緊急的水害録
2004年12月11日 お〜っと〜!何が起ったのだ〜?
 

この画像から何が起ったか分かるだろうか?


「野望は持っていないので」

12月11日(日)とんでもなく腹が減って目が覚めた。まだ太陽は地平線を昇ってきてはいなかった。昨夜かなり少なめの食事にしたのが原因だな。かといって朝飯にするには早すぎるので、とりあえず麦茶を飲んで空腹をごまかした。が・・・再度寝る気にはなれない!

そこで、早朝ギター練習に励む事にした。朝っぱらから指は動くのか?現在練習中の課題曲は「I'VE GROWN ACCUSTOMED TO HER FACE」である。ゆったりとした美しい響きを持った曲だ。初めて取りかかったときにはかなり難しいと感じていたが、私は練習を重ねるうちに曲の美しさに魅せられて行った。美しい曲だと、早く完璧に弾けるようになりたいと練習にも熱が入るのである!おかげで左手指先はカパカパになってしまった。力の入れ過ぎだっちゅうの!

やがて妻が起きてきた。ギターの練習も終えて、朝刊を読みつつ朝飯を食い始めたところ・・・隣の部屋にいた妻は突然声を上げたのだった!「なに〜!これ〜!ちょっときて〜!」何事が起ったのかと隣の部屋を覗いてみると・・・妻はしゃがみ込んで床の絨毯を触っていた。

私もしゃがみ込んで触ってみるとじっとり湿っている。何か水物をこぼしたのか?だが、湿っている部分は床に置いたダンベルの置いてあった絨毯のへこみの部分だけである。 なんだこりゃ?横に置いてあるエアロバイクをずらしてみると、その下もじっとり濡れていた。



さらに良〜く観察すると、もっと広い面でしっとり湿っている部分も発見できた!ううむ・・・初めて見る現象である!いったい何が当家に起っているのだ?自然現象で突然水分が湧いたわけは無い。何らかの明確な原因が存在するはずだ!推察してみよう!

まずこのような場合考えられるのは、上の階で風呂などが溢れた時の水漏れである。だが、当家は一番上の階なのだ。それはあり得ない。次に・・・雨漏りか? とも考えたが、これほどまでに濡れるにはそうとうの雨漏りが発生していなければならない。だが、天井を見上げたがそんな形跡は全くなかった・・・。このところ雨も降っていないし・・・。下から水分が湧いてきている床面の濡れ方のパターンも変だし・・・。

では、床下の配管が破裂でもしたか?当マンションの図面を引っ張りだし観察したが、部屋の下にそのような配管は存在していない。これもまた却下である。なぜだ?なぜ水漏れが起きているのだ?と、その時!先月起った事実を思い出したのである!


水色の部分が濡れていた。第一発見現場!


2004年11月18日に当家は台所の水栓を取り替えた。「食洗機」を設置するための前準備だった。その際になんらかの水漏れを誘発するような状況が生まれたのではないのか?現時点で絨毯が濡れている部屋は台所の隣の部屋なのだ。台所は床面がビニールクロスのなので、水分が出て来れない。そこで、一気に隣の部屋に水分が流れ込んだのでは?かなり可能性大である!

まずは、原因の特定が必須である!台所の配管をチェ〜〜〜ック!!!流しの下に潜り込み、木ネジを外し蓋を外した。手を突っ込み、配管を触ってみた・・・うおおお〜〜〜!!!下の画像の黄色いパイプの下の方に見える部分がじっとり湿り、ポタポタと2秒に1滴程度のスピードで水滴がコンクリート面に向かって落ち続けていた。さらに顔を突っ込んでみると床面のコンクリートに少しだけ水が溜まっていた。


配管に関しては知識が無いため、これ以上の追求は出来ない。だが、水漏れを起こしているのは事実である!即刻11月18日の水回り施行会社に電話を入れた。担当者をすぐに駆けつけさせると返事があった。30分後、施工職のO氏がやってきた。以前当家の作業を行った人物である。

O氏はまず、流しの下に潜り込み綿密なチェックを開始した。水漏れ原因箇所を注意深く探していた。やがて携帯電話を取り出し撮影をはじめた。なるほど・・・今や携帯電話は現場確認用の撮影装置にもなっているのだなあ!


やがて施工職O氏は原因を特定したようだ。解説が始まった。給湯用のボルトのパッキンから漏れているのだという。そこで、対策としては単にパッキンを取り替えるだけではなく、その下にある給水用、給湯用の配管両方を ごっそり取り替えると言う。この施工は「絶対水漏れさせないために用心のためやります!」だというのだ。ほほう!殊勝な心がけである!

約1時間で配管取り替え作業は終了した。出来上がりを観ると、今までの配管と違ってステンレスのパイプが使用されていた。一部溶接も施され頑丈そうな面構えになっていた。


さてと、作業が完了すれば、今回の水漏れ事件に関する「責任の所在」の確認である!O氏は素直に非を認めこう言った。

「前回も自分が施工しました。
 原因はこのパーツからの水漏れでした。
 通常このパーツからなかなか起る事ではないのですが、
 それに気付かなかったのは明らかに私のチェックミスです!
 コンクリート面の水の量から判断して、
 下の階までは行っていないと思います。

 絨毯の濡れ具合から観て、
 20日以上も漏れ続けていたにしては少ないので、
 水漏れの総量は他に被害が出るほどではないと見えます。

 しばらく様子を見ていただいて、
 絨毯にシミとか残るようでしたら、
 私が責任を持って張り替えさせて頂きます。
 もし、他にもなんらかの影響が出ていましたらご連絡下さい。
 すぐに対応させていただきます!
 ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした!」

と、名刺を渡された。茶髪で無精髭の背の高い青年である。年齢は20代後半か?対応は実に爽やかであった。素直に非を認め、かといって卑屈になる事も無く鮮やかに作業を終え、説明も適確であった。これがウダウダと逃げ腰であれば、私もしつこく追求したところだが、こう素直に出られると「まあ・・・いいか・・・」と容認したくなるのである!妻の反応も「爽やかじゃな〜い!」と好感度満載なのである!夫婦ともに、妙にお気に入りになっちまったのである!

仕事をしていると、必ず年に何度かはミスを犯す。ものを作っていると必ず何らかのアクシデントが起きる。自分のミスを認める事は辛く、一時的にイメージダウンにはなるが、隠し続けてやがて相手にバレた時のダメージに比べれば遥かに被害は少なくて済む。まずは素直に非を認め、その善後策を速やかにかつ真摯に取り組む姿を相手に見せる事で、マイナスはやがてプラスへと変わって行く可能性があるのだ!O氏は本日、私たちの目の前でそれを鮮やかにやってのけたのだ!

今後、絨毯の後始末がどうなるかはまだ分からないが、大した事にはならない感じがする・・・。絨毯が湿った部屋には実は私のギターが数本置いてあったのだが、チェックしてみると、それらのギターケース部分までは湿気が来ていなかった。ひと安心だ!「この混乱に乗じて高級絨毯に張り替えさせよう!」などと、くだらない野望を当家は持っていないので安心するように!



本日の結論
当家の水回り工事は、次回よりO氏指名するぞ〜!

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