急逝的十字軍


2009年10月17日 残念なニュースが・・・!



「遠ざかる勇気」

私が高校生の頃、1968年にラジオから流れて来た曲を聴いてブッタマゲました。その曲名は「帰って来たヨッパライ」でした。バンド名は「フォーク・クルセイダーズ」。聴いた直後に宮崎市内にあるレコード屋「吉村楽器店」へ自転車を飛ばして購入しました!私が初めて買った日本人ミュージシャンのレコードでしたね。 ちょうどフォークソングの絶頂期で、私は夏にアルバイトをしてフォークギターを買ったばかりでした。

私が「新譜ジャーナル」や「ガッツ」という楽譜が載った音楽誌を買ってコード進行を覚え始めた頃です。その後発売された「フォーク・クルセイダーズ」のファーストアルバムも購入しました。彼らの曲は今でも好きです。「悲しくてやりきれない」は大人になってからその歌詞の深さを体で知りましたね。

そんな私の青春時代のヒーローだった加藤和彦さんが、2009年10月17日の本日、自殺されたとニュースで知りました。驚くと同時に、なにが起こったのだろうと考えてしまいます。最近までコマーシャル出演されていたし、プロデューサーとしてもご活躍されていたと信じていたのですが・・・。プライベートは全く知りませんが、順調だと思われた加藤さんがそのような行為に及ぶとすれば、私が思いつくのは「鬱病」しかありません。

KOREさんは1年前に加藤和彦さんと仕事をされて、かなり感動されていました。尊敬するミュージシャンと一緒に仕事ができた喜びを嬉しそうに語っていました・・・。それからさほど時間が経っていないのに・・・。私の経験から言えば「鬱病」になり自殺願望を自分でコントロールできなくなる時期が、発症してから半年過ぎてやってきました。

鬱のどん底まで行くと、自殺願望はあるのにもう体が反応できなくなり実行は出来なくなります。つまり、鬱が発病して間もない体が動く時期や、治り始めた頃が一番危険なのです。もし加藤さんが、そうであったのであれば罹病してそんなに時間が経っていなかったのだと推察します。

私は「鬱病」で自殺される方々を否定しません。あの苦しい精神世界から逃れる道が、それしか残されていなかったのですから。私もその直前まで行きました。たまたま私は、線路に飛び込もうとした瞬間に躊躇し自制できたに過ぎません。あと数秒判断が遅れたら、今私はこの文章を書いていられませんでした。

「鬱」は、罹病したことが無い人々にとっては「気の持ち様」的な感覚しか無いでしょうが、その実態は「鬱感」を「死」と交換したくなる程の強い病です。私は4年半苦しみ続けました。今月になりようやくその苦しみの世界から解放されましたが、これは私にとって「このような苦しい精神世界があるのだ」と知り得た人生の貴重な体験でした。

私は今後、友人達が死なないために、そしてあなたが死を選ばないように助言し続けようと考えています。精神科の医師も「鬱」の世界は論理でしか知らないはずです。まさに死のうとする瞬間のあの「感覚」は体験したものでしか理解できないと思います。

私が今やれることは、たぶん多くの友人達に予防策を知らせることでしょうね。先日、新聞で発表されていましたが「鬱病の入り口の目安は、眠れない日が2週間続いたら精神科へ」のキャンペーンを広めるようです。特定の症状を素人が自分であれこれ判断するのは難しいので、一番分かりやすい判断基準を「不眠期間が2週間」としたところに分かりやすさがありますね。これは私の初期症状と同じです。眠れない日が続きましたから。ただ、私はその情報がその時点で得られず、すぐに元に戻るだろうと自分で判断してしまい、放置してしまったのです。私が限界だと感じて病院に行ったのは2か月後です。すべてが手遅れでした。そして回復まで4年半。とても長いながい戦いでした。

この貴重な経験から私が言えることは2つあります。

1 2週間眠れない日が続いたら、迷わず「精神科」に行ってください。
  胃が痛ければ内科に行きますね?大怪我をすれば外科に行きます。それと同じことです。
  初期であれば投薬治療ですぐに楽になれます。

2 鬱病は絶望感が全身を支配しますが、それはあなたの頭の中で起こっている幻想です。
  現実に起こっている事ではありません。
  誰もあなたを排除しようとしていませんし、忘れようともしていません。
  あなたを必要としている人々がいます。あなたを愛している人々がたくさんいます。

  治療に時間はかかるでしょうが、回復できるその日が来るのをジックリ待っていてください。
  あなたの「鬱病」もきっと全治する日は来ます。信じ続けてください。

それから、これは私の体験から言うのですべての人にが当てはまるとは思えませんが・・・医師は「鬱感」が抜けないと判断すれば抗鬱剤を出し続けます。ところが、抗鬱剤は長期間服用すると逆に鬱から抜けられなくなると考えます。私は投薬を3年半で自主的に止めました。当初は禁断症状が出ましたが、それでもじっくりと量を減らし続け、3か月かけてゼロにしました。すると1か月も経たないうちに劇的に症状が軽くなったのです。これは、ある本で知った事実を実践したものです。ですから、根拠が無いわけではありません。結果は大成功でした。今日の私はすっかり回復してしまいましたよ。

とはいえ、一番の薬はまず「あなたの鬱の原因」から遠ざかる勇気なのですがね。


本日の結論
加藤和彦さんが届けてくれた多くの音楽に感謝して・・・合掌。

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