電報的匿名性

2002年08月13日 こんな昔の話を思い出しました!
D-mail
電報は今、このように↑呼ばれているそうだ!ケッ!

「何故私にこんなこと依頼するのだ?」

本日の文章にはある仕掛けが施されている!
あなたは「本日の結論」に辿り着くまでにそれに気付くだろうか?それではスタート!

すでに「お盆休み」に突入している方々も多いだろうね。私は本日も勤務体勢。今週はずっと出社するのだ。毎月15日が本社の請求処理の締めなので、その直前の10日〜14日頃は請求金額交渉が日々続き、結局毎年「お盆休み」が取得できない事態になる。その請求伝票を処理する本社の管理部門や経理部門の方々とて同じ。つまり会社中で「お盆休み」が取れるのは、お金と管理に携わっていない人々だけとなる。

♪〜〜〜まど〜ににし〜びが〜〜〜あたる〜へやは〜〜〜♪(by テレサ・テン)

どうせ家にいたところで暑いだけだ。冷房が効いた事務所にいる方が楽だね(自虐的だなあ!)そんなわけで昨日も今日も、いつものように妻に車で駅まで送ってもらったのだが、月曜日の朝、車の中で聴いていたラジオの番組で「山□百恵ネタ」の話が出て来た。その時、すっかり忘れていた過去に封印したはずの記憶を思い出したのである!すでに、伝説の人となってしまった「山□百恵」は私の記憶の中にも、全く別の「お笑いネタ」として残っていたのだ。


ネタその1 「カメラマンN氏の記憶」

これは一度御紹介した気がする話だが・・・。カメラマンN氏は若い頃、写真の勉強の為パリを目指した。数年後に帰国し赤坂に事務所を構え、ファッション系カメラマンとして売り出していた。そんなある日の事、事務所の近所が大騒ぎになっていた。報道の車が走り回り、なんだか騒がしいのである。いったい何ごとが起こったのか?大きな事件でも起こったのか?その疑問はの答えはその夜判明した。

テレビのワイドショー系ニュースで「山□百恵が出産」の報道がなされたのであった。N氏の事務所すぐ近くにその産院があったのだ。だが・・・カメラマンN氏はそこでこう呟いたのであった「大騒ぎしてるけど・・・山□百恵って・・・誰だよ・・・?」

実は、N氏は「山□百恵」がデビューする直前にパリへと渡り「山□百恵」の引退騒ぎがすっかり納まった頃に帰国した。つまり彼女のタレント全盛時代をまったく知らなかったのである。N氏の記憶の中に「山□百恵」はカケラとしても存在しなかったのだ!私と同じ年代でありながら「山□百恵」をまったく知らない日本人がいる。その事実が笑える!


その2「電報の依頼」

日本人は、年間にどの程度「電報」を打つのだろうか?インターネットと電話が普及したこの時代に「電報」は緊急連絡の手段としての機能を失っている。最近では「E-Mail」に対抗して「D-Mail」と称しているようだ。その昔「DENPO115」としてCMを制作した経験を持つ私だが、その時仕入れた知識として「電報業務は大赤字」という事実がある。

電報の体裁を整え、配達する人件費を計算するととても実費が高額になってしまうのだ。だが、NTTとしてはこの赤字サービスを止めるわけには行かない。永年続けてきたサービスとして、今もわずかながら緊急連絡手段として要求されるケースがあるからだ。ここ数年は「オプション」のヌイグルミを付けたりして単価を上げ、わずかながら稼いでいるようだが。

近年は結婚式や葬儀で電報が披露されるケースがほとんどだ。特に有名人から届いた電報が優先して披露されるのは恒例の儀式である。だが・・・これに意味はあるのだろうか?電報が持つ「怪し気な匿名性」がこの「電報披露」の儀式を無意味なものにしている事に皆さんは気付いているだろうか?

かなり昔の出来事である。私が当時仕事で拘わっていた方を仮称A氏としておこうか。A氏は横須賀出身で常々「山□百恵」とは子供の頃近所で良く遊んだと言っていた。その他、有名人の名前を時々口にするタイプの方であった。業界にありがちなタイプだ。

そんなA氏が結婚する事になった。そして、結婚式も迫ったある日の夜、その電話はかかって来た。
「ちょっとお願いがあるんですが・・・結婚式に電報を打って欲しいんですが・・・」
「なにをおっしゃいますか!わざわざ御連絡いただかなくても祝電をお贈りしますから!」
「いやいや!そうじゃなくて、今から言う文章を打って欲しいんです・・・」

メモ用紙と鉛筆を用意し、その文章を書き取り始めた私だった。長文だったので全文はもう覚えていない。しかし書き出しと最後の送信人の名前はハッキリ覚えているのだ。

「Aさん御結婚おめでとうございます。
  子供の頃、よく遊んでもらいましたね(以下略)
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 山□百恵」

これを私に祝電として結婚式当日に送って欲しいと言うのだ。私は混乱した。いったいなんだこりゃ?A氏は山□百恵と懇意ではなかったのか?何故私にこんなこと依頼するのだ?文章を創作してまで私に依頼するくらいなら、何故自分で電報を申し込まないのだ?その方が自作電報のヤラセがバレなくていいんじゃないか?だが、現実にその依頼はあり、私は電話局に対し「ヤラセ百恵電報」の発信をお願いしたのであった。苦笑するしか無かった。

当日その電報が披露宴会場で読み上げられた時、参加者はどう想っただろうか?まさか「ニセ電報」であるとは思いもしなかっただろうなあ。私はその結婚式に参加する事が無かったので、現場の反応は知らないが。すっかり縁が切れた方なので、今となってはどうだっていい話だが・・・。

電報は、電話1本で気軽に送る事ができる。NTT電報受け付けはその内容や発信人について詮索する事は無い。受け取った側も、その発信人の真贋を確認する事が出来ない。つまり、いくらでも「有名人」に成りすまし電報を送りつける事ができるのだ。「小泉純一郎」名で「お誕生日おめでとう!痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」と友達に電報を送りつける事も可能である。くれぐれも犯罪に使用しないようにね〜〜〜!!!

当家では娘が幼稚園の頃、誕生日に「やませまみ」名で祝電が贈られて来たことがある。
あれは本当に本人からだったのだろうか?



本日の結論
お気付きになっただろうか?「山□百恵」の文字は「ヤマグチモモエ」に見えるが、
実は検索エンジンに引っ掛からないように「やましかくももえ」で漢字変換してあるのだ〜!

------------------------------

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



GO TO HOME PAGE