散歩的同行者


2010年12月05日 男同士のデートだ!


Who is he?


「北海道海鮮弁当」

12月5日の出来事である。時間軸にそって書き進めてみる。だらだらと長くなると思うから覚悟してね。

現在来日中の Mr. Henry Kaiser は、明日6日の六本木ライブに向けて5日朝から滞在ホテル内でリハーサルを行っていた。そのリハーサルが13時に終わるので、その後私と一緒に隅田川クルージングに行きたいと以前から言っていたのだった。さらに昨夜になり彼は「築地の寿司屋にも行きたい!」とも言い始めたのだった。

そこで私は対応すべく、隅田川クルージングの発着場所と経路、時間を調査し、コースを組み立てておいた。さらに築地の寿司屋もHenryが「この店ってどう?」とURLを送って来たので確認しておいた。築地「すしざんまい」は築地の場外ではなかなかの人気店だ。ここなら私も知っているし、無茶な値段ではないので安心だ!9月にLAでお世話になったお礼に、今日の支払いは私がすべて行うつもりなのである。

5日朝。好天に恵まれ雲ひとつなく、風もなく暖かな冬の日となった。12時半にホテルに迎えにいくと約束していた私は11時に家を出た。ほぼ1時間で新宿のホテルへ到着できるはずだ。そしてその時、私はバッグにひとつのペダルを忍ばせていた。

久々に電車でお出かけだ。日曜日なので電車はすいていた。ズムーズに新宿まで到着すれば、その時点で12時。ホテルまで徒歩8分のはずだったがちょっと間違えて12時15分にロビーに入ることが出来た。そこでインフォメーションの姉ちゃんに「Henry Kaiserさんに会いに来たんだけど、ライブのリハーサルをこのホテル内のどこかでやっているはずなんですが、どこですかね?」ここでドタバタが始まった!姉ちゃんは「そのような予定はどの会議室にも入っておりませんが・・・」と必死になって探してくれたのだけど見つからず。ホテル以外のテナントにも手を伸ばしてくれたのだけど、一切見つからず。ううう・・・。どこにいるんだ彼は・・・。

3階のメインロビーに移動して再度聞いてみた。すると担当の女性は「それではまずお部屋の方に電話して確認しましょうか?」と発言があり、結果として「お部屋にいらっしゃいます。お部屋でリハーサルされているようですね。お部屋までおいで下さいということなのでご案内いたします」とメモ用紙に部屋番号を書いて渡してくれたのだった。なんだ・・・そう言うことね。で、部屋にたどり着けば、狭い部屋の中でリハの真っ最中!私はそれに30分ほどつきあって待ちの状態。

やがてリハはスケジュール通り終わったので、参加メンバーは退去。まずは Henry にお土産を渡した。彼からのリクエストで先日購入しておいた「高級雲丹ふりかけ」と、追加で用意した「山葵ふりかけ」それに使いやすそうな箸を4組セットにしてお渡しした。そしてもうひとつ、私が用意していたのは、1台の「弾駆動」だった。これには壮大な計画があったのだ。

実は、Henry が来日した日に、メールをやり取りしていたら、彼は12月16日に Robben Ford のコンサートに行くと書いていた。そこで「Robbn Ford に会うのなら弾駆動の存在を知らせておいてね」と書いたところ「あなたが、Robben の為に1台の弾駆動を作って、私に渡してくれるなら、彼に会った時に強くリコメンドしておくよ!」と快諾してくれたのだ!

このチャンスを逃してはならない!人は自らが動くことで新しい展開を生むのだ!実はその時点で、私がオーダーを勘違いして出荷できなかった弾駆動が1台手元にあったのだ。直ちにネームラベルを作成して張り込んだ。もちろん動作確認も行い問題なし。いつものプロテクトケースに収めて出荷形状に作り上げた。もちろん私のメールアドレスが書かれている名刺もその中に入れてあるのだ。


その後、ネットでRobbenについて調べたところ、驚きの偶然が!なんと12月16日は彼の誕生日だったのである!ハッピーじゃないか!この事実に Henry も驚いていたなあ。つまり、私の作った弾駆動は「誕生日プレゼント」という名目で Robben に堂々と渡せるのである。ということで、私は Henry に弾駆動を託したのであった。さてその後どうなるかは神のみぞ知るということだね!年内に結論が出ると嬉しいけどね! ちなみに、私と Henry と Robben は現時点で同じ年齢である。


丸ノ内線にて。四谷近辺。

なんてなやり取りが終わって、私と Henry はすぐにホテルを出た。歩きつつ、Henry が「ランチと隅田川クルーズのどっちを先にする?」と聞いて来た。そこで「あなたはどっちを選ぶ?」と返したら「築地で寿司!」と即答あり。徒歩8分で丸ノ内線新宿駅に到着。丸ノ内線から乗り換えて日比谷線で築地駅へ移動。Henry は東京の地下鉄が大好きなのだそうだ。1人でどこにでも行けるようだ。

築地駅の地上に出ればすぐに「築地 すしざんまい」だ。幸いなことに支店の開店祝いで、本日は色々なディスカウントがあるようだ。店内突入!おおお!!!すでに多くの客が待ち状態だ!外人グループも多い。

カウンター席であればすぐに案内してもらえるという。望むところである!2階の席へ着いた。さて何にしようか?Henry は何でも食べるから私のチョイスに任せるという。ただしキュウリだけは Henry はダメだと言う。アレルギーがあるのだそうだ。メロンもスイカもダメ。つまりウリ系がダメなんだね。覚えておこう!



