貢物的徳島産

2002年10月17日 おおお!予想せぬ展開である!


これはいったいなんだ?

確かにそう演じればそうなるよなあ〜!」

先日ちょっとだけ独断倉庫で触れたのだが「マジック用品」を最近買いはじめた。用品と言うよりは「手順書」と呼ばれる「トリックの仕掛けと演じ方」の説明書である。マジックはネタが分からないうちは「すんげえ〜!」とか「マジ〜?」とか大いに楽しめるものだ。普通の方々は知らない方が幸せというものだろうなあ。だが、ど〜〜〜〜しても「仕組み」を知りたい時がある。

「マジック」にはすべて「理屈」があり、その不思議な現象を引き起こす為の「裏の努力」が存在する。世の中に「物理現象ではあり得ない」現象が観られたら、それはどこかにトリックが存在している。物体が何も物理的力を加えずに宙に浮くわけが無いのだ!では「知りた〜い!」と欲求が高まったらどうするのか?そりゃあもう買うしかない!

マジックのネタは多く販売されている。インターネットで捜すと実に多くの「マジックショップ」が見つかる。さらに個人でも販売している方々が存在する。ネタは数百円から数十万円までその価格の幅は大きい!スナックでお姉ちゃん相手にちょいと驚かす程度なら数百円。「なんじゃこりゃ〜!」と多くの大人に声を上げさせたかったら1万円〜5万円。ステージでお客相手に銭を稼ごうと思ったら数十万円。そんな感じの出費が必要となる。

真面目にマジックに取り組み「自分の芸」として磨きをかけようと思ったら、結構な出費を覚悟しなければならないのだ。久々に「私もマジックを練習してみるか!」と思い立った今月頭からいくつかのネタを買い込んでいた。その中の一つに「空き缶の復活」というものがある。文字だけで表わすと現象は以下のようなものだ。信じられない内容である。

1 パフォーマーが空き缶を見せます。
2 完全にプルタブも開いていて、つぶして廃棄寸前のただの空き缶です。
3 これを観客の目の前へ持って行き、念じはじめました・・・ すると!?
4 突然「パキパキ」「パチン」と奇妙な音がして・・・・!
5 見る見るうちに空き缶が元の姿へ復元していくではないですか!!
6 さらに、開いたプルタブを指し示し・・・・「カチン」とはじくと・・・
7 今度はなんと! プルタブまでもとどおりに!
8 あらためてプルタブを開こうとしますが・・・ まさか・・・?!
9 なんと!!中身のジュースまで復活してしまいました。
10 さらに、なんと最後にはこのまま観客にこの空き缶を渡して調べてもらいますが・・・
11 もちろん、最初から最後まで手の中にはなにもありません。 いったいこれは?!

マジックショップのHPにあるこの説明には画像もついていて、さらにQuickTimeのムービーまである。それを見ると「ううむ・・・ううむ・・・何故だ〜〜〜!!!」と叫びたくなるのである!叫んでしまった後「知りたい!知りた〜い!」と知的欲求は燃え上がるのであった!

このマジックのショップ価格は7000円と出ている。これは安いのか?高いのか?私はその時判断ができなかった。そんな事より「理屈」である!どこかに合理的説明ができる理屈が存在しているはずなのだ!画像で見る動きはあきらかに「物理的に変!」である!これぞマジックなのである!よ〜〜〜し!なんとかこのムービーをじっくり観察し、仕組みを見抜いてやるぞ〜〜〜!!!

そして数日が過ぎた。何度かムービーを見直しながら考察しているうちにトリックのある部分が閃いた。ここから先は詳しく書くわけには行かないが「たぶんこうだよな!」と・・・だがその閃きはある欠点を持っていた。別のアル部分が解決しなければトータルで成立しないのだ。ううう・・・理屈は半分分かっているのに・・・なんでだ・・・。あとワンポイント分かれば全部がスッキリ合理的に説明できるはずだぞ〜〜〜!!!

その「産みの苦しみ」を楽しむマゾヒスティックな喜びも1週間が限度だった。もう辛抱タマらん!TVで観るマジックであればプロマジシャンに対して「教えてくれ!」とは言えないし教えてくれるはずも無いが、相手は「マジックショップ」なのだ!売るのが商売である!金さえ払えば喜んで教えてくれるのだ〜〜〜!!!

かくして私は陥落し「今世紀最大の奇跡! 目の前で空き缶が完全復元! しかも中身まで!」を購入してしまったのである!届いた「手順書」を開きつつ・・・ううむ・・・そう来たか〜〜〜!!!なるほどね〜〜〜!!!なるほどね〜〜〜!!!と納得したのであった。確かにそう演じればそうなるよなあ〜!

さ〜て、ここまでは前振りである。本日の問題は「貢ぎ物」なのだ!

私に届けられたブツに対し「マジックショップ」へあれこれ注文をつけたくなった!悪い癖である。このトリックが不満なのではなく、周辺情報に関しての提案と言うか、改善点と言うか、余計なお世話というか、まあそんな感じのあれこれである。そしてメールでお送りしたのであった!

ところが、予期せぬ反応が「マジックショップ」からすぐに返って来たのだ!私の「余計なお世話」が受け入れられたのである!ありがたい指摘であったと喜ばれたのであった!ほほう!なかなか物わかりの良い経営者である!私の申し出でを理解していただけたか!さらに経営者は「お礼に何かお送りしておきます」と殊勝なことまでおっしゃるのであった!

「マジックショップ」が送りつけるお礼の品とはいったい何だろうか?少し前には売れていたが、いまはあまり売れなくなってしまった「ネタ」の在庫処分品か?それとも消耗品のトランプか?いずれにせよ「マジック用品」だろうなあ!と、私にしては実に安易な推測をしていたのである。

11月16日夜、帰宅してみると「マジックショップ」から「ゆうパック」で届けられていたのは「徳島特産 すだち」1kgであった!うおおお〜〜〜なんぢゃこりゃ〜〜〜!!!!なんで「すだち」だ〜!って、これでどうやってマジックをやれと言うのだ〜〜〜!!!(違う!ちがう!)やってやれない事は無いだろうが・・・。その後届いたメールで判明した真実はこういう事であった。

田辺さま、WILJ管理責任者の細矢です。
びっくりしました? じつは、おっしゃるとおり最初はマジック用品で何か面白いものでも送って差し上げようか、と思いましたが、マジック屋がマジック関連送っても「なんでもそれかい !」なんて言われてしまいそうで、ワンパターンになりそうでしたのでやめました。 (笑)


ふっふっふ・・・実に tanabe.tv 的発想の御仁である。さっそく夕食のサラダにすだちをたっぷり絞っていただいた。香り高く、爽やかな酸味である!すだちはたっぷり残っているので「明日も絞り放題!」細矢様〜〜〜ごちそうさま〜〜〜!!!




本日の結論
「空き缶の復活」の仕組みが分かっただけで満足している私である!(はよ練習せんか〜い!)

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