六弦的十字着

2002年08月17日 さあ!ついに到着したぞ〜!


Patrick Eggle Guitars Gig bag

「生産されたのは1995年1月19日である」

今日のネタは、ギター好きの方々で無いと、まったく理解不能な内容である。興味が無い方は手を出されない方が良いと思われるので、あらかじめお断りしておく。それでは書きはじめようか!

本日ブツが到着!

先日来、情報だけ流しておいていたPatrick Eggle Guitars Toni Iommi model が本日11時頃到着した。今回は西濃運輸が運んでくれたぞ!久々に、ハードケース入りギターでは無い。メーカー純正グリーンのGig bagに入れてあった。そこそこ厚めのクッション入りなので、十分に通常の運搬に使用できる。しかし!ハードケースが無いと何となく落ち着かないなあ。いずれハードケースを買い揃えるとするか。

ところで、私が一つ勘違いしていた件があった。このギターはToni Iommi modelではなく、正式には「Boston Iommi」というモデルだったのだ。つまりBostonというシリーズのIommi仕様であると言うことだね。

それではさっそく、本体をじっくり観察してみよう。
ボディーシェイプはちょっとずんぐりしたPRSの感じがする。TOPにはアーチが付いているように見えるが、アーチと言うよりもコンターが全体に渡ってつけてあると言った方が近い気がする。この辺はPRSっぽい。持ってみると程よい重量だ。計ってみると3.7kgだった。

コントロールは2ボリューム + 1トーンに3ポジションのトグルスイッチのみ。よけいなモノは付いていない。ボリュームノブもシンプルな黒なので、見た目はかなり地味である。全体が黒で塗りつぶしてあるので木材が何であるのか外観からは判断できない。説明書によると「ええ木材使ってまっせ!」と書いてあるだけで、何を使ってるかは書いて無い。なんでだ?


目立つのはToni Iommiのトレードマークである十字架だ。真っ黒なカラーリングに印象的な「十字架のインレイ」が施されている。Iommi modelと言うよりは、キリスト教系宗教家バージョンと言った方が分かりやすいくらい「十字架」がたっぷり嵌め込まれているのだ。全部で12個ある。ボディーには一つだけだが、良〜く見ると十字架の一番下にtiとアルファベットが書き込んである。Toni Iommiの頭文字だろうな。

十字架の素材は何だろうか?近くで見ても良く分からない。マーザー・オブ・パールであればもっと美しかったのだが・・・。どうも違うようだ。ちょっと残念。指板はエボニーで真っ黒な仕上がりだ。ネックはかなり幅広い。その分だけ薄く仕上げてある。弾き難くは無いのだが、私にはもう若干幅が狭い方が使い易い気がする。


ヘッドはかなり小さめ。これまたPRSっぽい。その分担いだ時に重量バランスの中心がボディー側に存在するのがしっかり感じ取られるが、できればもう若干ボディーが側に重心があった方が私には好みである。チューナーはシェクターである。ロック出来るタイプなので、新弦を張っても安定が早い。ペグの部分はプラスティックがかぶせてある。指の汗で錆びないので実践向きだね

ペグの位置は弦がナットでよけいなテンションがかからないようにストレートを維持しているこれまたPRS等と同じ考え方だね。ヘッド角はかなり小さい感じだ。ヘッドの下にはボリュートが設けてあり強度への気遣いが感じられる。





ピックアップはバータイプのハムバッキングである。Vienna Plus and Proと仕様書には書いてあった。このピックアップは理屈で考えれば、弦の横方向の移動に強いと考えられる。つまり、大幅なチョーキングの際にも安定した音が得られると言う事だね。過激な演奏でも大丈夫!(演奏するのか〜?)カバー無しのバータイプは音のヌケ良いと外観から想像出来る。

ブリッジが面白い構造になっている。これもPRSのアジャスタブルブリッジに似た構造となっているなあ。なんだか全体的にPRS臭い部分が多すぎる気がする。気のせいか?

