってみるとエフェクト音が切れ切れに発生しました。


取り付け部のハンダをやり直してみましたが、現象は消えませんでした。ううむ・・・それではいったん外してみましょう。外してみたらスイッチに問題はなさそうな気配です。


そこで、再度取り付けることに。ただし、今度は当初取り付けてあった方向を逆向きにしてみました。念のためです。仕上がりを見ても、スイッチを裏返したことは分かりませんがね。


ではテストしてみましょう!ふっふっふ・・・・大丈夫です!もうエフェクト音がキレギレになることはありません。安定しています。では仕上げに、私が追加したワイヤやフットスイッチのハンダ部分をホットボンドで保護して耐久性を上げましょう。それが終わればケースに戻して出音のテストです!はいはい!当初予定していたとおりの作動をいたします。これで完成!LEDも明るく輝き視認性が良いですね。


作業が終わってからこのペダルメーカーの製品を調べてみましたが、激安!びっくりです!ただ、その分だけ使っている材料はかなり安いですがね。本体の価格より、改造費の方が高くなってしまう・・・。そんなペダルメーカーです。

このような作業は、あんまり頻繁にやるもんじゃないですね。作動しなくても責任取れないし。古いから色々痛んでいるし。プリント基板の回路をカットするから後戻りできないし。


本日の結論
何とかなったので、ひと安心です〜!

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