選択的管駆動


2009年11月20日 真空管の選択は!

次のステップに進みましょう!



「これからの季節に」

前回「管駆動プロト」のご報告をしました。その際に、とりあえず音が出たところまでお知らせしましたが、もう少し煮詰めることにしました。それは「真空管」と「オペアンプ」の再選択です。まず、オペアンプの選択をやってみましょう。

当初取り付けていたのは「RC4558P」でした。ちょっと荒っぽい音です。ジックリ試奏してみると、もう少し滑らかさや落ち着きが欲しいですね。そこで手持ちのオペアンプの中でそれに匹敵するのは「JRC4558DA艶あり」だと思い出しました。このオペアンプは「JRC4558D」の選別品ですね。下の写真では艶がありませんが、肉眼で観ると艶があります。いわゆる「艶あり」と呼ばれている1980年代のもの。今となっては、かなり貴重なオペアンプです。「JRC4558D艶あり」に比べるとサウンドはほんの少し上品な感じです。入れ換えてみたところやはり正解でした。オペアンプはこれにしましょう。


次は真空管の選定です。「12AX7」が指定ですが「ECC83」も同じ意味ですので、引き出しの中を引っ掻き回して、見つけ出した真空管をすべて入れ替えてチェックしました。比較したのは以下の画像にあるものです。真空管に対して全く予備知識がない状態の私の耳ですので、予断が無く新鮮な気持ちで「自分が好きな音」を基準に探してみます。


この7種類を丁寧に交換しつつ弾き比べてみたところ「えっ?真空管でこんなに違うの?」と思える程サウンドの変化を感じました。2年前にこのようなバリエーションで真空管を頂いたことが、今頃になって役に立つとは!この選択作業はとても贅沢な気分で楽しいですね。今後、真空管アンプを開発する際にも役に立つと思いますよ。のぶさん!綿貫さん!今更ながらのお礼ですが・・・ありがとう!そして、最終的に勝利したのは以下の真空管でした。


「RCA 12AX7」です。この中では一番滑らかなサウンドに聴こえました。きっと個体差もあるのでしょうがね。これでいったん「真空管」と「オペアンプ」の組み合わせが決定しましたが、再度この真空管に合わせてオペアンプを選び直すのも面白いですね。それではやってみましょう!10種類以上あったのですが、むやみにやっても仕方が無いので、GAINが強いものは外して、候補になりそうなものだけを選んでみました。


基本である現行品の「JRC4558D」ももちろん試しました。6種類を試したところ、これまたなかなか変化があって面白い試奏作業ですね。電源は外部だけです。電池の消耗を気にしなくてよいので「RC4558P二段重ね」も試してみました。そして決定したのはやはり最初にセットしていたオペアンプでした。その違いを文字で伝えるのは難しいのですが「ふっくらとして深みのあるバランスのとれた滑らかな歪み具合」とでも書いておきましょうかね。


こうやって真空管やオペアンプを、素人が色々組み合わせて比較するのはなかなか出来ない作業ですが、幸いにしてこの2年間で集まった材料がたっぷりありましたので当家で実現できました。この「真空管オーバードライブ」は最初からパーツが全部セットになっているキットで作っても出来上がりますが、やはりパーツを選別しつつ好きなものを集めて、自分なりの回路変更をして作り上げるとオリジナルのサウンドになりますよね。キットには現行品の汎用パーツしか入っていませんから。最初に基板だけが手に入ったというのが今回の成功のポイントですかね。

今回選択した真空管は1960年代の製造品のようですね。しかし・・・日本での販売価格をチェックしてみたところほぼ8,000円〜10,000円程度の価格設定でした。強気に15,000円というのもありましたがね。ということで「RCA 12AX7」にこだわって作るとなると、製造原価がかなりかかってしまいますねえ。オペアンプも1960年代のものですし・・・なかなか手に入りませんね。これまた量産は無理ってことですか。

作業が終わってから気づいたのですが、私は化繊のジャージを着て作業していました・・・。これはいけませんねえ〜〜〜!!!静電気が体に帯電してオペアンプを触っている時に「ビッ!」と放電してしまうとオペアンプが一瞬で死んでしまいますから!くれぐれもこれからの季節にオペアンプの交換をされる時は、静電気にお気をつけ下さいませ!


本日の結論
やっぱり艶ありは「使える」オペアンプですね〜〜〜!!!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



GO TO HOME PAGE