聖菓的自家製
2006年12月25日 その昔、両親がケーキを焼いた!


「それは私の本意なのか?」

駅前ではクリスマスケーキの立ち売りが真っ盛りのはずだ!しか〜〜〜し!私は今、自宅療養中なので、クリスマスでも出歩くわけが無く、駅前を通過する事も無いのでそのような豪華なケーキを直接目にする事も無い。当然ながら買い求める事も無い。せいぜいコンビニでちいさな2個セットのケーキを買う程度である。

今ではクリスマスにはデコレーションケーキを用意するのが、日本の標準的家庭生活の姿となっているが、この習慣は、某菓子メーカーの戦略による全国制覇の結果である事実は皆さまご存知の通りだ。決して宗教的信念に基づくものではない。お寺の息子も、神主の娘も今日はクリスマス・ケーキを食うのである!

で、ふと自分を振り返ってみると、私の記憶に残る一番古いデコレーション・ケーキ体験はいつだろうか?あれは・・・さかのぼる事47年前だろうな・・・私が小学1年生又は幼稚園時代の記憶があったぞ!当時、当家の台所では薪とお釜でご飯を炊いていた。ところがある日、当家に電気釜がやって来たのだ!文明開化である!世の中にようやく電気釜が普及し始めた頃の出来事だ。

当時はご飯を炊くだけではなく、電気釜でスポンジケーキが焼けるというのも売りだった。そこで両親は企てたのである!自家製デコレーションケーキを作ろう!とね。父は無宗教だったので、この行為は宗教に影響されてのものではない。単なる世の流行であった。やがてクリームの絞りがねを買いそろえ、バターを買い、スポンジケーキを焼き、いよいよクリスマス前夜がやって来た。

この当時のケーキは、今のもののように生クリーム主流ではなかった。こってりとしたバタークリームのヘビーなものだった。当然、当家でもバタークリームを作る事になった。ボールに入れた材料を泡立器で父がホイップするのだがなかなかうまく行かなかった。泡立たないのである。クリーム状にならないのである!そこで考えた。これは室温が高いからではないのか?そこでボールを抱え、寒風が吹き付けていた縁側に出てクリーム製作を続行したのである!その直後、バターは見事にクリーム状となり無事にケーキの材料が揃ったのだった。

残念なことに、ケーキ完成形は私の記憶にまったく残っていない。かといって写真を撮った記憶も無い。いったいどのようなケーキだったのだろうか?気になる結果ではある。その後、数年間は自家製ケーキを作っていた記憶がある。やがて時は流れ、私が上京しアパート暮らしをはじめた最初のクリスマスに、ふと思い出し電気釜を使ってスポンジケーキを焼きデコレーションケーキを作ってみた。大した出来ではなかったがそれはそれで満足だった。就職してからも、イベントがあると何度かはケーキを焼いてプレゼントしていたなあ・・・。

今はもうそんな気力が無いので、自宅でケーキを焼く事も無くなった。当たり前だが、明らかに買って来たケーキの方が美味いからでもある!さらにピースでいくつか買えばバリエーションも楽しめるし。それにしても、売っているケーキって高くない?私の感覚が古いのだろうか?一切れが500円すると「スンゲエ高い!」と感じてしまうのだ。ホールで買うにしても5千円とか値段がついていると手が出せない感じだ!貧乏人根性丸出しの私である!

それよりも問題は「本当に私はクリスマスにケーキを食べたいのか?」だなあ。結婚記念日とかクリスマスとか、イベントごとにケーキが出現し、当たり前のように食べているのだが、それは私の本意なのか?私が持っていた欲求なのか?なんてな事を考えているようじゃ美味しく食えないか!パテシエの皆様!今年もまたおいしいケーキをありがとう!





本日の結論
とは言え、結局今年も地味にケーキを食べた!

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