最初の皿はこの店の名物「マグロ三昧」次に「アサリのみそ汁」最後に「各種盛り合わせ」を食べて、二人とも満腹になったのだが・・・。Henry はもうひとつ最後に食べたいものがあると指差した。それは「アナゴ」だった。「アメリカの寿司屋では穴子が食べられないんだよ」と言っていたなあ。で、シメの穴子を旨そうに頬張るHenryであった。ちなみにアサリ汁は「白みそが一番すき!」とみその種類にまで言及していたぞ。


白みそのアサリ汁が大好きなお方である!

満腹になったところで次ぎに急がなければならない。予定してた隅田川クルージングは15時40分発が最終便なのだ。この時点で40分を切っていた。地下鉄で移動するにも徒歩があるのでいささか心配。そこでタクシー利用に切り替えて、走り出した。ところが、運転手の対応が何となくおかしい。新大橋通りをほぼまっすぐに行けば良いのに、やたらにカーナビをいじっているのだ!

結局「東京はまだ不慣れで申し訳ないです」と運転手は言い出したのだった。行き先が分からないのだ。私は用意しておいた地図を渡してここに行くようにと指示を出した。だが・・・到着してみれば見事に隣の橋である「駒形橋」だ。「いやいや!行きたいのは隣の吾妻橋だからね!」と言葉柔らかに修正を指示した私である。大人になったものだね!



チケットを買って乗り場に行けば、そこには松本零士デザインのあの船「HIMIKO」が横付けされていた。それを見て Henry はつぶやいた「スペースシップ!」確かにそう見えるデザインである。だが我々の乗る船は次に来た古い方であった。乗船してすぐに気づいたのは「東京スカイツリー」の存在!建設途中の今のうちに記念写真を撮るべきである!ここでまた Henry の一言が。「完成したらすぐに、怪獣に破壊されるんだよね!」大笑いの発想である!


2010.12.05.15:40

隅田川を下りつつ、岸辺の風景に目をやりつつ、新しい視点の東京に Henry はとても楽しそうだったね。20分後に船は「浜離宮」に到着。庭園の散策は閉園までの50分間だ。薄暮の庭園を二人でそぞろ歩くとなかなか風情がある。外人観光客グループもかなり来ていたな。この「浜離宮」は古い日本の庭園風景の向こう側に、近代的な今の日本が見られるという外国人に人気の観光スポットなのだ 。


2010.12.05.15:40

閉園に近い時刻になったので、歩いて新橋に向かおうとしていたのだが、Henry が「銀座の近くだよね?銀座のショップに行きたいんだけど」と言い始めた。もちろん私はそれにつきあうのである。何のお店に行きたいかと聞くと「伊東屋」だという。おおお!マニアック!ペンを沢山買いたいというのだ。では作戦変更!銀座中央通りを目指し歩くのだ!

銀座中央通りは歩行者天国の最中だった。どうどうと道路の真ん中を歩く二人である。だがもう17時だ。歩行者天国の終わり時刻が迫っていたのも事実である。私は急いで記念撮影を行った。この場所が日本で一番好きな Henry なのだ。理由は「ゴジラ」が最初に破壊した街並だからだ。彼はゴジラが大好きなのだ。この直後、車が突入してきた!すぐ後ろにヘッドライトが見えるのがそれだ!


2010.12.05.17:00 GINZA

伊東屋に行く前に、まずは「山野楽器店」に入って散策。彼が買ったのは「沖縄音楽CD」だった!さらに移動して「伊東屋」に到着。Henry はいきなり上の階に上がり始めた。ついたのはペンの売り場。良く知っているんだね。様々なボールペンやサインペンが並べてあったが「アメリカにはこんなにいろんな種類のペンを売っているところなんか無いよ!」と嬉しそうに大量買いをしていた。お土産にするのだそうだ。

伊東屋が終われば、Henry のリクエストでお隣にある松屋のデパ地下へ。こんな多くの種類の食品が揃っている店はアメリカには無いよと、彼はまた言うのである。そして彼が目をつけたのは「北海道海鮮弁当」だった。カニとイクラとウニが乗った、いかにも北海道物産的弁当。彼は即買いである!「今夜ホテルでディナーにするんだ!」と嬉しそう。

そこで私が見つけたのは「木村屋のあんぱん」さすがに Henry は「あんぱん」を知らないというので「明日の朝試してね!」と粒餡を1袋プレゼントしてみた。さすがに二人とも歩き疲れていたのでデパ地下内の「ジュース・バー」に入った。フレッシュなフルーツジュースを飲みつつ「歩き疲れたな〜!」とお互いを慰労するのであった。

やがて18時になった。Henry はホテルに戻るというので、丸ノ内線の銀座駅まで同行。明日もまた12時半に赤坂の「土佐料理屋」に集合との確認をしてからお見送りをした。彼は「鰹のタタキ」が一番好きな日本食なのだ。てなことが本日の行動の一部始終である。

私は、Henry とブラブラ銀座を散歩しながらとても不思議な気分に浸っていた。知るひとぞ知るミュージシャンと、ペダルひとつで関わりが出来て、今日は二人で銀ブラなのだ。かつて私が全く想像していなかった人生の一日なのだ。さらにその彼が、Robbenへの仲介までかってくれている。しかもそれを彼自身が楽しみにしているのだ。実に不思議な気分の一日だったなあ。

さらに驚いたことに、私は約5時間半も Henry と世間話をし続けていたのだ。ギターの話し、ペダルの話し、映画の話しに、食い物の話し・・・。これもまた自分で想像していなかった自分の姿だ。さて、明日も頑張ろうっと!


本日の結論
男同士のデートでも結構楽しめるよ!

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