試作的低音次


2010年04月28日 さらにその次の進化系です!


これは前回の完成品でしたが・・・。


「ひとつだけ残る課題は」

ベースギター用の小型アンプを作ろうと、あれこれ画策しているのですが、ベース音を出すためにはどうしてもスピーカーサイズがある程度必要です。試作第一弾は、いわゆる「GAKUYA 1号」と同じケースに作り込んでかなり小さなサイズにしてみました。TOP面のラベルも作って貼りつけてみました。スピーカーはこのサイズでも10w対応を使いましたので、なんとかギリギリ深夜のベース練習用には使えそうです。しかし1w出力ですので、ベースとしてはかなり小さな音しか出ませんがね。



そこでもう少し音量を稼ぐために次の手を打ちました。

通販で手に入る5.9wのオーディオ用アンプキットを見つけましたので、それを手に入れて回路を改造してベース用にしてみようと。しかも1キット500円です。2つ買うと@450円になります。もちろん2キット買ってみました。ついでに10wのキットも見つけましたのでそれも2キット手に入れました。



5.9wの基板自体は46mm x 36mmですので、標準的な小型エフェクターケースにぴったり収まるサイズです。しかし、1000μFの大きめなコンデンサが使われていて、さらに放熱板の高さもあって、ケースの高さが問題ですね。基板にはハンダ面に絶縁用のシートを貼りつけますので、その分だけさらに高さが必要になります。

てなことでチャッチャと基板を組み立てましたが、組んでいくうちに明らかにこうしたほうが良いだろうと思える部分がありましたのでパーツを手持ちのものと変更して修正しつつ、組み立て終了。やはり、いままで「GAKUYA 1号」を作り続けてきた経験値がかなり役立ちますね!とりあえず、剥き出しの基板状態で音が出るのか?をチェックです。はい!問題なく出ました。剥き出し基板ですからノイズだらけですがね。

次にケースの加工です。基板をケース内に収めてボリュームポットを置いてみました。さらにLEDの設置スペースや、ジャック、スイッチ、電池のスペース等を計算すると、かなりギリギリです。ケースの穴開け位置をちょっと間違えるとすべてが収まりそうにありませんなあ。慎重に計測しつつ、位置決めをしてエイヤッ!と穴開け開始しました。

このアンプは5.9wのオーディオ用なので、発熱量は大した事はないのですが、ケース内に密封してしまうのはちょっと気がかりだったので、ケースのサイド面に放熱用の穴を8個つけました。下から冷気を吸い込んで、上から排気するという計算ですが・・・。まあ、気は心といった程度でしょうかね。

穴開け完了したケースにパーツを取り付けてみると、計算通りでピッタリ収まりました。ヨカッタヨカッタ!

さっそく、音出しのチェックを開始。なかなか気持ちよいサウンドが出てきました。しかし、ベースにしては歪が大きめですね。GAINが強い感じです。オリジナルのままだと56dBになっていますので、100Ω抵抗を1個加えて45dBに下げましょう。設置完了。さらにハイをもう少し抑えたいので、入力部のコンデンサを少し大きめに変更してみました。

この状態で再度音出ししてみると、かなり良い結果となりました。ボリューム80%以上にすると少し歪始めます。この後は、プロのベーシストにチェックしてもらってさらに修正点を指摘してもらって完成させることにしましょう。と、ベーシストの関雅夫さんが来られるのを待ち構えていたのですが・・・。急用が出来て来られなくなったと連絡が入りました。残念ですが、試奏会はしばし延期ですね。


いったん完成したベースアンプ。

しばし、音出しして遊んでいるうちにふと・・・このスイッチを上手く使うと、ベースとギターの両方に使えるんじゃないのかい?そう思いついてしまいました。思いついたら即改造作業開始です!スイッチを OFF - ON - OFF から ON - OFF - ON に変更です。さらにLEDも3mmのREDを、5mmの2色LEDに交換します。これでベースとギターを切り替えた場合、色の違いで選ばれている回路の判別が観ただけで行えます。

配線と回路をしばしイジクリまわして、なんとか切り替えられる体勢に。ケースもLEDの穴を空け直して5mmにしました。再び組みなおして無事にすべてが作動することを確認しました。ギター用としても十分に遊べるアンプになりました。ギター用ではGAINが程よきところで収まっています。それ以上GAINが必要になったら「禅駆動」を加えればよいだけですから問題なし!

ベース ギター


ところが・・・最終的チェックを行っているうちに問題点がひとつ見つかりました。電源の問題です。ケース内に電源として006P 9Vを入れてみたのですが、それだと上手く作動しないんです。外部電源の9Vだと全く問題なしです。こりゃあ困った!電圧が同じで上手く作動しないと言うことは、電流量が足りないということですね。これはさらに電源対策を立てなければ携帯用ベースアンプとして使えませんので、しばし研究が必要ですなあ。てなことで当面は電源アダプターを使って使うことにしましょう。

なんてなドタバタをやっているうちに、もうひとつ電圧も考えなければならない状況が出てきました。13Vの電源アダプターで作動させたら9Vで作動させるより明らかに良い音に聞こえます。この回路は9V~18Vで動作可能ですので、内部に昇圧回路を組み込んでみることにしました。「LT1144CN」というオペアンプを使うと、入力 Vin に対して 2(Vin-1)V 取り出せます。つまり9V入力で17Vが取り出せるのです。手持ちに「LT1144CN」がありましたので、すぐに組んでみました。



ところが・・・どうも上手く昇圧出来ません。9v入力に対して10.5vにしかなりません。こりゃ困った!丹念に回路をたどってみましたが、組んだ回路に破綻は見られませんでした。ううむ・・・以前同じ作業を行ったときには問題なく昇圧出来たのですが・・・。しばし原因追求したところ・・・ひょっとしてこれか?と最後の頼みで余分に取り付けていたアース線を1本切ってみました。おう!これだこれだ!ということで無事に17Vが取り出せるようになりました!

出来上がった昇圧回路をケースに入れてみましょう。最初からパーツでギリギリのケース内ですので、その隙間が確保できるでしょうか?ん?そうか!電池が使えないのだから出してしまえばそこにスペースが出来ますね!はい!やってみました。見事に収まりました。音出しもOK!これでようやく完成です!以下が、スピーカーキャビにセットした状態です。


実は完成したものの、このスピーカーキャビよりももう少しヌケを良くしたい私です。そこで次の作戦です。「禅駆動」でトーンの調整をしましょう。どうせなら運びやすいように一緒にセットしてみました。以下がそのセットした画像です。これらをベルクロのベルトでしっかり止めれば持ち運べますね。



これでようやく納得行くサウンドになりました! ベースとギター両方に使える携帯アンプの完成です。ひとつだけ残る課題は電池駆動にすることですが、すでに対応策は出来ています。006Pでは作動しませんでしたが、他の方法では電池駆動するとの実績報告がありました。次はそれを準備して「どこでも使える」状態で完成させたいと画策しております!


本日の結論
これを持って私はどこに行こうとしているだろう? 行くところも無いくせに・・・。

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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