立食的戦場化
2004年10月18日 思っていたより・・・!
 



「私の戦略が裏目に出て」

東京銀座、田舎者にとって憧れの街であった。34年前上京した直後は、三越横の銀座4丁目の交差点にたたずむと「日本の中心」にいるような高揚感があった。先週末に銀座方面に所用があって久々に有楽町駅で降りて歩いてみた。だが、約束の時刻にはまだ30分以上の余裕があったので、少しだけ銀座通りを歩いて時間ツブシを・・・。

銀座通りに立つと見なれない光景がそこにあった。でっかいブランドショップの姿である。そうか・・・私は1年以上も銀座に足を踏み入れていなかったのだなあ!その時「そういやあ、Appleの直営店が出店してからまだ一度も覗いた事がないぞ!」と気付いた。で、いきなり目の前がそのApple直営店だった。迷わず店内に入ると・・・。

平日の午後だが、客はそこそこ入っていた。目の前のテーブルには「新型iMac」がずらりと並んでいた。薄型で本体機能も全部このモニター状の中に収めてあるのだ。シンプルなデザインである!以前から気になっていただけにすぐさまマウスを掴み動かしてみた。おおお!!!ワイヤレスマウスだ!もちろんキーボードもワイヤレスだ!テーブルがスッキリ見えて心地よい!

マシンスピードはさすがにG5だけあって快調そのもの!心地よい動きだ。だが・・・よ〜く観察していると、このデザインはどうも私向きではないのでは?と疑問が湧きはじめた。モニター下のiMac本体機能部分の幅があり過ぎる気がしはじめたのだ。私がコンピュータを使用する時は、モニタの位置をかなり低くセットする。最近は特にその傾向が強くなっている。

それにはいくつかの理由がある。

まず、モニターの位置が高いと首が疲れる。さらに眼球の動きが大きくなり過ぎて、まぶたを大きく開く必要がありドライアイの原因と成りがちだからだ。長時間コンピュータと向かい合う仕事をしていると、モニターの位置を下げるだけで疲労度合いがかなり軽減される。そして、40代後半からはそれに加えて老眼の影響がある。老眼なり遠近両用眼鏡をかけるようになると、途端にモニターの上の方がボケて見えるようになる。遠近両用の眼鏡は、レンズの下の部分で近い物を見る様に作られているからだ。そうなると、顎を突き出し、レンズの下側を使ってモニターを観るようになる。モニターが高い位置にあればある程、顎は高く持ち上がり、とても疲れやすくなる。

てなことで、私の老眼疲労対策としてはモニターを低い位置にセットする必要があるのだ。

その観点から考察した場合、新型iMacのスタンドとモニター以下の部分が持つ「デスクからの高さ」が私にはアリスギの感がした。機能的には素晴らしいマシンなのだが、その1点だけで私は手を出すのをやめた(経済的理由は無いのか?)そう結論付けて店を出たところ、セレブ風の上品な奥様が二人たたずみ何やら話しをしていた。

年齢は二人とも60代の前半か?服装もかなりの金持ちの雰囲気を出していた。二人はどう見ても日本人のおばさんだった。 所用先へ移動しようと私がその二人の横を通り過ぎようとした時、突然、そのおばさん二人は抱き合い左頬と左頬をくっつけ、さらに位置を変え右頬同士もくっつけ別れの挨拶をしたのである!この挨拶は西洋の別れの時に用いられるハグ行為だ!まさか銀座のど真ん中で、日本人だけの行為として目にするとは思ってもいなかった!銀座は日本の中心ではなく「世界の中心」になったのか?と言うことは、銀座で「愛」を叫べば・・・(勝手に叫んでろよ!)

その1時間前にも不思議な日本人の姿を目撃していた。

所用先に移動する際、昼食時間を節約するため、駅の立食いそば屋を利用した。自動ドアを抜けると、目の前にはチケットの自動販売機が2台並んでいた。中年サラリーマンが右側の自動販売機の前に立っていた。後ろ姿は、頭髪の後退状態から判断し50代後半に見える。私は左側の自動販売機の前に立った。そのサラリーマンは私が店内に入った時からなにやらブツブツつぶやいていたのだが・・・。

「テンプラそばがない!テンプラそばがない!なぜ無いんだ?どこにあるんだ?テンプラそばがない!食べたいのに無い・・・」と片手に千円札を握ったまま、メニュー表示されたボタンを見つめて呟いているのだ。店員に聞こうともせずただひたすら呟いているのだ。不気味である!そこで隣に立った私は「テンプラそばはありませんよ、かき揚げそばか、海老天そばです!」とボランティア精神を発揮し助言したのであった!

すると!そのサラリーマンは私に向かってこう反撃したのである!

「海老はいらねえんだよ!エビは!」

直後に「じゃあ、かき揚げそばにするか!」とようやくサラリーマンオヤジは「かき揚げそば」ボタンを押したのである!へんなヤツだ!驚いた私は、食いたくもなかった「かき揚げそば」のスイッチを思わずつられて押してしまった!するとそれを見たサラリーマンは私が真似をしたかのように睨んでいたのだが・・・ふっふっふ・・・そのサラリーマンは重要なポイントを見のがしていたのである!

私が押したボタンをよ〜く見たまえ!「かき揚げそば+月見」なのだ!てめえの「かき揚げそば」よりはグレードがワンランク上なのだ!私は瞬間の判断でそのサラリーマンより「精神的優位」に立ったのだ!ふははは〜〜〜!!!勝利である!さま〜みろである!

だが、サラリーマンも追撃の手を緩めなかった!私が「かき揚げそば+月見」であることを目視した瞬間に!「イナリ2個」を追加発注したのである!うおおお〜〜〜!!!なんという攻撃だ!この時点で私がそれに反撃するとすれば、一旦自動販売機まで戻り「イナリ3個以上」または「おにぎり数個」を発注しなければならない!そうしなければ「立食いそば屋戦場」の敗者となってしまうのだ!うおおお〜〜〜!!!

しか〜し!私のその時の空腹状況は「かき揚げそば+月見」で充分満ち足りるのであって「イナリ3個以上」または「おにぎり数個」を必要としていなかったのである!かくして「立食いそば屋戦場」は一時期優勢に見えていた私の戦略が裏目に出て、当軍はいっきに敗北へと導かれたのである!くっそ〜〜〜!いつの日にか、必ずリベンジをしてやるぞ〜〜〜!!!おぼえてろよ〜!オヤジサラリーマンよ〜!



本日の結論
男はどんな時にも戦う動物なのだ!

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