このように不透明の塗料で塗り固められたギターは、素材がよく分からないのでさっそく調査してみよう。指板はエボニーである事が見て取れる。ネックはマホガニーだ。ボディーはどうだろうか?これは裏側のキャビティーカバーを開ければすぐに分かる。開けてみると・・・。ここも塗潰しているので分かりにくいが、一部分がパーツ取り付けの際に邪魔になったのか、後から削った部分がある。そこを見るとマホガニーである。キャビティーを見る限りTOP材に別物が張ってあるとは思えないので、ボディーはマホガニー 単板だね。



上の画像を見て分かるだろうか?なんとなく仕事が荒っぽい。ハンダの付け方も厚ぼったい。定価¥288,000-から予想されるキャビティー仕上げでは無いような気がするなあ。HAMERなどに見られる芸術的な仕事をしたコントロールキャビティーを何本も見ているだけに、この仕上げは残念である。

なんてなことを愚痴っていても音にはさほど関係が無い。とっととサウンドチェックをしてみよう。まずは生音で弾いてみた。ううむ・・・。なんとなく頼り無い。サスティーンがちょっと短い感じだ。テンションが弱いと言うか、ボディーが鳴っている感じがあまりしない。エレキなので生音で判断しても仕方が無いのだが、なんとなく頼り無いとしか言い様が無い。もっと太い弦を張った方がいいのかも知れんなあ!

アンプはMESA/BOOGIE。電源を入れしばし真空管が暖まるのを待つ。いよいよ音出しだ!んん・・・と何だこりゃ〜!予想していたサウンドとちょっと違うぞ!ははあ・・・やはりボディーはマホガニーだな!外観のハードさに比べ音は実にマイルドである!倍音は豊かである。メイプルトップにありがちなキンキンした高音は全くない。マイルドな大人の音がする。PRSとの音の違いはこの辺でハッキリしてきた。

クリアサウンドで試したフロントピックアップのジャズっぽいサウンドがいい感じだ!リアも下品なハードさが無く心地よい。それではちょっと歪ませてみよう。ほほう!ちょっとトーンを絞ってみるとかなり気持ちよいサウンドになった。サンタナっぽい音がするなあ!そうかあ・・・このギターは近代的な音では無いと言うことか。

未使用品とのふれこみであったが、ポリッシュの跡や、小さなネジに錆が見られた。多分、店頭展示品で長い期間売れなかった品であると思われる。私は安く手に入れたので、そんなことは気にならないが・・・。ちなみに、生産されたのは1995年1月19日である。

手に入れてみて感じたことで一番辛かったのは、六弦倉庫は基本的に「黒バック」のレイアウトである。そこに黒いギターを掲示するのはかなり難しいのだ。撮影する際にもやたらに私自身が映り込んでしまい困ったことになってしまった。ギターそのものの本質とは関係ないのでどうだっていいのだがね。黒いギターは鬼門か〜?


Patrick Eggle Guitars Boston Iommi model はイギリス製である。ヘッドの裏に小さく書かれている。シリアルNoはつけられているのだが、読み取れないなあ。仕様書を見ると「6780」と書いてあった。実に短い桁数である。歴史があまり無い感じがするなあ。ストロボをつかうと黒い塗料が透けてマホガニー材が浮き上がってきたぞ!

やたらにPRSと比べてみたが、結局今の私にとってPRSがギター判断の基準となっていると言うことだね。PRSはそれほど完成されたすばらしいギターなのだ。その分価格も高いので、当たり前のことだが。定価ベースでこのギターの倍近いもんなあ・・・。なかなか勝てるギターは見つからないだろうなあ・・・。だらだらとアレコレ書いてきたが、Boston Iommiはそこそこ楽しめるギターである。もし、試奏されたかったら当家に遊びに来ていただきたい!待ってるぞ〜〜〜!!!

ちなみに、私はBoston Iommiの愛称を「エクソシスト」に決定したぞ〜〜〜!!! (ホントかよ〜?)




本日の結論
このギターは、もしあなたが吸血鬼であったらお勧めできない。
下手に触ると十字架で火傷するぞ!(なんだよそりゃ?)

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