六弦的新入荷
2005年07月11日  どの部分に惚れたのか?


Kraken Flagman Custom#0510047


「プライドをくすぐるんだよね〜!」

私たちが若い頃は明らかにギブソンやモズライト、フェンダーがあこがれのギターだったが・・・。PRSのように最近の若者が憧れるギターブランドもある。確かに造りが均質でしっかりしているいい出来のギターだが、いつの間にかあまりにも周りにあふれすぎた感が有る。ヴィトンのバッグみたいなもんか・・・。だが現在は無名でも私が憧れるモノはあるのだ。ブランドモノでなくても早く触ってみたいと思わせるギターは存在していた。

そのギターは、ずいぶん前から画像で見ていた。シンプルでありながら上品な派手さがあった。こくが有るのにキレがあるといった風情か?手に取ってみたい。いや!手に入れてみたい!そう思わせる何かがそのギターに漂っていた。通常であれば、楽器は手に取ってサウンドをチェックし納得してから買うものだが、今回は最初から手に入れることを前提で予約話を進めていたのだ。

Kraken Flagman Custom #0510047これがそのギターの名称である。一般的には全く知られていない機種だ。このギターの存在が情報として届けられたとき、まだ工房で出来上がったばかりだった。数枚の画像だけが届けられた。その画像が醸し出す「妖気」に私は魅せられてられて行った。そして、現物が手元に届くまで約1か月かかった。7月9日の夕方、私は現物を目にすることが出来た。いつもお世話になっているストリングネット社で手に取ったのだ。

実物を初めて目にしても感動は無かった。既に長期間画像で見続けていたからだ。そこに存在するのが当たり前の感覚だった。まずはチューニングしてみた。弦アクションは低く弾きやすい。ボディーはちょっと重めか?計ってみたところ3.8kgバランスは悪くない。マホバックに1.7mmと厚めのキルトメイプルトップ、エボニー指板、と私の一番好きな組み合わせだ。ネックはマホとローズウッドの5ピースだ。太めでがっしりとした握り心地。

ボディートップは不規則な3Dキルトがうねうねと見える。その合間に黒い筋が走り回っている。他のメーカーでもなかなか出くわさないレアなTOP材だ。私はこのTOP材が気に入って手に入れようと決心したいきさつがある。さらに指板のインレイも特徴があった。シェルで精密に造られた細いアイビー模様だ。繊細なデザインが美しい。この細さだとツリーオブライフにありがちなギターを弾く際の指板のうっとうしさを感じない。

ネックはタイガーメイプルでトリミングしてある。ボディー周辺にはなんら装飾が施されていないが、キルトメイプル材の断面が面白い模様を見せている。コントロールキャビティーを開けてみると、コンデンサはオレンジドロップが取り付けてあった。私がこのメーカーに提案しておいたのだが、ちゃんと実行されていた。嬉しい配慮である。ちなみにピックアップはメーカーオリジナルだ。ハムとシングルが切り替えで出せるようになっている。

サウンドは輪郭がはっきりした感じがする。ハムバッキンもシングルも面白い。癖の無い素直なヌケのよいサウンドと言った感じだ。ネックは弾きやすいのだが、3弦ネック中央部でややビビリを感じるので、弦高のベストポジションをもう少し調整しいじくり回して、私好みに育てて行けば結構御気に入りになりそうな要素が多いギターだ。現在このギターは同じ仕様ものは他に存在していない。オリジナル1本ものだ。他人がだ〜れも持っていないギターであることがプライドをくすぐるんだよね〜!

どなたでも、当家に遊びに来られればこのギターをいつでも試奏していただけるようにしておくので「Kraken47を弾きたい!」とご遠慮なく御申し出でいただきたい。


本日の結論
また買っちまったのかよ〜!

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