結婚的会員像

2002年12月01日 人の人生にどのように関与するのだろうか?



「今後の人生のコヤシになれば幸いである」

大安吉日といえば「結婚式」である。2002年11月30日(土)は東京方面は穏やかな好天に恵まれ、まさに結婚式日和であった。私が出かけたのは東京信濃町にある「明治記念館」だ。ちなみに、その昔「世界の北野たけし」がバイクでひっくり返った「権田原」の坂道はこの施設横を通っている。

この日結婚式を挙げたのは、登録会員00015佐野彰様と直美様である。現在、某大学の助教授として御活躍中の佐野様は、すでに今年の春から奥様と共に福岡に赴任されている。大阪出身の佐野様と新潟出身の直美様が、なぜ東京で結婚式を挙げるのか?話せば永い説明が必要となるので省く事にする(省くなよ〜!)

さて、本日書こうとしているのは「他人の人生に自分が与える影響」についてである。このお二人が結婚した事実は、その経緯を遡っていくと、かなり私の関与が考えられる。1996年に私が出した1通のメールが、やがて21世紀初頭にこの二人が結婚するための序章であったと考えられるのだ。では、検証してみよう。

1996年2月末。私は六本木にあるゴトー花屋のビルにいた。マクロメディア社が「shockwave」を発表し、そのユーザーカンファレンスが開かれたのだ。当時マルチメディア系の仕事を始めたばかりの私には「shockwave」が非常に面白い技術に見えた。それまで自分のWEBを作る事に興味を示していなかったのだが、「shockwave」がやれるのなら自分のWEBを作ってみるのも面白いのでは?と思うようになった。その夜から「shockwave」の研究を始めつつWEB製作を開始したのだった。

しばらく作っている内に、様々な問題点が出て来た。私は根本的に「プログラムの論理的勉強」をしていなかったので、インタラクティブな「shockwave」を作ろうとする場合、どうしてもマニュアルを読んだだけでは動きに限界が出て来たのだ。そんな矢先、マクロメディア社のマーケティング・マネージャー阿部様から「shockwaveスクリプトの論理的構造」を分かりやすく教えているWEBがあるとの情報をいただいた。

さっそくアクセスしてみると、それは「イヤでも分かるshockwave講座」であった。それは当時の私には非常に面白かった。かなり初心者に分かりやすい解説がされていた。そして、私も初心者である。ゆえに初心者が陥りやすいマチガイのはどのような点なのか?などを書き、質問等と共にメールを送ったのであった。

その後、大阪在住の佐野様とのメールのやり取りは続き、私のshockwaveをよりディープな方向へ向かわせる事になった。彼とのメールのやり取りは単に技術的な話だけではなく、人生の事も含め様々な内容も含まれていた。一晩中30分おきにメールのやり取りが続いた日もあった。チャット状態のメール交換であった。

やがて半年が過ぎた時、私はこの青年を自分の会社に入れたいと思うようになった。だが、まだお互いの実体が良く分かっていなかった。そこでついに「広告業界に興味はある?」とメールで問いかけてみたのだ。すぐに「興味がある」と返って来た。私は佐野様をすぐに東京へ呼んだ。一度会社を見てもらうためだった。

その後、佐野様とは「当社の新入社員募集が始まったらすぐに連絡する」と約束を交わし、時が来るのを待った。その間、さらにメールのやり取りは続いた。彼は大学院の研究室に泊まり込んで研究している日が続いていた。自炊しているのだと聞いた。だが、ある日「大学側のお達し」により研究室で「調理」できなくなったとメールが届いた。

若い人は常に腹が減る。食い物がない暮らしは辛い。そこで私は食料品の「援助物資」を送る事にした。インスタント食品詰め合わせである。これであればお湯だけで食は確保できるのだ。このような私と佐野様の関係はやはり「援助交際」と呼ばれるべきなのだろうか?(よばね〜よ!)

やがて翌年春になり、入社は正式に決定した。さらに彼は1年間大学院で研究を続け、最初のメールやり取りから2年弱にして本当に入社して来たのである! 彼が幾ら勉強してこようと、実社会の現場はかなりキツイものがある。世間の波に揉まれもまれで、そして4年経った。彼は金管をメインとした市民バンドの集まりに参加するうち、直美様と知り合う事になった。そして、八百屋の店頭で「結婚しよう!」と告白したのであった。

本年春・・・彼が退社し、大学の助教授として次の人生を歩む事を知らされた。

彼が4年間当社で働いている間も、某大学は毎年ずっとラブコールを続けていたと聞いた。今振り返ってみると、佐野様にとってのこの4年間はどのような意味があったのだろうか?もしあの日、私が1通のメールを書かなければ生まれなかった彼の4年間である。その4年間に出くわした社会の構造や荒波が、今後の御夫妻の人生のコヤシになれば幸いである。

披露宴に参加してお二人を見つめながら、そんな想いが駆け巡った一日だった。お幸せに〜!




本日の結論
結局、お二人はインターネットが発明されたことで御結婚できたと考えるべきか?

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