昼食的同行者


2010年12月07日 二日目の報告だ!


What has happened?


「thanks for the guitar and tech support」


12月6日の出来事である。今回も時間軸にそって書き進めてみる。

Mr. Henry Kaiser と12時半に赤坂の土佐料理屋「ねぼけ」で待ち合わせしていた私だ。彼の一番好きな日本料理が「鰹のタタキ」なのである。Henry の強い要望で昨日に続き、昼食をご一緒することにしたのだ。

私は11時に、ギターを1本ギグケースに入れて家を出た。Henry の要請で私のギターをライブ用に1本貸すためだ。妻の運転で東横線日吉駅に到着。私はすぐ駅ビル3階にあるダイソーに向かった。Henry は私のギターの弦をすぐに張り替えるという。彼のお気に入りの弦があるそうだ。だが、ワイヤカッターを持ってこなかったので貸してほしいと今朝メールが届いたのだった。そこでワイヤカッターを1本買って渡そうとダイソーに突入したのである。

平日昼間の電車はすいている。東横線は順調に進む。とその時、目の前の席に外国人グループが座っているのに気づいた。太ったアメリカ人観光団に見えるが、南米系の雰囲気の顔ばかりだ。冬だというのに男どもは半袖のTシャツ姿。そしてその腕や首には入れ墨がたっぷり彫り込んであった。私はその中の一人の左手首に気づいた!なんと、腕時計の入れ墨をしているのである。大笑いだ!表示時刻は7時55分だったが・・・。

さらにその手首の内側に、何やら漢字らしき彫り物も見えている。じっと見ているとやがてそれがなんであるかが判明した!明朝体で鮮やかに彫られたその文字は・・・。


そりゃあ、腕時計なんてなものを彫るようじゃ後悔もするわな。と思いつつも、私はその入れ墨男に対して、腕時計入れ墨を指差しつつ、親指を立てて見せた。するとその入れ墨男はにっこり微笑みつつ、声には出さないが、明らかに唇が「サンキュー」と動いていた。ささやかなる国際親善だ。

そうこうするうちに無事に赤坂見附に到着。徒歩数分で土佐料理屋に到着した。12時15分だった。当然ながら、まだ Henry は到着していない。しばし入り口のイスに座って待つことにした。Henry は、とてもタバコの煙に敏感なので、待つ間に、2階にある個室を予約した。

やがて12時半になったが Henry は現れない。ツレも1人同行すると言っていたが、それもまだ来ない。12時45分。やはりまだ来ない。やがて13時になった。まだ来ない・・・。レストランの入り口でこのように30分以上待つのは、デジャビュのように思える。9月にやはり Paul Jackson, Jr. に待たされたもんなあ。

13時10分になって「ごめんなさい!」と Henry がやって来た。ツレのマークは Henry の友人だと言う。日本人とアメリカ人のハーフなので、会話には全く問題がない。マークの車で来たそうだが、駐車するのに手間取ったようだ。

すぐに2階へあがり、個室に陣取った。迷わず「鰹のタタキ」定食を3人分発注!待っている間に店員へ聞いたところ、鰹のシーズンはまさに今が最後なのだそうだ。良いタイミングでの会食だ。料理が出て来たところ、その量も充分で豪華であった。鰹のタタキに、茶碗蒸し、さつま揚げ、お新香、わかめのみそ汁、ご飯、デザートの小さな栗ぜんざい。これで1,680円!満足である!Henry も旨いウマいと、あっという間に平らげていた。

次の予定があるので、そうゆっくりはしていられない。2時前に店を出ることになったが、今回の支払いは Henry が「まかせなさい!」と伝票を取り上げ、さっさとレジに向かった。ごちそうさま!超一流ミュージシャンにおごられちまったぜ!ということで、Henry のお支払い風景が以下の画像だ。



この後、我々は Henry がCD出版会社と契約するというので、六本木の「P-VINE」へ向かった。今回の来日はそれがメインのようである。到着後、すぐに会議室に案内されて、5分後にはもう契約書にサインが終わっていた。なんという早業!来年春には発売されるようだね。

先を急ごう。今夜のライブ会場へ機材搬入である。六本木「スーパーデラックス」がその会場。金谷ホテルビルの地下にある。私は昔、金谷ホテルのCMを担当していた縁で、このビルの位置は良く知っていた。地下に入るのは始めてだがね。機材搬入後、直ちに Henry は機材のセッティングを始めたが、エフェクターも多くてなかなか時間がかかりそうな気配を感じた。そこで、私は「ギターの弦は私が張り替えるよ!」と申し出た。Henry 大喜びである!



実は2日前に、新しい弦に張り替えておいてあげようと、エリクサーを張り替えたばかりだったのだが・・・。惜しげも無くエリクサーを外して、Henry 持参の「POWER-BRIGHTS」に張り替えた。時間が無いので、少しテンションをかけて伸びを除去した。この弦はイギリス製だ。とてもテンションが弱い弦である。

弦の交換が終わってすぐに、Henry が私を呼んだ。ペダルの電池も入れ替えてほしいと、ドライバーと電池を渡された。はいはい!了解!とこれまた速攻で交換完了。機材を運び、弦を交換し、ペダルの電池まで入れ替えて、まるで私は Henry のローディー状態である!でも結構楽しんでいるので問題無し!



