提案的足踏板


2010年11月21日 ペダルボード会社からの提案!


ギャラリーから画像拝借


「ここは動くべきだ!」

今月もまた、オーダー数のグラフは渋い推移を示している。別に大量生産したいわけではなく程々にオーダーがあると嬉しいのだが、こればっかりは自分でコントロールできないだけにちょっと苛立つ日々でもある。なんてな愚痴を書き連ねても何も状況は改善しないって分かっているんだけどね ・・・。

そんな昨晩、一通の問い合わせメールが届いた。相手は、カリフォルニアのペダルボード製作会社だった。www.vertexeffectsystems.com 主にプロ向けにペダルボードを組んでいる会社だ。週に15から20のペダルボードをセットしてるようだ。その会社からの問い合わせ内容は以下のようなもの。長い内容だったが要約すると・・・。


1 クライアントが弾駆動を組み込みたがっている。こちらから直接オーダーできるか?

2 もし、それが可能であれば、可及的速やかに欲しいのだがいつ届けてもらえるか?

3 弾駆動を当社の一押しオーバードライブとして推奨してかまわないか?

4 安定した弾駆動供給に協力してもらえるか?


ほぼこんな問い合わせだった。



今までに私宛に届いた海外ディーラーからの「輸出してもらえないか」とのオファーは10件以上に及んでいる。しかし!私はそれらをすべて断って来た。理由は、tanabe.tv の読者であれば容易に想像できるだろうがね。簡単に書くと「ユーザーがどこの誰だか分からない状況で製造したくない!」の一言に尽きるのだ。

私のポリシーは「友人のためにペダルを作る」だ。初めてオーダーして来た方でも、その人物とのメールのやり取りで判明した住所をグーグルアースで検索して「あああ・・・こんな環境に住んでいるんだな!」とか「すんげえ!プール付きの豪邸ぢゃん!」などと情報を楽しむのである。さらには会えるチャンスがあれば、ユーザーに会うことも楽しみのひとつなのだ。そしてそれらは今年実際に実現できた。

ギターショップでの販売であればそれが不可能となる。誰の手に渡るか私は知ることが出来ないからだ。オーダーされる度に相手のことを想いながらひとつひとつ手作りしたい私なのだ。逆に言えば、ユーザーのギタリストだって、ギターショップで弾駆動を買えば誰が作ったか分からないまま。そこには作り手とユーザーのコミュニケーションが全く発生しないのだよ。

さて、今回のケースはどうなのだろうか?

この会社のクライアントは、ほとんどがプロギタリストであるという。ということは、ユーザーの素性ははっきり判明していることになる。しかもこの会社は、オーダーでカスタムペダルボードを組む会社である。つまり、オーダーが無ければ製造しない会社なのだ。私と同じ状況だと言える。

となれば、こちらから条件を出して、それを了承してくれるのであれば、安定供給出来ると応じてももよいのではないだろうか?いくつかの条件を書いて送ってみた。

1 趣味でオーダーの度に1個づつ手作りをしているので量産は出来ない。

2 テロ対策のため重量制限があり、アメリカへの航空便利用出荷は一度に1個しかできない。

3 オーダーは会社名義だけではなく、ユーザーの名前とメールアドレスを知らせること。

4 基本的にオーダー確認後24時間以内に製造し、支払い確認後5日以内に届ける。

この条件でよければ製造協力するとメールを送った。

翌朝届いた返信は以下のようなものだった。

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Toshihiko,

Thank you for the email!

I understand you make the pedal by hand one by one as ordered and that you do not keep them in stock. I read the pages you suggested http://www.tanabe.tv/top/kudou/index-e.html. I know that you make them alone.

I do not want to carry stock of the pedal. I am willing to order them one at a time. But, I want to be able to make a lot of orders that can be built very quickly and can be sent to me in the USA for pedalboards that I'm building for my clients.

My clients are mostly professionals and some are hobbyists. I want to be able to offer my clients the Dumkudo. The Dumkudo is the BEST overdrive available on the market and I see hundreds of overdrive pedals every month in my business.

Let me know if you think we could arrange something.

Best regards,

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相手は、私の条件をのんだ上で素早い供給を望んでいるようだ。しかも、オーダーがあればその都度1個作ればよいのだから、今までのペースが崩れることはなさそうだな。「仕事上、毎月数百個の市販オーバードライブペダルを見ているけど、弾駆動が最高だね!」なんて、ちょっと歯が浮くような褒め言葉も書いてあるが・・・。この会社のWEBにあるギャラリーを覗いてみたところ、明らかに私が造ったペダルが組み込まれている画像が3つ発見できた。ちゃんと「弾駆動」サウンドをチェックした上での申し出でなのだ!信用できる!




この話しに、私にとってのマイナス面は無いと見た。一度対応してみよう!別段、契約書を交わすわけでもないし、相手の対応が悪ければその時点で断ればよい。「もう材料が無くなったので造れません!」と私がギブアップすればそれまでのことだがね。

とは言え、このようなオファーに対応してみるのは面白い経験である。以前にも書いたが、私自身が新しい展開に足を踏み出せば、そこには新しい人脈が生まれ、新しいチャンスとリンクが生まれるのだ。断ることは簡単だが、それでは今の生活と何も変わらない。私は最近、人生はいかに多くの人々と交流できたかが財産になると思い始めた。ここは動くべきだ!





本日の結論
こうやって又しても新しい世界に足を踏み出すのである!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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