基板的進化話


2009年07月26日 こんな材料も進化するのですね!



「調査開始です」

エフェクターを作る際に、最初に必要となるのが「回路基板」です。いくつかの作り方があるのですが、私が取り入れている方法は、ポジ感光基板に自分で回路パターンを焼き付けて作るものです。

やり方は、まず暗い部屋で生感光基板に回路マスクを乗せ、紫外線に当てて回路パターンを焼き付けます。それを現像液に浸して回路以外の部分の感光材を洗い流します。これで回路パターンが浮かび上がります。さらにそれをレジスト液に浸け、15分〜30分待つと、回路以外のいらない部分の銅が溶けて、回路が出来上がります。水洗いして仕上がりです。私は1枚の生感光基盤に4つの回路を作りますので、配線に必要な穴をドリルであけた後に4つに切り分けて形を整えます。仕上げに電子パーツをハンダ付けして終了です。


水洗いした直後の基板

作り始めた当初難しかったのが、紫外線に当てる時間の目安です。何度もテストしてほぼ感光時間はつかんだのですが、生の感光基板は製造してから時間が経つと徐々に反応が鈍くなってきます。それによって感光時間を調整しなければなりません。つまり生基板は本当に「生もの」ってことなんです。今まで使っていた生感光基板は6分〜8分程度、太陽光線に当てるか紫外線ランプに曝していました。

ところが、最近になり生基板の在庫が切れたので久々に購入しましたところ・・・。仕様が変わっていたのです。新しいものは感光時間がかなり短縮されていたのです。なんと2分前後で感光は十分であると。商品名の頭に「クイック」の文字が見えますね。


左は古いタイプ 右が新しいタイプ

さっそく新しいタイプの焼き付けを行ってみましたところ、確かに2分程度でしっかりとしたパターンが完成いたしました。気のせいか、回路の残り具合もクッキリ度が上がっている気もします。作業時間が少なくて済むということは、作業効率が上がるのですからありがたいことです。ですが・・・数個単位で作っているときはこれでもいいのですが、毎月数十個単位の製造になってくるとそろそろ基板作りもかったるくなってきましたね。そこで、そろそろ基板の製造だけは外注しようかなと考え始めました。

自分で基板を作ると安くできるかと思えばそうでもないんです。生基板以外に現像液、レジスト液、さらに基板の穴あけ、切り出し整形作業がありますので、コストも時間も結構かかるんです。一番辛いのは、レジスト液の廃液処理ですね。これらをまとめてやってもらえるのであれば、少々コストがかかっても外注した方が楽なんですが・・・。

そんなわけで、これから外注の調査開始です。


本日の結論
果たして単価はいくらになるのでしょうかね?

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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