Henry はペダルを15個ほど持って来ていたが、その中に私が作ったものが3個入っていた。さてどれが使われるのか?やがてメンバーが揃い、リハーサルが始まった。


と、同時進行で、ステージ前の2カ所には小さなステージが作られていた。これは、ポールダンスのステージである。演奏だけでなく、妖艶なポールダンスも披露されるのだ。



やがて丹念なリハーサルが終わった。この後、客が入るまで通常であれば出演者は楽屋にいるものだが・・・。ところが、Henry は楽屋へは行かず、そのままステージから降りて、ギターをピロピロ弾きながら、客席内をウロウロし始めたのだ。さらにそのまま会場入り口に向かい、来場する客を迎えるかの様に入り口にずっと立っているのだ。なんと言うホスピタリティー!その後、Henry はライブが始まるまでずっと客席をウロウロしていた。

20時になりいよいよライブ開始。Henry は客席からそのままステージに上がったのだ。しかし!他のメンバーはまだ誰も来ず。なんだか笑いたくなうような光景である。やがて全員が揃って、ライブスタート。以下が、当日のペダルセッティングだ。私が作ったペダルは、3個全部使われていたぞ。



私はこのようなサウンドのライブに参加するのは初めてだ。Henry は絶えず、ペダルをいじり、踏み替え、音色を変化させ続けている。さらに驚いたことに、演奏中にペダルを組み換える早業も見せた。極めつけは、靴でコントロールノブをいじって音色を変化させていることだった。びっくりだ!



この音の渦を言葉でお伝えするのは大変難しい作業だ。複雑だが心地よいサウンド。トリッキーだが楽しめるサウンドというのか。延々続くギターアドリブが心地よいのだ。やがて、ステージの両サイドでポールダンスが始まった!色っぽい動きである。


Henry がギターを持ち替えて、いよいよ私のギターの登場だ。ペダルも私が作ったもの。なんだかニヤニヤしてしまうのだ。これまた気持ちよいサウンドが出ている。柔らかく包むようなサウンドだね。複雑に変化し続けるサウンドが面白く楽しい。弾駆動、禅駆動TWIN、燦駆動、の全部掛けも披露してサウンドはますます複雑になっていった。



やがて2部に突入。ボーカルが代わってさらにアドリブ合戦が続いた。この頃になると、私はその音の渦に魅了されて、ただただ聞き入るのみだった。Henry の足下でペダルのスイッチが踏まれるたびに面白いように音色が変化していく。このステージを見て、わたしのペダルのLEDが視認性に優れていることを確認できたのは、嬉しい誤算だった。


延々続くアドリブに身を委ねているうちに、時は過ぎやがて23時になっていた・・・。おいおい!てなことで、アンコールをやっている時間は無くなってしまったぞ。さすがにここでライブは終了だ!

ステージ上に、ポールダンサーも呼んで勢揃いし、記念撮影だ。多くの客が携帯電話やカメラを取り出して撮影開始!さらに Henry はサイン攻めにあっていた。Henry はサインと同時に名刺も渡していたが、さらにCDやDVDまでもたくさん配っていた。本当にフレンドリーな方である。


実は、この時点でひとつの問題が発生していたのだ。私は昼食の時点で Henry にお願いしていたことがあった。「ライブが終わったら片付け終了後、1時間ほど私につきあっていただけませんか?あなたにとても会いたがっている是永功一さんに会って欲しいんです。彼は今、スタジオに缶詰状態なので、こちらから行くしか会える方法が無いんです」とね。しかし、これから機材を片付けてホテルまで機材を運び、さらにスタジオまで会いにいくとなると、とてもじゃないが Henry を連れ回すには深夜になりすぎた。 私は是永さんに電話してキャンセルし詫びを入れた。

Henry もさすがに疲れていたようだ。昼食以降は何も口にしていないしね。「今日は残念だけど、来年夏までにまた来日するから、その時はきっと是永さんに会うよ!」と言ってくれたので、次回は実現できることだろう。Henry との貴重な2日間は、これで終わりだ。私もそろそろ終電が近い。来年の再開を約束して会場を後にした。

コンサート会場に来てくれた弾駆動ユーザーがいた。かつて10月26日の深夜に、私を日吉駅前で目撃していたアノ人物「ミワタニ」氏である。ということは帰るべき駅は私と同じ日吉駅なのだ!道中はいろんな話しをしながら電車の時間をつぶすことが出来たぞ!お付合い感謝!

そうそう!Henry に前日渡した「あんぱん」は朝食に食べたそうで「うまかった!大好きな味!」と感想を述べていた。よかったよかった!

私は自分でも信じられない状況に、ズンズン進んでいる感じがする。帰宅後にメールチェックしたら、Henryからお礼メールが届いていた。

Dear Tanabe-san,

THANK YOU SO MUCH AGAIN for today.
thanks for the guitar and tech support
and thank you for staying so long at the gig!

Aloha, Henry

さらに、新たなる展開のメールもアメリカの出版社から届いていた。それは近いうちに明らかになるのだ!


本日の結論
振り返ると、不思議な2日間だったなあ。

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