片品的大豊作

2002年11月04日 半年前の投資をこのように回収!


これほどまでに美しくたわわに実り、大豊作!

「再び1年待たれよ〜〜〜!!!」

本日は長〜い話になりそうだ。最後までたどり着けるかどうか心配だが行ってみよ〜!

いよいよ収穫の時が来た!
思い起こせば半年前、4月下旬雪解けしたばかりの群馬県片品村「片品林檎亭」において連続4年目の「林檎の樹のオーナー」申し込みをしたのであった。1本の林檎の樹を丸ごと「全成果物を引き渡す」条件で募集しているオーナー制は「オーナー」にある種のリスクを発生する。

豊作であれば問題ないのだが「凶作」や「雹、台風」による収穫被害が発生する可能性があるのだ。だが、このアクシデントは「オーナー制参加者」として「必然的リスク」である。それは都会暮しの腑抜けた我々が「農業の持つ博打性」や「農家としての辛い現実」を体験する絶好のチャンスでもある!!!

自然との戦いが農業の基本だ。それを体感できる「林檎の樹のオーナー制」は、条件さえ整えば11月頭の収穫時に最高の精神的高揚感をもたらす可能性がある。同時に「農家の方々の喜び」を共有する瞬間でもある。さて、本年の結果は?

「たいへ〜〜〜ん!起きて〜!大遅刻〜〜〜!!!」そう叫ぶ妻の声で目を覚ましたのは、11月2日早朝6時25分であった。我々夫婦はこの朝5時に起床し、5時30分には出発する予定であった。それが、起床時点ですでに出発予定時刻を過ぎていたのだ!関越自動車道が渋滞する前に確実に乗りたかったのに・・・。脳裏に昨年の地獄の「大渋滞巻き込まれ事件」が蘇って来た。

あわてて準備し、マンション駐車場を走り出した時にはすでに6時50分を過ぎていた。だが、時間は不可逆である。いまさら慌てたところで、どうなるモノでもない。ひたすら走るしかないのだ。7時東名川崎インターに到着。だが、ここで第一の失策をとってしまった。

東名高速に乗った瞬間、ラジオから「東名の事故渋滞情報」が聞こえて来た。そして、川崎料金所を出たとたん目の前には動かない車の群れが待ち構えていた。ううう・・・関越どころか、家を出たとたんの事故渋滞開始である!川崎から用賀出口までのわずかな距離だが、ビッチリノロノロが続いた。この時点ではまだ気力体力が充実しているのでなんとか耐えられたが・・・。空には雲一つない。抜けるような空で気持ち良い。

用賀で降り、環八へ出た。ううむ・・・これまたすでに渋滞は始まっていた。恐るべし連休初日である!そこで作戦変更〜!すぐに世田谷通りに出て、環七からグルリ回ることにした。ううむ・・・世田谷通りもなかなか進まない。やっと環七に出たのだが、ここでも呆然とする事になった!なんと環七も大渋滞なのだ!

その後、書くのも嫌になる程悲惨な状況が続き、艱難辛苦の道を越えて再び環八へ戻る事になった。もう泣きそうになる程情けない状況である。ひたすらたえ抜く時間が過ぎ、関越入り口のちょい手前にある「谷原の交差点」に到着した時は9時50分になっていた。ううう・・・。

ここで、トイレタイムとした。交差点のすぐ手前に「ファミリーマート」がある。この店は関越自動車に乗る際、いつも「旅のおやつ」や「トイレ拝借」でお世話になっているのだ。ありがたい存在のコンビニだ!自宅を出発して3時間になる。妻もそろそろトイレットタイムであると申告して来た。私も同意見である!

