極小的歪増幅
2007年04月26日 さらにこんなものを・・・!


「もうひと組で仕上げるという計画」

人は行動を起こすとき、何らかの情報を集め分析し「これならいける!」と判断し成功を予測する。ただし「いける確率」は人によって違っているものと推察するが・・・。成功率50%あれば行動開始する人もいれば、成功率80%以上ないと動けない人もいるだろう。さて、そこで成功率不明の場合はどうだろうか?人は動きだすものだろうか・・・?私は事前の調査なくして無謀にもとりあえず動き出してみたのである!

先日来、簡易アッテネータや小出力アンプを家庭内に転がっている廃棄物やジャンクの再利用で作り出していたのだが、ふと気になる存在が目に入った。このギターアンプをご存じだろうか?「SMOKEY AMP」と名付けられたとても小さなアンプである。又しても当家の机の中に転がっていた品だ。

パッケージには市販の煙草の箱が使われている。ポケットの中に入れておけば単なる煙草にしか見えない。さらに、このパッケージは着せ替え自由なので、自分の好きなたばこの箱に入れ替えればオリジナルデザインとなる。けっこう有名なミュージシャンたちもシャレとしてポケットに忍ばせているという話だが・・・。

「SMOKEY AMP」は0.75w出力で006P電源である。小さなスピーカーが付いているのでギターから入力するだけでバリバリのディストーションサウンドが飛び出してくる。さすがにこのスピーカーサイズでは無理があるので出音はチープにならざるを得ない。

こいつには電源スイッチが付いていない。入力ジャックそのものがスイッチも兼ねているのだ。「SMOKEY AMP」にはコントロール系も全くついていない。ボリュームさえ付いていないのだ。入れて歪ませて出す!それくらいシンプルな構造である。音量の調節はギターのボリュームに頼るしかない。

ただし「SMOKEY AMP」には外部出力端子が付いている!外部の大きな8Ωスピーカーをつなげば豊かなディストーションサウンドが楽しめるのである。出力が小さいので自宅の部屋で鳴らすのにちょうどよい音量だ。また「SMOKEY AMP」は外部アンプの入力につなげば、ディストーショナーとしても使える。つまり3種類の使い方ができるアイテムなのである!

1.自立型小出力ギターアンプ
2.外部スピーカー利用の小出力ギターアンプヘッド
3.エフェクターとしてのディストーショナー

スモーキーアンプは、有名なカスタムギターアンプのデザイナー、ブルーズジンキーの長年のアイデアを凝縮したクールで本格派のミニギターアンプです。そのサイズからは想像できない強力なディストーションサウンドは、ローリングストーンズ、ZZトップ「ビリーギボン」、コーン、オフスプリングなどがレコーディングに使用しているところからも証明済み。違いがわかるギタリストならポケットに忍ばせたい逸品です。
外部出力からギターアンプ、スピーカーキャビネット、レコーディングラインへつなげば、ディストーションユニットとしても使用できます。
市販のタバコの空き箱をリサイクル材としてボディに使用していますので、デザイン・バリエイションは非常に豊富です。

さて、これを踏まえた上で私が起こした行動とは?

この小さなボディーにいったい何が詰まってるのだろうか?と私は気になり始めたのであった。いったいどれほどのパーツで構成されているのだろうか?男子たるもの「分解こそ命!」と子供のころから決まっているのである!気になったらバラさないわけにはいかない!

ボルト3本をはずして中身を取り出してみると、電池とスピーカー以外は驚くほど小さな基盤に収められたパーツであった。メインとなる電子部品はICチップ1個とコンデンサ2個だけである。たったこの3個だけで動作しているのだ。少ね〜〜〜!!!残りのほとんどの空間は、入出力用のジャックが大きく占めている。これは物理的に省けない空間容量だな。

使われていたICチップには386D JRC 8154Jと表記されている。コンデンサには16v47μFと表記されていた。ふむふむ、そうなると、これとおなじ性能を持つアンプをコピー製作するためには、とりあえず同じパーツを集めればよいことになる。だが、スピーカーの内蔵をやめ外部利用だけにすることしたら、以下の部品があればよいことになる。

1.電池006P+電池スナップ各1個
2.ICチップ1個 386D JRC
3.コンデンサ2個 16v47μF
4.出入力用ジャック2個
5.配線用線材、半田 適量

さあ!もう御分かりだろう!私はまったく電子工学の知識もなく、そもそもICチップがどのような意味があるのかも分かっていないのに、ソリッドの極小アンプヘッド作りに手を出そうとしているのである!しかも基盤を使わずにPtoPで仕上げてみようと無茶なことを考えてしまったのだ!そして、予備知識もないのにいきなり盛り上がってしまい、パーツを秋葉原の通販パーツ屋に注文したのである!この先すべての頼りはWEB上に転がっている情報だけ!早くも電子パーツは昨日届いてしまったし、もう後には退けない私なのである!


こんなパーツを注文してみた。

まず最初に手に入れた情報でこのICは通常「オペアンプ」と呼ばれるものであると判明した。オペアンプには回路の構造上、ダブルとシングルがあり、386Dはシングル仕様であると判明した。ギターアンプは基本的にモノラルなので、386Dで問題ない。次に手に入れたのはICチップ端子の意味だった。8本ある足はそれぞれ使い道が決められている。図解されているページを探しまくった。同時に意味も手に入れようとしたのだが・・・。なんということだ!説明文が理解できないのである!

■概 要
NJM386は,低い電源電圧で動作するように設計されたパワーアンプです。外部部品を極力少なくするために,ゲインはIC内部で20倍になるようになっていますが,外部に抵抗,コンデンサをつけることによって200倍までのどの値に設定することも可能です。入力端はグラウンドとの比較の形になっており,かつ出力は自動的に電源電圧のおおよそ1/2になるようになっています。無負荷電流は電源電圧6Vで24mW位と非常に小さいので,バッテリー動作に最適のパワーICです。


もう一つ利点として、アンプの増幅度を調整できる点があります。上図のまま使いますと増幅度は26dB(約20倍)ですが、1番ピンと8番ピンの間に10μFのコンデンサを接続すると増幅度は46dB(約200倍)となります。1番ピンと8番ピンの間に10μFのコンデンサと抵抗を直列につないだものを接続すると、抵抗値によって増幅度を可変させることが出来るようになります。

で、どうしろというのだ?この回路図では、私が目にしている「SMOKEY AMP」よりかなりパーツが多いのだ!違いがよくわからん!現実には、メインパーツが3個と少ないので、順列組み合わせでやっていけばいずれ正解にぶち当たる確率はある!だが、相手は電子部品である。何度もなんども半田ごての熱にさらすわけにはいかないのだ。心強いのは現物が手元にあるという事実である!いざとなれば基盤をバラバラに分解してみれば何とかなるだろう!(ね?まったく計画性無しでしょ?)

てなことで、丹念に基盤のレイアウトを観察し、どの端子と端子が繋がれているのかを判断することにした。悲惨な結果になることも予想しているので、念のためにパーツはダブルで発注してある!ひと組のパーツでいじりまわし、すべてに納得してからもうひと組で仕上げるという計画である!

そりゃあ〜〜〜!世界で一番小さなギターアンプヘッドを目指してやるぞ〜〜〜!!!
以下、次号へ続く・・・。



本日の結論
386Dの小売価格は80円〜100円程度である。すんげえ安いと思わないか?

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