六弦的薔薇届

2005年04月06日 お互いに素早い対応で・・・。


McNaught VSC Rosewood Neck


「いずれすべて戻って来たとしたら」

前回からの続き!

そう!「D-45」から「McNaught」への方向転換である!だが・・・そこにはひとつの問題があった。その「McNaught」は「六弦的魔力戦」の金額ではとても落札できるとは思えないのだ・・・。若干足して切りの良い数字にしてみるのはどうだろうか?ありだろう!ついに決心して入札した!直後に私の名前が最高額入札者に躍り出た!うおおお〜〜〜そこに表示された金額に驚いたぞ!!!オークション終了まで残り10分!

私が入札する前に前の人物が入札し表示されていた金額と、私が入札後に表示された金額とはたった1000円しか違わなかったのだ!なんぢゃ〜〜〜!!!こりゃ〜〜〜!!!つまり、前の入札者は金額に余力をまったく残していなかったのだ!この時点でもまだ「六弦的魔力戦」の金額には達していなかった。嬉しい誤算である。だが、このような高額オークションがこのまますんなり終わるワケが無い!経験して来たパターンはこれから先の動きが2つに別れる。

まず「ケースその1」なら締切り5分前になり、それまで沈黙を続けて来た新たな入札者が突如登場!一気にドカ〜ンと金額を上げていくケースがある。これにつきあって行くと果てしない吊り上げ地獄に陥り、落札出来たとしても「あちゃ〜〜〜やっちまったよ・・・!」と大粒の涙を流すことになる。それを防ぐために自分の「限界予算」をしっかり認知し保つ必要があるのだが・・・。このギターでそれが起る確率は高い!というよりも、その危険な存在はすでに私の事ではないのか?

「ケースその2」は、それまで入札していた人々全員が「限界ギリギリです!」状態だったため、誰も追従出来ずあっけない程簡単に終了するケースである。出品ギターに対しどれほどの思い入れがあるかで個人の限界はおのずと決まるのだが、一般的に入札額が40万円を過ぎると対立できる競合相手が極端に少なくなるため、このケースが多々あるのだ!

締切り5分前。誰も追ってこない。

締切り3分前。誰も追ってこない。

締切り2分前。誰も追ってこない・・・。

締切り1分前。誰も追ってこない・・・。緊張の1分間が経過した・・・。

締切られた・・・。誰も追ってこなかった・・・・・・。おいおい!マジかよ〜〜〜!!!

たぶん私の予算では落札出来ないだろうと読んでいたのだが、なんと「六弦的魔力戦」の金額より13,000円も低い金額で落札できたのである! これは McNaught VSC Rosewood Neck にとって驚異的落札金額であると思える!しかも日本の定価ベースでは「D-45」より若干高額な「新品の2005年モデル」なのだ!

さてと・・・ふと我に返り、この取り引きが今後どうなるかを考えた。出品者は信頼できそうな人物だし、商品も問題ないだろうが果たしてその予測は正しいのだろうか?かつて大失敗した「D-45」の過ちを繰り返すわけには行かないのだ!落札した直後、出品者から落札御礼のメールが届いた。そこには住所、電話番号、フルネームが表示されていた。ここではMさんとしておこう。都内在住の方だった。

まずは、軽いジャブとして「M様の自己紹介欄に私の事だと思われる記述がありますが・・・」とメール発信してみた。すぐに返事が来た。Mさんはすでにtanabe.tv を御存じであり、私が落札したことに驚いていたが、私と一度会ってみたいとも思っわれていたようだった。それは好都合である!私も直接取り引きの方が安心できるので、ありがたい。お互いの自宅も車で移動すれば1時間程度の距離である。だが・・・。

Mさんはこのところ忙しくて、すぐには手渡しの取り引きでは対応できそうにないと返って来た。それでは仕方がない。通常のヤマト便で発送してもらうしかないなあ。その後も何通かメールのやり取りを行い、4月4日(月)中に当方が代金を振込み、それが確認でき次第商品の発送をする事で取り引き方法は決定した。 その時点で、すでに商品の梱包は終えられていたようだ。

4月4日(月)午後になり、WEBバンキングで振り込みは完了した。メールでその旨の連絡をしたところ、すぐに「入金を確認しました!」とあり、さらにMさんは自宅で待機していた息子さんにヤマトへの発送手続きを頼んだようで、16時過ぎには発送が終了していた。検索用の伝票番号も添えられていたので、取りあえず到着が遅いようであれば検索できるのだが・・・。

4月5日(火)朝8時過ぎ、シャワーを浴びていた時だった。玄関先からなにやら話し声が聞こえて来た。どうもヤマト便が届いたようだ。直後に妻から風呂場の私に声が掛けられた「ギターが届いたわよ!」え〜〜〜っ???早いぢゃん!早すぎるぢゃん!昨日の振り込み時点から計算すれば、ほぼ20時間で到着した事になる!WEBで商品の配送状況を検索する暇もなかったくらいだ!ホントに届くのか?とハラハラする一瞬さえなかったのだ。実に大人の取引だなあ〜!

