散髪的駅構内
2002年12月26日 その時間をどのように利用するのか?

QBHOUSEを知っています?

「まさに10分間で仕上がったのである!」

やっと腱鞘炎が治まって来た。腕が楽になったので、そろそろ掲載を再開しよう。だが、まだ予断は許されない状況でもある。ほんのり「うすら痛い」感じは腕の芯に残っている感じだ。まだ長文は無理かも知れないな・・・。

12月25日夕方の事だった。世の中はクリスマス気分で浮かれていたが、私はそのような気にもなれず、とっとと帰宅する事にした。娘の帰宅時間を合わせて、妻に駅まで来るまで迎えに来てもらう日々だ。しかし、娘もクリスマスの日にとっとと家に帰って来るようじゃ、かなり悲しい青春と言えるだろう(ほっとけって!)

19時ちょっと前に会社を出て「JR大崎駅」に向った。大崎駅は12月1日から駅舎がとてつもなく大きくなって、きれいになり、テナントも沢山入るようになった。コンビニもあるが、 食い物屋が多いのは必然だろう。ターミナル駅としての風格が出て来たなあ。数年前には想像も出来なかった風情である。

やがてホームに降りて、渋谷駅で乗り換え易い位置に立った。もちろん手には小説を開いて持っている。しばし読んで入るうちに「電車が来ないなあ・・・」と気付いた。顔を上げると、さっきまでガラ空きだったホームにかなりの客がいるのが目に入った。どうしたんだ?アナウンスも流れてこない。通常、この時間にこれ程電車が来ない事はあり得ないだろう。

しかしまあ、何かトラブルがあったのならそのうち動き出すだろう。本でも読みながらゆっくり待つか・・・。と思い始めたその時、閃くモノがあった。大崎駅のテナントの中に「床屋」があるのを思い出したのだ。数日前から「そろそろ散髪したいなあ」とおもっていたのだった。

ここ数年私は、娘とのスキンシップと小遣い渡すのを兼ねて「娘床屋」をやってもらっていた。2か月に一度程度だろうか。自宅でテレビを見ながらフローリングの床に座っているとやってくれるので子供の頃から「床屋嫌い」の私としてはありがたい「娘床屋」だったのである。そんなに精密なカッティングを必要としていない私はそれで充分だったのである。むしろ、粗っぽいカッティングはナチュラルな感じで好きだったのだ。ところが、このところ娘も仕事で忙しくなり、そのような「親父の相手」なんぞしていられないようだった。

駅構内の床屋は「JUST CUT QBHOUSE」と言う名前。チェーン店らしい。ここのウリは以下のようなパンフレットの文章で御理解いただけるだろう。

洗練された技術とシステムにより、
10分で1000円のカットサービスを実現致しました。
洗髪・洗顔・顔剃りなしのアメリカンスタイルです。
QBハウスはあなたの時間を大切にします。


電車が来ないこの状況で、私はそれを思い出した瞬間に「これだ!」とホームの階段を駆け上がった。「QBHOUSE」に飛び込んだ。狭い店内である。そこにある3席は総べて作業中だったが、うたい文句通りであれば最大待っても10分なのである。その時点で、作業が終わりかけているのもあり、待っても5分以内だと判断できた。

待ち合い室の椅子に座って状況を観察していた。するとカット中の店員から「チケットを買ってお待ち下さい!」と声がかかった。ほほう!従業員はカットする人が3名しかいない。人件費やスペースも総べて「ジャスト・カット」なのか?

やがて私の番となった。椅子の前にある鏡が右に開いて、ジャケットとバッグが収納出来るようになっている。ほほう!なるほどね。収納名人ってな感じだ。席に着くとまず、どのようにカットするか?と聞かれた。耳にかからない程度に短くして!とかなりアバウトな発注にした。私はこれで充分である。

この店では洗髪がない為、いきなりカットから始まる。大袈裟なタオルを首に巻く事もない。細い紙製の帯状のモノを首に巻かれ、ケープがかけられた。ここからは一気である。約7分程度のカット作業が続いた。手際はかなりのモノだ。10分と言う限定時間で処理しなければならないのだ。カット・テクニックは充分に備わっているのだろう。

ハサミでのカットが終われば、電機バリカンで首筋やもみあげ周辺の調整を行ない、カットはすべて終了。ここまでで約8分だろうか。その後は、天井から下がっている真空掃除機のホースでビュービューと切りくずの髪を吸い上げる。これが気持よい!当然、最終的に洗髪もなく、そっと櫛で形を整えて終了。まさに10分間で仕上がったのである!

さらに、この店ではお客に使った櫛は「使い捨て」するのだ。衛星管理の面と消毒する手間を考えればその方が安いのだろう。使い終わった櫛は「櫛は差し上げておりますが、お持ち帰りになりますか?」と聞かれる。もちろんもらっておいた。これで、総べて終りである。カットしてくれた店員に向って「すばらしい!」と賛辞を浴びせたが、無表情にちょこっとこちらを見ただけで、店員はもう次のお客の準備をしていた。10分で対応する為には、お客と無駄話する暇もないのだ。とにかく作業中に必要最低限の事しか店員はしゃべらないのだ。

私にとってこのような「床屋」は理想的である。安い早い静かなのだ。この店は「男」をターゲットとしているので成立しているのだろうな。女性だと「フレンドリーに話す」ことも料金のうちに含まれるだろう。言語能力的に「話す事でストレスを緩和する」女性達にとって、このような店が受け入れられる事はないのだろうな。

「床屋」に対し、髪型に細かい注文をつけず、とにかく「早さ」と「安さ」を必要とされる方々には、腕も確かなのでお薦めの「QBHOUSE」である!ここなら、昼飯時にやってもらうのも可能だね!



本日の結論
これで娘は「小遣い稼ぎ」が出来なくなってしまった!

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