六弦的薔薇首

2005年04月04日 方向性を変えてみたら・・・。


これはナニモノだ?


「一旦失ったと諦めかけた金額」

精神状態の時間経過による変化はとても不思議に感じる。突然「鬱」が抜け、気持ちが軽くなって来たのだ。ほとんど消えたに近い感じだ。心の周りに存在した厚い氷の壁が、桜の訪れと共に溶けてしまった感じがする。3月中は、ほんの些細な出来事でも大袈裟におびえていたように感じる。4月になったら同じ状況が起こっても全然平気になっている感じだ。

この変化に気付いた切っ掛けは「自分の笑い声」だった。テレビのお笑い番組を観ていて、とつぜんそれを可笑しいと感じ声を出して笑ったのだ。まず、素直に可笑しいと思うことが出来始めた事に驚き、さらに声を出して笑うのはひさしぶりの感情であった。といっても私自身の全体的なトーンは昔から「躁」状態がほとんど無く、静か〜に長い人生を送って来たので、傍から見ればこれでもまだ「鬱」に見えるかもしれないなあ!

精神状態を少し興奮させる事が、通常営業の精神状態に戻すためには必要だろう。「躁」をもっと加速させるにはどうしたら良いのだろうか?4月3日夜になり、ダラダラとオークションを覗いてみた。私がいつも見るのはギターのコーナーでブランド名は「その他」である。このコーナーには思わぬものが転がっている確率が高い。ちなみに、ここ数年ですっかり有名になった名器PRSだって、オークションでは今も「その他」扱いである。

その日見つけた掘り出し物のギターは、McNaught VSC Rosewood Neck だった。McNaught はまだ新しいアメリカのカスタム・ビルド・メーカーである。たった二人だけで運営しているギター工房なのだ。このところマニアにはかなり人気が出始めて来たのだが、職人が二人なので生産量が限られている、しかもオーダー・メイドが基本なので、一般流通量はとても少ない。必然的に価格は高騰する。

McNaught ギターのパーツは市販されているものを使っている。PRSのようにメーカー独自のパーツを開発しているわけではない。「我々はパーツメーカーではない!」との主張のようだ。あくまでも楽器としてのクオリティーを作り出す木工部分がMcNaught の魅力のようだ。

そして、出品されていたMcNaught はあこがれのオプション満載の仕様だったのだ!




オプションの筆頭は「ローズウッド・ネック」だ。私が1本も所有していない仕様。一度は弾いてみたいと思っていたネックである。ローズウッドは「薔薇の樹」ではない。こすると薔薇の香りがするのでその名が付けられているのだ。指板はハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)これまた今では希少材となってしまった高級木材である。他にも「セミホロー」や「ダイヤモンド・キルト・トップ」など、豪華オプション仕様がずらりなのだ!

私は先週、某楽器店でMcNaughtが飾ってあるのを目撃したが「私には高すぎて買えない」との思いがあり、横目で見ながら通過しただけだった・・・そのMcNaughtがシェイプ違いでオークション出品されていたのだ。誰が出品しているのだ?と見ると・・・。以前からPRSやMcNaught等の高級ギターを多数出品している人物だった。

笑ってしまうのは、その出品者の自己紹介を読むと、明らかに私の事を示していると思われる記述が見つかる事だ。相手はtanabe.tvを知っている。だが、私は相手をまったく知らない。明らかに一面識もない相手だと思える。以前からとても気になっていた出品者なのだ。多数の高額商品を出品している経緯がある方だが、過去の取り引きにトラブルも無く誠実そうに見える。

このMcNaught はなかなかオイシソウな物件なのだが、問題は価格と時間だ。4月3日夜が最終日だった。入札価格はそれなりに高くなっていたが、まだまだリーズナブルな範疇だった。希望落札価格が設定されていないので価格は青天井なのだ。どこまで上がっていくのだろうかと興味津々だった。取りあえずウォッチする事にした。夕御飯を食べた後ごろ寝し、うたた寝していたのだが、ふと目覚めてMcNaughtのオークションがどうなったのかを覗いてみると・・・。

あら?あららあら???私が予想した金額に達していなかったのだ!この金額なら追い掛けてもよいかもしれない!しかもオークション終了まで残りはたったの10分となっていたのだ!ここでようやく、4月になり活気を取り戻した私の灰色の脳細胞はターボが効き始め「思考地獄」へと突入したのである!うおおお〜〜〜!入札する必然を見つけなければ〜〜〜!!! 見つけなければ〜〜〜!!!

その時点で私が落札しても良いと思う金額はいくらなのか?基準点を作らなければ勝負は出来ない!その基準点より1円でも高くなったらとっとと手を退く覚悟をしていないと、最終的に泣きを見る事になる。高額オークションにはそれほど強い自制心が必要である!私が瞬間的に導きだした金額は・・・。「六弦的魔力戦」で支払った金額であった!

あの金額は一旦私の手から離れたものだ。私の中では「返ってこねえなあ・・・ええい!こうなったらさっさと諦めて、逮捕してもらえ!」と、かなり諦めムードがあったのだ。だが、時間はかかったが今になって少しずつ返金が続いている。今日も続いている。一旦失ったと諦めかけた金額である。それが戻って来るのなら、アコギからエレキに方向性を変えても良いのでは?と考えたのである!

そう!「D-45」から「McNaught」への方向転換である!だが・・・そこにはひとつの問題があった。その「McNaught」は「六弦的魔力戦」の金額ではとても落札できるとは思えないのだ・・・。若干足してきりの良い数字にしてみるのはどうだろうか?ありだろう!ついに決心して入札した!直後に私の名前が最高額入札者に躍り出た!うおおお〜〜〜そこに表示された金額に驚いたぞ!!!オークション終了まで残り10分!

以下次号に続く!



本日の結論
なんだかなあ!またしてもオークション地獄に堕ちるのか?

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