総会的牛乳談

2005年06月29日 一気に飲めばそこからさきには!



「ご質問はよろしいでしょうか?」

今年もまた株主総会の季節だ。蒸し暑いのに朝早くからスーツに身を包みネクタイを締めて出撃するのである!「クールビズ株主総会」ってのはないものか?株主総会参加者は大きく分けて2つである。会社側と株主側に分かれるが、私は会社側の一番隅っこに身構えるのであった。ということは、なんらかの質問が株主側から出された場合、その回答が私のジャンルであれば答えなければならない立場なのである。

いつもより1時間20分早く家を出た。総会は10時からであるが、参加者は遅刻するわけにはいかない。8時半には会社に着いてじっくり待ち構えるのである。だが・・・このとき私はある恐ろしい事態が引き起こされることをすっかり失念していた。

このところ朝は10時出社のため、安定した出勤状態だったのだが、久々に1時間20分早く家を出たためにあの「通勤便意地獄」が待ち構えている可能性がある。それをすっかり忘れていたのだ。まずは順調に家を出て妻の運転する車で駅に向かった。雨でしかも出勤ラッシュ時間帯なので、駅への道はやや渋滞状況。約5分のロスである。

駅に駆け込んでみれば、すぐに電車がやって来た。順調である。満員電車にぎゅうぎゅう押されながら乗り込み身を固くしてじっと耐える。蒸し暑い電車内だ。そのまま無事に渋谷駅まで着き、山手線に乗り換えた。これまたスムーズであるが、さすがにラッシュ時間帯だ乗客の圧力を受ける。

ドアが閉まったそのとき冷房の冷たい風が私を襲って来た。吹き出し口がすぐ頭の上に有る。おっと!冷えすぎるぞ!と思った瞬間下腹部に急激に動きが現れ始めた。ギュルルル・・・おっと・・・いけねえ!突然の便意である。冷房で腹を冷やされたか?かなり強い内圧である!しばらく耐えた。

ここはまだ「えびす」だ。会社まで15分はかかる。さらにぐっと肛門を絞めて対抗してみた。が・・・が〜〜〜!!!内圧の方が勝っている感がするのである!いかんいかんぞ〜〜〜!!!はみ出そうになるのをぐっと押さえ込み脂汗を流すのである。ここで溶岩流を流しだせば、私は着替えている暇はないのだ。そのまま糞臭を身にまといながら株主総会に突入しなければならないのだ!そんなことが出来るわけは無い!末代までの恥である!必死の形相で肛門括約筋に力を込めるのである!

出がけに最後に一気のみした冷たい牛乳がいけないかったのだろうか・・・。と、後悔してももう遅い。現実は待った無しなのだ。やがて目黒を通過、まだまだ内圧との戦いは続いていた。が五反田にさしかかったあたりで急激に抵抗勢力は、その攻撃力を弱めたのである!おおお〜〜〜!!!このまま行けばなんとかなる!下車駅大崎駅のトイレを探せば何とかなるぞ〜〜〜!!!

で、大崎に着くと、抵抗勢力はさらに衰退を見せていた。すっかり便意消滅である!たすかった!このまま会社へ一気である! 会社内に入ってみると、まだ就業時刻遥か前なので、電気もついていない。とりあえず今のうちにトイレに駆け込もうとした時だった!おおお〜〜〜!!!トイレの前にはお掃除おばさんが道具を手に立っていたのだ。入れね〜ぞ〜!!!まさに男子トイレの清掃真っ最中だったのである!どうする?どうなる?ううう・・・思い切ってお掃除おばさんに頼み込んだ!「お願いトイレを空けて!」涙眼で哀願する私におばさんはこころよく「どうぞどうぞ!」と清掃を中断し明け渡してくれたのだった!ふうう〜〜〜。至福の時間経過5分・・・。無事に当初の目的は達せられたのであった・・・。私はこのギリギリの戦いに勝利したのだ・・・。

とは言え、最近飲んでいる薬の副作用でやや便秘気味なので、このような突発事態によって腸内がすっきり洗い流されるのは嬉しい出来事でもあるのだ。からだが軽くなった気がする!で、トイレから出て気付いたのだが、久々に着ているスーツの腰回りがゆるゆるになっていた。ズボンが下がり気味となる。ベルトの穴を最小にして少し足りない感じだ。ううう・・・やつれたのか?

さて、気を取り直して株主総会会場へ向かおう! 現在の株主総会は「開かれた株主総会」であり、昔のように社員株主総出で質問を大声で封殺するような光景は見られない。むしろ「ご質問はよろしいでしょうか?」と積極的に議長が株主へ質問を誘うのである。これは、経営が上手く行っている会社の株主総会の話だ。

だが、世の中にはトラブルを抱えた会社も有る。そのような会社では株主たちの質問攻めが始まると会場は怒号と化すのである。 議長は当然のようにその会社の社長が担当する。一年で一番社長が緊張する日がこの日である。下手をすると「役員全員解任!」などの動議が出される可能性があるからだ。動議が出されたら採決しなければならない。出席株主に賛否を問わなければならないのだ。常識的にはほとんどありえないが、議長は自分自身がクビになる採決をしなければならないシーンだって論理的には起こりうるのだ。

株主総会は商法的に定められたイベントである。株式を上場をしているからには決算後3か月以内に開催しなくてはならない。日本では3月末が決算の会社が多いため、決算事務を行い、諸々の手続きを取りつつ株主総会の準備を整えるとちょうど6月末がその次期にあたるのだ。株主総会集中日は避けようにもさけられない3か月以内開催のギリギリの次期なのである。

参加されたご経験が無い方は株主総会を一度覗いてみると「こんな世界も有るのか〜!」と大人の世界をかいま見ることになる。特に若い方でチャンスがあれば覗いてみることだ。そのためには「株主」になる必要が有るけどね! で、株と言えば配当である。昔は銀行金利より安い株の配当であった会社もいまはかなりの配当を出すようになった。私の持っている株は現在の銀行金利より高い配当となっている。つまり、銀行に預けているよりは実入りが良いのだ。ただし、株はミズモノである。元本保証は無いが価格が上下してこその株の醍醐味である。でもぐんぐん上がって欲しいよね〜! 株価・・・。




本日の結論
出がけの冷たい牛乳一気飲みは、やめよう!


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