拍車的歌詞話

2002年08月28日 意味を知っているのかいな?



「これでは『拍』でしかない」

その時、娘は車の助手席でカーステレオから流れて来る「ウタダヒカル」のボーカルに合わせて口ずさんでいた。「♪〜〜〜ハ〜クシャがかかります〜♪」トラベリングの一節である。私は運転中であったが、それを聴いた途端!大いなる疑問に見舞われたのであった!

「ハ〜クシャがかかります〜」の「ハクシャ」って「ナニモノ」か娘は知って歌っているのだろうか?「ハクシャ」の現物を見る機会は日本人ならまず無いだろう。単なる慣用句としての「ハクシャがかかる」としてしか認識していないのでは無いだろうか?そこで、娘に問いかける私である。

「今歌ってた歌詞だけどさ、ハクシャって意味を分かって歌ってるのか〜?」

「知らな〜い!」

あっさり一言で否定されたのである!そうか・・・20才を過ぎても「ハクシャ」を知らないか・・・。ウエスタン映画が衰退してかなりの時が経った。日本における時代劇映画と同じ運命を辿っているなあ。カウボーイの活躍を知らない世代は「ハクシャ」=「拍車」であるとの認識はすでに失われているのだろうなあ。ここで突然、父として人生の先輩として教育を施さなければならないとの使命感に燃るのであった!

「拍車ってのはだな!馬に乗る時に靴のかかとに取り付ける道具なんだ。先端がギザギザした歯車状になっていて、こいつで馬の横っ腹を軽く蹴飛ばして刺激を与えて、馬の走りを加速させるんだ!映画でカウボーイが付けているのを観た事ないか〜?『拍車がかかる』という慣用句は今風に言えば『ターボがかかる』つまり加速するってえ意味なんだぞ!」

かなり荒っぽい説明ではあるが、娘は「拍車」の実体を理解したようである。そこで、現物の画像をWEB検索で探してみた。キーワードはもちろん「拍車」だ。しばらく探してみたが、どうもイメージしている「拍車」の画像が出て来ない。いずれもナマヌルイ感じの「拍車」である。例えば下の画像の様な感じだ。

私がWEBで見つけた拍車の画像は「拍車」というネーミングだが「拍車」になっていないなあ。「拍車」と名乗る以上は「車」がついていなければ話にならない。これでは「拍」でしかない(なんだよそりゃ〜?)



確かに、この凸起部分で馬の腹を蹴れば刺激は与えられるが、私がイメージしている拍車はもっと凶暴な「痛い」感じのモノだ。さらに長くとげとげした歯車状のパーツが取り付けられているモノだ!ウエスタン映画でカウボーイの足下のアップが映された時に良くある感じのシーンを御存知だろうか?近年の作品では「クイック・アンド・デッド」でシャロン・ストーンの「拍車」がそんな風に撮影されていたような記憶があるが・・・。


ここで豆知識をひとつ。
ウエスタンブーツに拍車を取り付けたら、決してつま先立ちでいきなり深くしゃがみ込んではいけない。すんげえ悲惨な結果になる!拍車が尻っぺたにブッスリと突き刺さるのだ!気をつけろよ〜〜〜!!!って、そんな可能性がある日本人は、ウエスタン村の出演者くらいのもんか?




本日の結論
WEBで検索するとニュース系の記事でやたらに「●●●に拍車!」という表現が多いことが分かった。
「がかかる」という部分すら省略されているのだ! 若い人にはますます本来の意味が分からなくなっている。
もうちょっと違う表現を考えろよ〜〜〜!!!

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