拓郎的涙映画
2007年07月11日 土産にもらった〜さいころ二つ〜♪

このギターも重要な登場アイテムである!

「二人分2千円ポッキリで」

私が1973年から約30年間務めていた会社は本来CM制作会社だが、今はエンタテイメント部署があり映画も作っている。現在私が勤めている会社の親会社であり、CM業界ではトップクラスの会社でもある。

その会社がこの秋に公開する予定の最新作映画「結婚しようよ」の試写会が07月10日にあった。製作関係者であり、なおかつ出演もしている登録会員00079大原様からご招待があり、五反田のイマジカ試写室に妻を伴って出かけたのであった。この映画への予備知識はまったくなく、全編にわたり懐かしい歌が流れるとの情報だけがもたらされていたのだが・・・。

「結婚しようよ」といえば、かつて1970年代に大ヒットした吉田拓郎の歌である。♪〜僕の髪が〜肩まで伸びて〜君と同じに〜な〜ったら〜約束通り〜町の教会で〜結婚しようよ〜♪・・・と、私はこの歌がヒットしていた頃に、この歌詞の通り長い髪をして町の教会で結婚式を挙げたのであった!私にとって「神田川」と「結婚しようよ」はワンセットの落涙回顧フォークソングなのである!

試写当日はあいにくの雨模様となったので、妻と車で出かけた。かつて毎日のように仕事で足を運んでいたイマジカだけに、駐車場の状況もわかっていたので問題ないだろうと車で行ったのだ。現地に着いてみると案の定、試写会場の目の前にあるスペースが空いていた。迷わず駐車。試写室には懐かしい顔が何人か来ていた。その中にはかつて一緒にバンドをやっていた仲間もいた。

映画が始まればそこには1970年代回顧の歌が全編流れていた。メインで流れるテーマ曲は「落陽」だ。主演の三宅祐司の真面目な父親像と2人の娘(女子大生)の対比が、現実に同じ年ごろの娘を持つ親としての私の感情を揺さぶるのであった。内容についてはこれ以上詳しく書かないほうがよいだろう。これからご覧になる方々のためにネタばらしになるのでね。ラストの感動を味わうためにも、予備知識なく観たほうが良い映画だと思うな。

ちなみに一か所、私たち夫婦だけが感情移入出来るシーンがあったので書いておこう。中盤に医師が登場するシーンがある。医師は青い手術着を着用していたのだが、演じていた役者は「中村育二」さんである。このシーンにハッとするものが当家夫婦にはあったのだ。


中村育二さん

いまから3年ほど前だろうか、当家の娘が内視鏡手術をした。港北ニュータウンにある某有名大学病院での緊急手術だったのだが、その際に私たち夫婦は手術担当医師から「インフォームドコンセント」を受けた。手術の危険性について事細かに説明を受け、それを承諾するための手続きである。

そして、医師の説明を聞きながら私は「この先生は中村育二に似てるなあ〜!」と思っていたのであった。髭の具合、目のぐりっとした感じ、骨格、それらがとても似ていたのだ。妻もそう思っていたのだった。娘の緊急事態にもかかわらず、そんなことを考えていた当時の私だった。それが3年経過した今になって、突然スクリーンの中で再現されているのである!思わず「そういえばあんなこともあったな・・・」と感慨深くなってしまうのではないか!

映画「結婚しようよ」を観て私はその最中に4回は涙を流した。ただ、涙を流すにはそれなりの条件があると思う。その条件とは以下のようなことだろうな。

● 1970年代に恋人と青春を過ごした人。
● 1970年代初頭に貧しいアパート暮らしをしていた人。
● 吉田拓郎の歌を歌詞カードなしでほとんど歌える人。
● 現在、結婚前の年頃の娘を持っている人。
● かつて自分の結婚式を挙げられなかった人。
● かつてフォークギターを買ったことがある人。
● 子会社に出向させられたことがある人。

このなかで、4つ以上当てはまれば確実に涙を流すことになる映画だ!3つでも十分に泣ける気がする。この映画は「ダイハード4」のように派手なアクションがあるわけでもないし、銃撃戦もまったく出てこない。事件と言えるような出来事も起こらない。どこにもありそうな、いたって平和な日本の家庭の話なのである。しかし!このようなぬるい映画であっても、団塊世代のオジサンたちは見事に泣けるのである!

日本映画はあまり見ないと言い張っているそこの50代のあなた!秋になったら奥さんを連れて観に行きなさいね!夫婦どちらかが50歳を過ぎていれば、50歳割引になるので二人分2千円ポッキリで観られるぞ!

本日の結論
映画の中で、風呂屋の煙突に「旅の宿」と書いてあるのを発見した。スタッフのシャレだろうか。

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