店内のトイレは女子個室2、男子個室1が用意されている。男子小便器は用意されていない。入り口から覗くと男子個室の前に若い男性がひとり立っていた。私も妻も入り口に並んで待つ事に。そのうち女子個室は二つとも空室になった。妻はすぐに入室し、用を済ませてしまった。若い男性はまだ男子個室を睨んで待っている。

なんだか通常のトイレ使用状況と違っている。男子個室の中では何が起こっているのだ?訳が分からない状況である!さらに我々の後にも客は並びはじめた。並んだ客どうして様々な予測が流れた。中で眠っているのか?それとも倒れているのか?

そこで妻はドアの前で待っている男性に声をかけた「女性用を使いなさいよ!私が見ててあげるから〜!逆の立場が多いんだからお互い様よ!」その若者は決心したように「女子個室」に飛び込んだ。引き続き私も女子個室で用を済ませすっきりと出てきたが・・・。

そこへ男の子2人を連れた家族がやって来た。「男子トイレがずっと開かないままなんです」と説明をした後、子供に声をかけさせたら?と妻が言いはじめた。さっそく男の子は男子個室に向かって声をかけた「入っていますか〜?だれかいますか〜?」そしてついに「開けますよ〜!あけていいですね〜!」とドアを引っ張ると・・・なんぢゃこりゃ〜!誰も入っていなかったのだ!

あの待っていた若者は、何を根拠に延々と膀胱を腫れ上がらせながら待機していたのだろうか?良く分からないなあ・・・。おっといけねえ!こんな事はしていられない!飲み物とちょっと腹に入れるものを買って走行を再開した。

関越自動車道に練馬入り口から突入すれば、そこで再び呆然とする状況を見たのだ!そこからすでに事故渋滞31kmが始まっていたのである!うおおお〜〜〜!!!壁のように塞がる車の群れ。我慢の時が流れた・・・。そして31km地点が過ぎた時、そこにはすでに次の30km渋滞が待ち構えていたのである!うっへ〜〜〜!!!勘弁してくれ〜〜〜!!!妻は隣でウトウトし続けていた。

目的地の片品村「笠松邸」へ到着した時には、すでに13時30分頃になっていた。約6時間の旅は、これ以降「2002年苦痛の旅」と呼ばれるようになるだろう!(ならね〜よ!)すぐに、林檎の様子を見るついでに昼飯に行く事にした。片品林檎亭に向かう途中、なんだか変なモノが降って来た。雨か?いやいや・・・これは・・・雪ぢゃ〜〜〜!!!早くも雪が降って来たのである!げっ!

片品林檎亭は活況を呈していた!いままさに林檎狩りの真っ最中である!御亭主に挨拶をして、私がオーナーになっている樹を確認しに向かった。事務所兼販売所から100mほどで目的の品種「陽光」がある。そこには「理想的オーナー 田辺様」札が誇らし気にかけられているのだ!ズンズン歩いて目的の樹へ辿り着いた。

私はそれを見たとたん「うおおお〜〜〜!!!すばらし〜!すばらし〜!」と「カビラ兄弟」の様な声をあげてしまうのであった!この光景をなんと例えれば良いのだろうか?映画「幸せの黄色いハンカチ」のラストシーンがそれに匹敵するのではないだろうか!健さんさえ涙したあのシーンと同じ事が目の前で起こっているのだ〜〜〜!!!


この画像では、その量感が伝わり難いのだが、目の前にすると完熟した林檎の圧倒的量によって至福感が押し寄せてくるのである!ただ単に林檎が多く成っているのではない。一つひとつのクオリティーが完熟で素晴らしいのだ!林檎全面に渡り真っ赤に色着いている。外れがほとんど見当たらない!粒ぞろいってえやつだ!だが心情とは裏腹に、その空には雪が舞っていた。サブイ・・・。



片品林檎亭ではオーナーが訪れると「季節の野菜」がサービスされる。今回は白菜と大根をいただいた。驚くべきは白菜のサイズである!通常ものの体積比4倍程もあった。今回の料理のテーマがこれで決まったぞ!「白菜攻め!」がテーマだ〜〜〜!!!

