読了的暗号本
2004年09月22日 あんまりみんなが奨めるもんでね!
 
 



「キリスト教信者にも非キリスト教信者にも」

ダン・ブラウン著「ダ・ヴィンチ・コード」なるミステリー本が日本で出版されたのは今年の5月のことだ。アメリカでは昨年出版され大ヒットしていたようだ。噂ではかなり面白いミステリーだと聞いていたのだが、私は今一つ乗り気になっていなかった。理由としては前評判が良すぎる本はそれなりに期待して読むので、少しでも面白く無い部分を発見すると気落ちしてしまうからだ。それに、未読本が私の机の前に50冊も積んである状況ではなかなか次の本を手に入れる気にもなれなかったのだ。

先週頭の事だった。仕事先に来た方々が口々に 「ダ・ヴィンチ・コード読んだ?」と言い始めた。1人は「上巻をノンストップで読んだんで、今日中に下巻も読破するぞ!やめらんねえ面白さ!」だと言った。読み出したら止められないらしい。もう1名は「買って机の上に置いてあるんだけど、まだ読み始めていないんだ!すぐに読もうっと!」そう言うのだった。

ふだんまったく本のことなど話したことも無い人々だが、彼等がそれほど面白がるのなら遅れを取るわけには行かない。っっっっさらに、1人はこう言った。「もうBOOK OFFに出てますよ!僕もBOOK OFFで買いましたから!」なんと?そうか!ベストセラーはBOOK OFFに売られる確率も高い。特にミステリーは二度読む確率は低いのでBOOK OFFに並ぶのが早いのだろう。

早速帰宅時に、いきつけのBOOK OFFに立ち寄った。通い慣れた店なのでどの辺に置いてあるかはほぼ目星が付いていた。5月に発売された本はこの時期はまだ半額コーナーであると信じて、ズンズンと進み、一番奥の棚を見上げると・・・あららら???なんぢゃこりゃ〜!そこは私の知らぬ間に100円コーナーへと模様替えしていたのである!当然そこには「ダ・ヴィンチ・コード」が存在するはずも無かった。

しばし店内をうろついてみると、妙に100円コーナーが充実し拡張されていた。半額コーナーはどこなのだ?ウロウロしてみたがよくわからない。こんな時は店員に聞くのが早い!聞けば私のすぐ後ろがそうだと言う。すぐさま振り向き外国人作家の棚を探した。並べられた本を眼で追って行くっと・・・お〜〜〜!!!あった〜〜〜!!!しかも「ダ・ヴィンチ・コード」上下巻が揃っていた!速攻で購入したのは言う間でも無い!

手に入れた翌日から一気に読もうと思っていたのだが、読みかけの本がなかなか終わらず、しかも群馬県片品村への旅が待っていたので、旅前に上巻、週明けに下巻と二段階で読む進む事にした。

プロローグはルーブル博物館での殺人事件から。そして、そこに残されたダイイングメッセージが謎解きの始まりであった。と、ここまで書いてみたものの、ここから先は何一つ書けないことに気付いた!あらら〜〜〜!!!つまりこの本は題名が示す通り「コード」すなわち暗号の解読がテーマになっている。レオナルド・ダ・ヴィンチが絵画の中に残した暗号とは?そのことを解説すると全てがネタばらしになってしまうのだ!


ウィトルウィウス的人体図


大雑把に書けばこの本は「キリスト教を冷静に観察・分析する人々の目線」で書かれている。つまり文化的にキリスト教が満ちあふれている地域の人々でないと、本質的な面白さが掴みにくいと言う部分が在るのだ。聖書の話しが出て来ても、聖書をほとんど読んだことのない人々には意味が分かりにくい。幸いにして私はキリスト教をテーマにした本を近年立続けに読んだので、ある程度予備知識が在ったことで面白さは倍増した。

宗教的雑学と、中世ヨーロッパのウンチクが繰り広げられる本だ。その知識が謎を解くために必要なのだ。知的興奮が呼び覚まされる本でもある。また一面では「宗教とは何か?」を考えさせられる本でもある。宗教についてはこれ以上書くと差し障りが在りそうなので止めるが、キリスト教信者にも非キリスト教信者にも十分楽しめる本なのだ!知的欲求を満足させられるミステリーだなあ!

いつもの通り腰巻きの御紹介だ!

 
 

腰巻きの文章を読めば一目瞭然だが、主人公はハーヴァード大学宗教象徴学教授ロバート・ラングレンである。同じ主人公で「天使と悪魔」というミステリーも出版されている。さっそく手に入れることにしよう!



本日の結論
全体の構成が映画っぽいなあ〜!と思っていたら見事に映画化が決定していたぞ!

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