試奏的燦駆動
2008年07月10日 いよいよ審査の日が来た!


こんな戦いが繰り広げられたのだ!

「判定者3名の総合的判断をまとめると」

禅駆動の製作と同時進行で温めて来た次期プロジェクトが「燦駆動」である。一度FUZZを作るのに使ってみたネーミングだが、どうも出来上がりが思ったこととは違う方向性だったので、そのプロジェクトは1個製作しただけで消滅してしまった。1個だけ作ったプロトタイプのFUZZはASAHIさんが気に入ってくれたので差し上げてしまった。ということで「燦駆動」という名前はそれっきり消えてしまうかと思われていたのだが・・・。

少し前に開発を開始した「CJOD」の方向性を持つオーバードライブのプロトタイプが出来上がった際に、サウンドがCJODよりももっと派手でキラビヤカな感じがするので、新しいネーミングが浮かばなかったこともあり暫定的に「燦駆動」を採用してみた。ネーミングというのは不思議なもので、ふさわしい名前を付けると相乗効果でよりその個体の特徴が印象づけられるものだ。

新「燦駆動」はプロトタイプが出来上がったものの、いつも試奏をお願いしている是永氏が忙しくてなかなかそのチャンスが訪れなかった。その間、私は回路を少しいじくり回したり、それに合うオペアンプのテストを繰り返し自分なりの試奏を行っていた。この作業にはもう一つの意味がある。実は「禅駆動」で採用しているオペアンプは1980年代のものなので手に入れるのが難しい状況がある。そこで「燦駆動」にはいつでも手に入る現行品を採用したかったのだ。

現行品と言っても1個40円から数千円まで価格の幅がある。オリジナルのCJODで採用されているオペアンプは480円程度の商品なのだがそれと同じものを採用する気は全くないし、同じサウンドを目指すのは意味が無い。あくまでもオリジナルサウンドを目指すのだ!

そんなやさき、名古屋の禅駆動ユーザーである塩屋さんが仕事で上京されることになった。そして是永氏のお宅に遊びにいかれると聞いた。よし!それに便乗しようではないか!私はいくつかのオペアンプ有力候補を選び出し待ち構えた。そして、7月8日夕方、塩屋さんは当家に現れた。私をピックアップして是永邸へ向かうためである。その前に先ずは、気になっていた「Ceriatone 」の試奏をたっぷりと繰り広げる塩屋様であった。充分堪能したところで出発!

20分後是永邸に到着して、是永様とともにそこに待ち構えていたのは「Ryo」さんであった。彼はプロギタリストである。機材マニアとしても有名なのだ。今回は比較対象用にオリジナル「CJOD」と「LAND GRAFF」を持ち込んでいただいた。塩屋さんが持ち込まれたのは「ブラックマーケット」と呼ばれている「怪しいCJODクローン」だ。

先ずはオリジナル「CJOD」を是永氏が弾いて基準となるサウンドの確認だ。なるほど!これがオリジナルのサウンドなのだな!私が予想していたサウンドではあったが、実は私が当初「燦駆動」を組み上げた時にはこの感じに近かったのだ。しかし、私の好みではなかったので、すぐに修正に入ったのだ。方向性としてはもっと抜けを良くしてキラビヤカな派手目のサウンドでGAINはやや抑えめだね。

次に「怪しいCJODクローン」のチェック。かなりオリジナルに近い。セッティングによってはほぼ同等のサウンドが飛び出してきた。オリジナルCJODは回路が樹脂で塗りつぶされていてまったく分からないようにしてあるが「怪しいCJODクローン」は中身が丸見えである。オリジナルと全く同じ回路であると言う。オペアンプも同じものだね。以下の画像がその中身だ。

以上2機種の試奏を終えて、いよいよ次は私の「燦駆動」の番である。ところが、その時点で私の体調が変化を始めたのだ!なんだか心臓がドキドキするのを感じた。明らかにアドレナリンが急激に噴出している!おおお〜〜〜久々に感じるドキドキ感だ!この3年間は鬱のために「興奮」するという感覚をすっかり忘れ去っていた私なのだが・・・く〜〜〜っ!さあかかってらっしゃい!

「燦駆動」のチェックが始まった。先ずは是永氏が弾きはじめたとたん「おおっ〜〜〜!!!」と反応あり!プロトの初号機でこのサウンドはイケてる!との発言があった。派手目で「燦駆動」にふさわしいキラビヤカさがあるとの判断だった。「ハイが早く感じるので、もっとローを出したい・・・」と言われたが、私には具体的な対策方法がすぐには浮かばなかった。

その後も詳細なサウンドの分析が繰り広げられたが・・・。

「GAINポットはAカーブにして欲しい!」とも言われたが、実は「燦駆動」を作るにあたって当家の在庫パーツだけで組んだのでBカーブしか手持ちが無かったのだ。本来はAカーブを採用したかったので、的確なご指摘である!これは交換するだけでクリア出来るから問題無し!

ここからは、私が持参したオペアンプ数種類を取り替えての採用オペアンプ決定戦である。5種類のオペアンプを交換しつつ、元に戻しつつ繰り返した結果、全員が納得したものはオペアンプを2段組みにした現行商品だった。これならいくらでも手に入るので全く問題ない!是永氏いわく「ブティック系のサウンドになった!」との評価だった。このオペアンプによってローも出て来たようだ。ということは回路的にはもう手を加えなくても良さそうだね。

「燦駆動」プロトではキラビヤカさを出すためにケーブルをすべてベルデンにしてある。これはこれでありなのだが、もう少し落ち着きを出してみたいとのリクエストで、2号機ではビンテージワイヤで組んでみることにした。これでようやく完成形のイメージターゲットが絞れて来た。高級パーツを再度発注して近いうちに組み上げることにしよう!7月中には完成するだろうか!

などと結論づけた段階で、既にその場に集まっていた3名からは「僕の分を作ってね!」と早くもオーダーが入っているのだ!あきれるばかりの皆様のマニアぶりである!判定者3名の総合的判断をまとめると以下のようになった。

「燦駆動」はCJODよりも派手目のサウンドである。
「燦駆動」はブティック系サウンドに仕上った。
「燦駆動」は「禅駆動」ユーザーの半数以上がきっと欲しがる。
「燦駆動」と「禅駆動」を繋いで「禅駆動」をブースターとして鳴らすとかなり良さそうだ。
「燦駆動」と「禅駆動」2回路入りの新商品も期待が大きい!仮称「斬駆動」か?

再度、是永氏チェックを経て「OK!」が出たら製作開始だ!
まずは10台分の材料を昨日発注したぞ。完成まで今しばらくお待ちいただきたい!


本日の結論
量産用のプリント基板もようやく10台分出来上がったぞ!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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