試作的管駆動


2009年11月19日 ここ数日間、取り組んでいました!



「焦らず急がずじっくりと」

 オーバードライブの次の展開は何だろうと考えていた時に、やはり「真空管」を使ったものも一度は作っておかないとねと、ぼんやりと作戦を練っておりました。そんな1か月程前のこと、パーツショップに材料を手配したところ、まとまった量を買うと「基板プレゼント」があったのです。その時にたまたまもらったのが、下の画像の基板です。


調べてみると信号増副管の「12AX7」を採用した真空管オーバードライブの基板だったのです。ほほう!これはこれは!渡りに船ということで、この基板をもとに試作品を作ってみようとしばらくあれこれ調べておりました。真空管の知識が無かったのでWEB調べまくりでしたがね。ほぼ見えて来たので、まずは手持ちの在庫パーツで使えるものを確認して、足りないパーツを少しオーダーしました。ネーミングが無いまま進めるとこの先盛り上がらないので「管駆動」KANKUDOといたしました。

ただ、このオーバードライブは真空管だけを使っているのではなく、JRC4558Dも回路に加わっています。これは「REAL TUBE HYBRID OVER DRIVE」と呼ぶべきペダルですね。私の手元には4558系の2回路入りオペアンプが何種類もありますので、これを刺し換えるだけでも音質を選ぶ幅が広がりますね。

材料が揃いました。基板にパーツを取り付けるのは特に問題ないので、サクサクと作業は進みました。やはりプロが作った基板は使いやすいですね。だた、基板にパーツを取り付ける際には自分なりのちょっとしたテクニックを使いましたが。今回初めて扱うのは真空管ソケットです。9ピン用を取り付けますが・・・。ところが、基板にある9個の穴と真空管ソケットの位置が合わないのです。基板側の穴間隔が広いのですが・・・。これはなぜ?基板側のピン穴に合うサイズのソケットがあるというのでしょうか?

色々調べてみましたがどうもそのようなソケットはなさそうです。念のために、もう1カ所のショップから取り寄せてみましたが、やはりサイズは同じで穴の位置が合いません。さあどうする?出した結論は、ソケットの足を曲げて広げるでした。基板側の穴もルーターで少し広げて刺さり易くしてなんとか力技で取り付けは成功しました。念のために各ピンの導通確認して基板は完成です。取り付けるには他にもコツがありましたがね。オペアンプはとりあえず「RC4558P」にしてみました。手元に在庫がたくさんあるのですよ。


真空管「12AX7」は2年ほど前にチューブアンプを買った時に、オマケでもらったものがいろんな種類で10個程ありましたのでそれを使います。知識が無いので、これまたとりあえず一番最初に目についたものを取り付けてみることにしました。古い真空管なので、各ピンが少し酸化しているように見えます。そこでアセトンを使ってピンを掃除して準備完了です。はい!取り付けてみました。


実は今回の作業はここからが問題だったのです!ケースは、ショップが指定しているものより厚みが薄いものを用意しました。いつも「TWIN CUSTOM」を作るのに使用しているサイズです。それに上手くレイアウトできるか?が今回のテーマでした。しかも、ケースはゴールドカラーの豪華なものを用意しました。1個しか買わなかったので、安易に取り組むと後戻りできませんから、きっちり精密に検証して穴を開けなければなりません。仕上げにジャック穴の位置決めに時間をかけてすべて納得してから一気に作業開始です!以下のように取り付けました。

基板を取り付けるためのネジ穴をひと工夫しようと。今回初めてテーパー付きのネジ穴にして皿ネジが平面内に収まるように加工しました。このテーパーを付けたネジ穴のもうひとつの目的は、基板からケースにアースを取るためです、ケース内がしっかり塗装されているので、確実にケースでシールドするためにはアースポイントを作る必要があったのです。ご覧の通り無事に加工が終わり、太めのネジを使いましたがスッキリと納めることが出来ました。


このオーバードライブは本来3ノブ仕様なのですが、そのままだとつまらないので、とりあえず4ノブ仕様で仕上げます。残りのひとつは今後勉強したあとで再度回路を見直してもうひとつの機能を付けようとの魂胆です。はっきり言えば、私は見た目が4ノブのレイアウト好きなだけなのですがね。ジャックのインアウトは、ボリュームポットに干渉しないようギリギリの位置に決めてあります。LEDの穴はすべて回路の作動が確認できてから最後に開けます。


では作動の確認。電源は外部のみです。9V〜12Vの範囲で使えます。12V以上になると真空管がアウトだそうです。当家には9Vの電源アダプタしか無いので、それでテスト開始です。いつもの通りここでまともに作動せず、しばしドタバタがありまして一瞬気を失いそうになりましたが、2時間ほど格闘しているうちにいろいろ原因や対策方法が見えてきました。こうやって試行錯誤することで経験値が上がっていくのは楽しいですね!

出て来たサウンドは「真空管」らしいオーバードライブです。暖かく深みがあるというヤツですね。でも私はもうすこしスッキリしたヌケ感が欲しいと感じます。それにオリジナルの回路のままではつまらないので、いつものごとく私なりのモデファイをしていきましょう。しばしアレコレやって作業終了!これで、私の好きなサウンドに近づきました!これ以上回路に手を加えるのはもっと勉強してからにいたしましょう!レイアウトが決まればLEDの穴もあけます。LEDは3mmのレッドにしました。なんとなく大きなものを使いたくなかったのですよ。ホルダのサイズに合わせて5mmの穴です。スッキリとレイアウトできました。中身は以下の通りで真空管も別のものに取り替えてみました。


次に「ウォーター・スライド・デカール」の製作です。今回はアバロンシートは使わずに、この豪華なケースの風合いを楽しむために文字だけを張り込みます。アバロンを使わないもうひとつの理由は、表面のデコボコをあえて付けてある塗装なので、フィルムを貼ると空気が入ってしまいそう。それを避けたんです。デカールはプラモデル用のものです。今回手に入れた素材はインクジェットで作れるので、とてもらくちんです。いくつかのサイズを作りレイアウトを検証しながら進めます。最終的に貼付けて出来上がったのが以下の通りです。どうしてもうまく縦文字で「管駆動」がレイアウトできなかったので、今回初めての横レイアウトです。右端のノブ「JALI」はダミーで付けてあります。現時点ではこのノブだけ作動しません。


こうやってなんとか真空管仕様のオーバードライブが出来ましたので、この先は2年半前に電子工作を開始した時に目指していた「チューブアンプ製作」の研究を再開いたしましょうかね。まだまだ勉強をし続けなければなりませんが、幸いにして時間はたっぷりあります。焦らず急がずじっくりと、小さなものから手がけていきましょうか。すでにひとつは手始めに作りたいチューブアンプがありますので、まずはそれをクリアしましょう。



本日の結論
ニックネームは「なかむら」ですね。「なかむらKANKUDO」(なにそれ?)

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