シャワーを終え、慌ただしく梱包を解き、ハードケースを取り出した。TKLの黒いシンプルなハードケースだ。Gibsonのようなケースのゴツさはない。ケースを開くと・・・そこには、McNaught VSC Rosewood Neck が眠っていた。ううう・・・美しい〜〜〜!ダイヤモンド・キルト・トップが朝日を受けて怪しい美しさを見せていた。ううむ・・・あまりにもあっけない感じがする。tanabe.tvとしてこれでよいのか?なにかもう一波乱起きなくてよいのか?

取りあえず、ひと鳴らししてみるか!と持ち上げたのだが、輸送の為チューニングはユルユルにしてあった。弾いて音を確かめる事が出来ない。これまたあったりまえの処置である。残念だが、もうそろそろ出社しなければならない時刻となった。そのままケースに戻し、あわてて朝食を採った。ううう・・・未練が残る・・・。



その夜、帰宅後とっとと夕飯を食ってアンプのスイッチを入れた。McNaught のチューニングを丹念に行う。Sperzel製チューナーの回転比がいつも使っているギターとはちょっと違う感じがした。ほんの少し回しただけで音程が大きく変化する。いままで弦がユルユルだったので、安定するのにちょっと時間がかかるだろうと、のんびり時間をかけてチューニングを続けた。

いよいよ音出しだが・・・すでに22時を過ぎていた。マンション暮らしでは大音量でアンプを鳴らすわけにはいかない。音が小さいとギター本来の鳴りが確認できない。残念だが週末までその魅力を確認する事が出来ない。悔しいなあ・・・。

とはいえ、小さい音でも弾いてみると音の輪郭がハッキリしていると感じられる。なんだろうこの感覚は?木の音がするという感じか?ネックのローズウッド独特のサウンドなのか?コード感もバランスがとても気持ちよい。コイルタップも搭載しているので、シングルサウンドも楽しめる。これまた気持ちよいサウンドだ!しばらく弾いていると、私にはとても弾きやすいギターである事が実感できて来た。重量バランスも程よい感じだ!

ある練習曲を弾いてみたところ、他のギターではスムーズに弾けなかったコードワークがスンナリ弾けてしまったのには驚いた!何だろう?この感覚は?もうしばらく弾き込んでもっと魅力を見つける事にするか!てなことで、こいつがいくら高いギターであろうが、仕舞い込んで眠らせる事はないぞ!弾き倒してやる!(おいおい!倒すなよ〜!)てなところで仕様を紹介しよう。

2005 McNaught Vintage Single Cut (VSC)
Indian Rosewood Neck Satin Finish
Semi-Hollow Body
Diamond Grade Maple Top with Matching Headstock
Brazilian Rosewood Fretboard
24 3/4 Scale, 22 Frets
Mahogany Body
Paua Shell Offset Block Inlays
Matching Wooden Cavity Covers
Direct Mount Rio Grande Humbuckers
Chrome Tone-Pros Bridge
2Vol/2Tone with Coil Tap
Letter of Authenticity
Buzz Feiten Tuning System採用
Stainless Steel Frets

おっと〜!Buzz Feiten Tuning Systemがインストールされていたのか!このサウンドバランスはそう言う事だったのか!私が初めて持つBuzz Feiten Tuning System搭載ギターとなったなあ!

さてと話は戻るが「六弦的魔力戦の金額」より13,000円も低い金額で落札出来た事はすでに書いたが、さらにその数字にはマジックが潜んでいた。実は「六弦的魔力戦」の愛読者であればすでに御存知だろうが、あの不良出品者「高■」に「金利も払え!」と伝え、その旨を文書にし内容証明郵便で送りつけた事実がある。そして、それを「高■」が了承し返金が毎日少しずつ続いているのだ。そこで、私が29か月前に支払った「D-45」代金の全額と、金利分がいずれすべて戻って来たとしたら・・・。

「六弦的魔力戦の金額」から「13,000円 + 金利73,800円 = 86,800円」を引いた金額が私にとっての McNaught VSC Rosewood Neck の価格にならないか?相対的に考えるとそうなるはずだが、この計算はおかしいかなあ?つまり、今回の落札価格はただでさえ劇安なのだが、私のオークション事情を加味すると・・・価格は「劇安」からさらに「あり得ない金額」にまで進化するのである!ただし「高■」から全額 + 金利が返金されたとしたらの話だが・・・。ううう・・・。捕らぬ狸の皮算用ってヤツか〜?

今回のネタはひょっとして「六弦的魔力戦シリーズ」の一環として発表すべきではなかったのだろうか?そんな気がするなあ・・・。



本日の結論
出品者が想定していた価格よりかなり低い落札金額だったようだ・・・。
やっぱりねえ・・・。ありがとう! Mさん!

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