意匠的効果箱
2009年02月15日 まずはケースからデザインを!!!


味気ないケースをどうしましょ?

「ついつい徹夜してしまうんですよね!」

前回の続きです。

イギリスにオーダーしたエフェクターはまだ手元に届かないのですが・・・。前回もご紹介した通り、送られてきた画像では実にさっぱりとしたデザインに仕上っています。今まで私の造ってきたものと比較すると、あまりにも装飾性がないので、なんとかせにゃあアカンなあと思っていたのです。

で、さらにこいつの回路を参考にして自分なりに解釈した御新規エフェクターを「燦駆動」として完成させようと考えております。FUZZ系なのですが、なかなか試作が上手く行かなくてここ数ヶ月悩んでおりました。こうやって成功しているブツがあれば、私が疑問に思っていた部分が現物でどのように処理されているのかが分かります。ここから先は早いと思いますが・・・。

さて、そこでその前に1つ片付けておかなければならない事がありました。それはMr.Henry Kaiserの存在です。イギリスから取り寄せたこのエフェクターは、Hernyの薦めによって私はオーダーしたのです。それはそれで良いのですが、私としては「俺ならこう解釈したぞ!」と私なりのオリジナルものを造り上げてMr.Henry Kaiserに送りつけ、イギリスモノと勝負を挑みたいのです。ウケればそれで結構!はたまた花と散るのも日本男児として覚悟の上!

そうなると私のプロトタイプ製作は回路を造り上げる前に、まず見た目から入るべきですなあ。ターゲットはMr.Henry Kaiserただ一人!彼のウケを確実に狙うためには、相手の好みを研究する必要があります。そこで今までの彼のメールから読み取れた情報を私なりに解釈すると・・・。

日本の古い怪獣映画が大好きであること。日本が大好きで25回以上日本に来ていること。そして彼は銀座を歩く度に「あああ・・・1957年にゴジラが上陸して来たとき、この街を踏みつぶして行ったのだなあ!」といつも感慨にむせぶと言っていました。そこで、私がテーマにしたのは「ゴジラと銀座」でありました!

彼が思う銀座は昭和30年代の銀座の街並です。そこで1つ情報が。今年になり、某おもちゃメーカーが昭和30年代の銀座を再現したジオラマを発売するというニュースが流れたのです。しかもそのニュースが流れて直ぐにHenryから「こんなものが発売されまっせ!」とメーカーのWEBのURLを送ってきたのですよ。彼も好きですなあ〜!で、その画像は以下のようなものです。昭和30年代の銀座をデフォルメして凝縮した感じです。当時の音楽が流れ、街のノイズもあり、都電も走ります。雑踏に行き交う人々もザワザワと動きます。結構な値段なのですがね。


では、この画像を使って具体的なデザインに入りましょう。途中は省きますが、デザイン作業は結局徹夜作業となりました。TOPのデザインも何タイプか作り、プリントアウトして実際にケースへ貼り込んで確認しました。これがバカにならない回数です。試行錯誤を繰り返してようやく明け方に最終デザインが決まりました。それからケースを削り位置合わせを・・・。著作権がウンヌンという話は言わないでさい。個人的に1個だけ造って楽しむだけですから。完成したデザインは以下のようなものです。


銀座の街並は当時のイメージとしてモノクロにしました。なんとなく映画のタイトル風です。問題はTOP面ですね。すでにこの画像でうっすらと見えていますが、以下のように完成しました。実はケースの加工はかなり精密にやらないと、このようには出来上がらないのですよ。それは何故でしょうか?まずは下の画像にカーソルを乗せてみて下さい。理由が分かるはずです。

分かりましたか?スイッチ踏むとゴジラの眼が赤く点灯するのです。ゴジラの眼にはLEDを仕込んでありますが、LEDのサイズとゴジラの黒眼のサイズは一致しないので、見える部分の穴のサイズと、裏側のLEDをホールドする部分の穴のサイズは違っているのです。なおかつ、表面に微妙にLEDの頂点が出るように調整しつつ、ゴジラの眼とケースの穴の位置が0.1mm単位でズレが出ないように仕上げなければなりませんでした。少しでもドリルでのケース削りがブレるとそれで使い物になりません。でも、こんな職人っぽい作業が楽しいんです。ついつい徹夜してしまうんですよね!


これが私に届くはずの中身です。

今回の作業で悩んでいたところは「マイナス電源」の入力によるワイヤリングです。トランジスタにPNPタイプのゲルマニュウムを使用する都合で、-9v入力して+9vをGROUNDにしなければなりません。この構造がどうも私にはしっくり来なくて、頭が混乱してしまうのですよ。スイッチ周りのワイヤリングが今まで造ってきたものと変わってしまうので、その辺りも単に真似するのではなく、今後のためにもキチンと理解しつつ納得しながら造り上げて行かなくてはなりません。完成までもうちょっと時間がかかりそうですね!



本日の結論
てなことで、内部の回路製作の話は次回へ持ち越しです!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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