外観的残響威


2009年10月28日 デザインを変更!



「自虐的楽しみ」

前回ご紹介した仮称「残響威」に素早く食いついて来たのは、いつもお世話になっているOnodera様でした。私と同じようにリバーブ無しのチューブアンプを使っているので、リバーブだけを加えたいと近々某社のリバーブの購入を考えていらっしゃったとか。お仲間のK.Sawamura様も同じ状況であると。そこで、まだ開発中にもかかわらず「なんということでしょう!ジャストタイミングです!完成したら2台作ってください!」と早くも連絡があったのです。

期待されれば、対応したくなるのが私の特性です。開発スピードをアップすることにしました。オリジナル回路を少しモデファイして、いったんプロトタイプが出来上がりました。テスト使用してみて、サウンド的には問題がなさそうです。私が欲しいリバーブの部分はちゃんと出来ていましたので。ところが、ひとつ操作性に難点がありました。

各エフェクトの切り替えを、基板上のデジタル・ロータリーディップスイッチで行う仕様になっていたのです。ということは、エフェクトを切り替えようとすれば必然的に裏蓋を開ける必要があります。これだけコンパクトな空間系マルチエフェクターですから、それも仕方ないかなとは思ったのですが、やはりテストをしている際に切り替えが面倒で仕方ありませんでした。

そこで、これを楽に切り替えるにはどうしたら良いのか?と思考を開始しました。ちなみに、以下のエフェクト機能がこの回路には含まれています。

●  Reverb
●  Phaser
●  Pitch Delay
●  Tremoro
●  Pitch Shift
●  Chorus
●  Flanger

コントロールが外から出来れば良いだけですので、常識的に考えて内部にセットしてある「デジタル・ロータリーディップスイッチ」と同じもので外出し出来るパーツを探せばよいだけです。ところが・・・探せどさがせども的確なものが見つからないのです。ううむ・・・こりゃ困った。時間がかかりそうだ・・・。それにもうひとつ問題がありました。「デジタル・ロータリーディップスイッチ」にある6つの端子がどのような組み合わせで切り替えられるのかを、その時点で理解していなかったのです。

そこで、プロトタイプを外から切り替えが出来るようにとりあえず一番手っ取り早い処理をしました。裏蓋に穴をあけて、外から小型ドライバーで直接基板上のスイッチを切り替えるという作戦です。裏蓋にきっちり正確に穴をあけるのにかなり気を使いましたが、なんとか位置合わせは成功し、以下のように出来上がりました。これで切り替えは簡単になりましたが・・・。やはりトップ面で操作したいという欲求は無くなりません。



そこでまず、ロータリースイッチの6つの端子がどのように通電しているのかをチェックすることにしました。しか〜〜〜し!どうも私が予測していた動作とは違うのです。テスターでチェックしているうちに混乱してきました。私は何か大きな勘違いをしているのではないかとね。そこでさらにメーカーの出しているデーターシートを調べてみると・・・。おおお〜〜〜!!!そうだったのか〜〜〜!!!

「デジタル・ロータリーディップスイッチ」のスイッチングには2種類あって、私の考えていたのは「リアルコード」と呼ばれるものでした。ところが、実際にチェックした結果を書き出してみると「コンプリメンタリコード」で動作していることが判明したのです!またひとつ勉強になりましたなあ!ちなみに必要なのは2進数の10ポジション用です。

で、「リアルコード」と「コンプリメンタリコード」の違いはというとネガ・ポジの関係に当たるのです。以下がそのリストです。丸印が付いている部分がカソードと繋がっている点です。これが分からなくてしばし呆然としていたんですよ。基板上の6つの端子のうち、4つは以下の表にある1.2.4.8.にあたります。残りの2つのうちひとつはカソードでGNDに繋がっています。残りのひとつはどこにも繋がないということですね。





回路基板上の6つの点からケーブルを出して、それを外付け用の「デジタル・ロータリーディップスイッチ」に上の表に準じて繋ぎ直せば機能は確保できると!で、問題はその外付け用「デジタル・ロータリーディップスイッチ」です。なかなか見つからないその状況をOnodera様にメールしたところ、捜索されて、情報が寄せられました。メーカーが出している情報のpdfが送られて来たのです。

たくさんの種類が載っていたのですが、その中で私がこれなら使えるのでは?と見つけたのが以下のパーツでした。ところがよく見ると、ケース内に納まる部分の高さが5mmほど高すぎるのです。物理的に収まらないのであればそれは使えません。しかし、他に同じような部品を見つけることが出来ず、なんとかこれで解決したいと考え抜いた後に、ひとつのアイディアを思いつきました。それをやると基板上の部品レイアウトがいささかブザマになるけれど「イケそうな気がする〜〜〜!!!」と確信して、すぐに発注しようとしました!



ところがここでまた問題が起きました。検索してみるとこの商品を扱っているネット上のショップがこれまた少ないのです。国内では2社しか見つかりませんでした。まず1社目にアクセスしてみると・・・なんと!納品に3週間かかると書いてありました。こりゃあダメだと次のショップへ。すると今度は即納出来るとありました。ただしその分だけ単価は高めでしたがね。取りあえず2個あれば良いのですが、念のために10個発注しておきました。

基板関係のパーツもすべてオーダーし終えたら、いよいよケースデザインの仕上げです。前回のヤツはとっととヤメにして新デザインの開始。小さなノブでないとエフェクト切り替え用の表示が見えないので、ノブはアルミ削り出しにしました。これ実は高いんですよ!各コントロールの3つはシャフトが6mm ですが「デジタル・ロータリーディップスイッチ」は3.1mmです、これは外観が同じで、内径が違うノブを用意しなければならないということですね。はいはい!用意しました!

デザインも完了し検討した結果、トップ面に印刷する文字が小さいので、読みやすくするためにケースはアルミポリッシュを使うことにしました。実はこれも高いんです!トップ材にはいつものごとくシェル材を使うのですが、これも色が薄いものにして読みやすくしました。てなことで出来上がったのが以下のデザインです。とりあえずケースに取り付けてみましたが、中にまだ回路は入っていません。

28日お昼に早くも、昨日注文した「デジタル・ロータリーディップスイッチ」が届きました。スイッチをケースに取り付けて、ノブをセットしてみると、見事に計算通りのレイアウトになりました。ノブを回転させると快適なクリック感とともに切り替わります。これで準備は整いました。外観は、かなり高級感溢れる仕上がりとなっています。この画像より実物の方がいい感じですよ。あとは、回路基板と材料が届けば一気に完成!たぶん明日届くはずですが。


ところで・・・回路基板は本当にこのケースの中に収まるのでしょうか?材料が届くまでハラハラしながら待つことにします。と言いつつも、いつものごとくアリ地獄や落とし穴が待っていそうで怖いのですがね。まあ、それはそうなったでネタになるので自虐的楽しみが増えます。明日は昼からずっと外に出ているので、帰宅が遅くなりそう。仕上げは明後日でしょう!徐々に完成に近づいていくのは楽しいですね!


本日の結論
明日は「This is it!」を観に行くんです! 座席予約済み!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



GO TO HOME PAGE