激走的価値観

2002年08月19日 観たけどさあ〜!どうなのよ?



「この辺りの演技はきっちりしていた」

毎年、この時期になると「愛は地球を救う!26時間テレビ」が開催される。そして、毎年100kmを走らされるタレントが出てくる。何故タレントは100をkm走らなければならないのか?その根拠が私には見つからない。お疲れさま!良く頑張ったね!と視聴者に言わせるために走るのか?それとも、走る事によって寄付金が集まりやすいのか?いろいろ考えているうちにこんな事情であろうかなと、思うようになった。これはあくまでも仮説である!信用しないように!

「仮説 100km激走の真実」

本人にとっての「100km激走」はどのような意味があるのだろうか?一説によると、あの走りによるギャラは300万円〜400万円程度のようだ。仮に400万円だとすれば、1kmあたり4万円の計算になる。25時間で走り抜けば、時給4万円の収入になる。うおおお〜〜〜マックのバイトの40倍にあたる高額時給である!時速4kmで淡々と走り続ける事ができれば、1日ちょっとで400万円の稼ぎになるのだ。20代の諸氏であれば年収以上のゼニが一晩で手に入ることになる!

さて、この仕事を受ける際に「100km完走すれば400万円」という出演契約がなされていたと仮定してみよう。では、完走できなかった場合にはどうなるのだろうか?「完走できなければ100万円」「50km以前でリタイヤすれば50万円」なんてな契約が考えられる。「時間内100km完走で400万円。完走できなければ10万円」なんてな極端なケースも考えられる。

つまり、成功報酬というヤツだね。こうなると「完走しなければ!」との強迫観念に駆られるのも無理は無い。さらに、契約条件が厳密な可能性もある。「サライの合唱中にゴールしなければならない」と規定されていたらどうだろうか?つまり、早くても遅くてもイケナイ!のである!

100kmとは言え、頑張れば一晩で稼げる400万円なのだ。やりたい予備軍は毎年のように日本テレビに「来年は私にやらせてくださいよ〜!」と立候補するのだろうなあ・・・。そして、人選に一つの技がある。「完走できなさそうなタレント」が重要なファクターである。最初から「こいつならいけるよ!」ではあの悲愴感は盛り上がらない。「ゼ〜〜〜ッたい無理!」とコギャルが断定しそうなタレントでなければならない。いくら完走と言えども、100kmをとっとと走り抜き、6時間でゴールされたら日本テレビは感動を盛り上げられないのである!

さあ、ここで昨夜のあのシーンを思い出してみよう。西村は後半になりへたばるかと思いきや、足の痛みを堪えて吃驚する程早いテンポで走り続けたのである。このテンポ感維持はパーカッショニストにも通じるものがある。だがドラマーが25時間も同じテンポを維持しつつドラムを叩き続ける事は出来ないだろう。驚くべき西村の持久力である!そういえば西村は元歌手である。プロのミュージシャンなのだ!長時間に渡るテンポ感維持の能力は職業的に身に付けたものだったのだな!(そうか〜?)

だが・・・あの快走ぶりは人々に「疑念」を抱かせた。本当に90kmも走ってきたのか〜? ショートカットしたんじゃね〜か〜?途中で車に乗ってたんじゃね〜か〜?人々にそう思わせる程の快走なのであった。西村の演技力不足と判断されてもしょうがない程の快走なのである!

そして、 走る程に画面左上の残りの距離を示すカウンターの数字が着実に減って行くのであった。おおお〜〜〜!!!何故にしてあなたはそこまで走らなければならないのか?終りに近付いたころ、西村は信号待ちの為、交差点で立ち止まってしまった。とその時だった!画面左上の距離カウンターが減算をし続けているのである!おいおい!本人は走ってね〜ぞ〜!なんで減産されるんだ〜?このカウンターは単なるアクセサリーか?この事実であの距離カウンターの信憑性が薄れたのであった!

再び「走る根拠」について考えてみよう。先程仮定として400万円のギャラを持ち出したが、もし夫が借金まみれで、取りあえずすぐにでも400万円用意しなければならない状況に追い込まれているとしたら、いたいけな妻は走らざるを得ない。しかも完走してはじめて手にできる400万円なのである。もう!追い込みになると休憩なんぞしていられないのだ!激痛に耐え、何がなんでも「サライ」が合唱されているまっただ中にゴールしなければならないのだ〜!

さあ!昨日のゴールシーンを思い出してみよう。感情をこれでもかと揺さぶるように「サライ」が歌い上げられている真っ最中に西村は武道館へ突入したのである。会場には長い下りの階段がある。筋肉痛を起こしている足には過酷な下り階段である。階段は下りに見えているが、実は反対側から見れば上り階段でもある(くどいぞ〜!)

西村の体力と意志だけでは階段を下る事が出来ない状態である。この辺りの演技はきっちりしていた。そして夫の登場である。西村の右肩を担ぎ、ゆるゆると一段一段降り始めるのである!これが競技マラソンや駅伝であれば、その時点で「失格」となるはずだが、100km激走では逆に「奨励」される行為である。安易に「家族愛」を演ずるのである!これも予定行動なのだ!借金の原因となった夫はここでやっと妻が稼ぐ手伝いをできるのである!

さらにゆるゆると走り続け「ゴールテープ」に辿り着く頃には「スタッフロール」が流れ始めた。うおおお〜〜〜!!!ここまで時間通りピッタリだと気持わり〜ぞ〜! 計算のし過ぎである!ドキュメンタリーは、やや不確実な状況の方がリアリティーが出るってえもんだぞ〜!

ところで、どうせなら毎年「総理大臣に100km激走」を要請するのはどうだろうか?総理大臣の義務にしてしまえば、総裁選の立候補者から年寄りが激減するぞ〜!もしくは「やんごとなきあたり」にお願いし実現すると、国際的な盛り上がりになるんだがなあ・・・。なんてな事をダラダラ書いているといつまでも終らないので、本日はこの辺りで・・・おあとがよろしいようで・・・(おあとって何だよ?)




本日の結論
西村は筋肉痛で何日間寝込むのだろうか?

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