実験的半田槽

2010年05月28日 ようやく準備が整って!


まずはコレを手に入れてみました。でも・・・


「そろそろ次の手を打たねば!」

皆さんは「ハンダ槽」という存在をご存知でしょうか?ハンダゴテを使ってチマチマとハンダ付けするのはそれなりに技術が必要です。それなりに私は楽しんでいるのですが、製造する基板の数が増えてくると、その作業もいささか億劫になってきます。量産されるメーカーの基板に電子パーツを取り付けるのは、そんな手作業では間に合いません。オートメーション化された環境で日々作られています。

基板にパーツをハンダ付けする際にはいくつかの方法があるのですが、そのひとつが「ハンダ槽」を使ったものです。金属製の容器にハンダを入れて溶かし、その中に基板のハンダ面を浸けて一気にハンダ付け完了してしまう方法です。手作業だけでやると私の基板は1個作るのに15分程度かかりますが、ハンダ槽を使うと6秒で済んでしまいます。このスピードは魅力です!てなことで私はハンダ槽を採用すべく、2か月ほど前に動き出しました。

日本製のハンダ槽は高額なので、eBayで手頃な価格のものを探してみました。そしてすぐ手配は完了。配達されるのを待ちつつ、次の手配へと移りました。通常使っているのはリールに巻かれた糸ハンダですが、ハンダ槽では「棒ハンダ」を使います。ネットで探してみると驚きました!販売単位がデカイんです。25kgなんてな単位です。そりゃあそうですよね工場で使うようなものですから、チマチマした単位では販売していません。私がとりあえず欲しいのは1kg~2kgといった程度でした。さて困ったなと・・・。


届けられた棒ハンダ 1.5kg分

そんな時助け舟を出してくれたのが「基板屋のオヤジ」こと株式会社アルニックの野村社長です。「ちょっとテストしたいんでハンダのサンプルを分けてくんねえかい?」と日ごろ取引のある工場へ声をかけていただいたのです。さらに基板のハンダ付けしたくない部分を保護するための耐熱テープもどれを買って良いのか悩んでいたのですが、やはりこれも野村社長がテスト使用分を手配していただき、ハンダと耐熱テープが当家に宅急便で届けられたのです!アリガタヤ!ありがたや!


耐熱テープ3種類。

届けられた棒ハンダの素性を調べてみたところ、最高級品でありました。ちゃんとした工業製品を作っている日本の工場で使っているハンダですからそりゃあそうですよね。これだけあればしばらく持つでしょう。



ところが・・・準備はすべて整ったと思っていたのですが、tanabe.tvにありがちな落とし穴が今回も待っていました!私が買った「ハンダ槽」は100Vで使えると思っていたのですが、なんと240V用だったのです!なんぢゃこりゃ!eBayには確かに100Vでも使えると書いてあったはずでしたが・・・念のために100Vで試したところ全くハンダは溶けてくれませんでした。クッソ〜〜〜!!!

そこで、念のために手持ちのトランスを利用して240Vを作り出し試してみましたが、こんどはワット数が大きすぎたようで、トランスから煙が出てくる始末!これでは使い物になりません!あああ・・・あああ・・・しばし打ちひしがれる私でした。その後は、ちょっとエフェクターの製造がバタバタしてきたので「ハンダ槽」の件は一旦おやすみして、しばし忘れたフリをしていました。

5月24日になり「そろそろ次の手を打たねば!」と奮い立ち、再度eBayで探したところ、今度ははっきりと100V~120V用と明記してあるハンダ槽を見つけました。さらに前回よりサイズ大きめにしてワット数も500wにしてみました。販売会社は台湾です。2週間で届けると明示されていましたが・・・なんと!今回はオーダーからたったの3日で届いたのです!あ〜〜〜びっくり!

 

新しいハンダ槽が届けばすぐにテスト開始です!まずは電源を入れて温度上昇を確認します。オオオ〜〜〜!グングン上昇していくぞ!ある程度暖まったところで、棒ハンダ1本目を投入します。ハンダ槽に接触している部分からジワジワ溶け始めて・・・あれよあれよという間に溶けきってしまいました。それでは2本目!さらに3本目を投入!全部溶けたところでハンダ槽には程よい量であったと判明しました。ここまでは大成功です!それではいよいよ基板製作に入りましょう!

基板にフラックスを塗布してしばし乾かした後、耐熱テープを貼り、すべてのパーツを取り付けて準備完了です!ステンレス製のトングで基板をそっと挟んで、ハンダ槽に基板のハンダ面だけが接触するように慎重に入れます。ここで6秒間浸けた後、ゆっくり引き上げて・・・しばし冷めるのを待ちます。ではハンダ付け完了した基板をひっくり返して結果を見てみましょう!あら?あららら?なんで?なんでなんでなんで?

ところどころハンダ付けが上手く行っていない部分があります。こりゃいかん!さらに余分にハンダが付いている部分もありました。何で?これはもう少し研究の余地がありますなあ。このままだと・・・手でハンダ付けした方がクオリティが高い結果となります。一体何がイケなかったのか?しばし悩みつつ再テストすることにしましょう!

野村社長!ご協力ありがとうございました!まだまだ未熟な私です!テストを繰り返します!


本日の結論
ハンダ槽はかなり熱を発するので、これからの季節は辛いなあ・・・。

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