その夜他のメンバーも集まりはじめた。 夕食は「白菜の玉子とじコンソメ煮 蟹醤添え」と「白菜たっぷりのけんちん汁」が出来上がった。貢ぎ物の酢橘をたっぷり絞りかけ香ばしいぞ!白菜は肉厚で煮込んでもしっかりした歯ごたえがあり、なかなか好評であった。寒い片品村の夜に体が暖まったなあ。そして、忘れてならないのは、笠松様お手製の白菜の漬け物である。これまた絶品でバリバリ食い続ける事になった!ウマイ!

食後は御歓談タイム!ふっふっふ・・・ここで飛び出すのは「たなべマジックタイム!」である!数々の技を披露し、技術収得タイムも開催!皆様に簡単な技のテクニックを解説し覚えていただいた。これで参加者も年末の忘年会で人気者となれるだろう!それは深夜01時過ぎまで続いた・・・。


宙に浮くブレスレットだ〜!

11月3日いよいよ収穫の時である!やや寒いが天候は絶品!総勢7名で片品林檎亭へ乗り込んだ。全員が私の樹を見て「うわ〜〜〜!!!素晴らしい〜〜〜!!!」と声をあげた。そうなのだ!周りがすでに狩り取られているだけに、鈴なり林檎の赤が目にしみるのだ!口々に「今年は出来がいいなあ〜!」と感心しつつ他のオーナーの樹を見る事にした。

登録会員水野様の林檎はどこだ?水野様は2本の樹のオーナーになられている。場所を林檎亭御亭主に聞いて足を向けた。ずんずん林檎の林を抜け辿り着けば・・・あら?アラララ・・・間違ったか?いや!確認すればネームプレートは間違っていない。だがそこで我々が目にしたモノは・・・以下の画像を御覧いただきたい!

キレイに狩り取られていて林檎が1個も残っていないのだ!うっひゃ〜〜〜!!!いったい何があったのだ?何が起こったのだ〜〜〜!!!林檎ドロボウなのか?それとも何か手違いがあったのか?呆然と佇む水野様である!それにも増して林檎亭御亭主の「引きつった表情」がそこにはあった。「こんな事始めてだなあ!だれだろ?どうなってんだろ?」と不思議そうにされていたが、すぐに「じゃあ申し訳ないが、代わりの樹を選びますんでそれでカンベンして下さい!」3種類の林檎の樹をすぐに選定された。じつは、この事態は「ショックではあるが楽しい事態」でもあった。


代わりの樹の前で涙ぐむ水野様

通常、林檎の樹のオーナーは1種類の林檎しか楽しめない。だが不幸中の幸いで、水野様は3種類をたっぷりと手に入れる事が出来たのだ。その後、物々交換で私も少し3種類を楽しむ事が出来た。ちなみに3種類とは「陽光」「ふじ」「ぐんま名月」である。

その後、狩り入れは順調に進み、当家の収穫量は5kg箱にしてて、13箱以上にもなった。総収穫量は70kg程度である。価格にして出資額の倍以上となった。片品林檎亭星野様の林檎育成技術により本年は大豊作である!ありがと〜〜〜!!!これで当分は林檎攻めの日々が続くなあ〜!

今回の「収穫祭」は思っていたより参加者が少なかった。それぞれの事情で別の日に収穫されたり、病気療養中で参加できなかったり、お子さまの事情で代理収穫を余儀無くされたり、であったようだ。量もクオリティーも豊作であっただけにいささか寂しい気もするが、来年もまた必ずオーナーとなり参加する私である。再び1年待たれよ〜〜〜!!!

追伸
毎回片品村でお世話になる「笠松邸の笠松様」には今回も大変お世話になった。いつもいつも大勢で押し掛けて大騒ぎする我々を、暖か〜く迎えていただき感謝でいっぱいである。また春になったら押し掛けるので、よろしく!それでは片品村のかたがた!来年の春にまた御会いいたしましょう!



本日の結論
収穫したての林檎はかなり旨い! でも・・・当家ではいつまで食い続けなければなないのだろうか?

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