落涙的秋葉原

2002年08月06日 ううむ・・・そう来るか!

CANARE

「二度目の落涙はその夕方にやって来た」

その昔、秋葉原は私のワンダーエランドだった。近くに住んでいた時はかなりの頻度で出撃していた。だが・・・インターネットの発達と通信販売システム及び宅配業者の台頭によって、電化製品はわざわざ店頭に出向かずに、全国どこからでも安い価格で買えるようになった。工業製品はどこで買っても同じものが届く。郊外型量販店の攻勢もアルので、価格競争にも秋葉原の優位性にかげりが見え始め、近年秋葉原のパワーが落ちて来たとの噂があるが・・・。

8月5日昼過ぎに秋葉原へ出かけた。仕事で使うコネクタが必要になったので買いに行ったのだ。特殊な形状をしているので、近所の電器屋には置いてない。専門店が必要である。気温は36度。充分に夏である!こりゃもう汗ダラダラになって捜しまわるのか?と覚悟していたが、思っていた程には汗が流れ出さない。ほほう!このような場面でも減量の効果が現れているのか?

定期券で電車に乗り込んで来たので、秋葉原駅に到着してまずは乗り越し料金精算の必要がある。精算機に定期券を突っ込み支払が190円である事を知った。小銭を突っ込み精算終了。これでやっと駅の外にでられるぞ〜!

まずは秋葉原駅前のケーブルやコネクタの専門店を覗いてみた。似て非なるコネクタを発見したので、私の探しているコネクタはあるのかと店員に聞いてみると「無いですね!」とあっさり答えてくれた。専門店なんだからなんとか対応策を考えろよ〜!だが、無いものをねだっていてもしかたが無い。とっとと次の店に向かおうとした時だった。

その店の外に陳列してあった「D端子ケーブル」が目に入った。このケーブルは両端が「D端子」になっている。最近はDVDプレーヤーと、プログレッシブテレビを繋いで美しい画像を再現するのに使われている。先週、私はこの「D端子ケーブル」を近所の馴染みの店で購入した。もちろんDVDプレーヤーに使う為である。その価格は定価4000円であった。若干の値引きはあったが、消費税を入れればほぼ4000円である。素人を舐めた値段設定であると憤慨しつつも、それが無ければ話にならないので、購入したのであった。

だが、今目の前にある「D端子ケーブル」には1500円と価格表示がされているのだ〜!その価格差程に機能の差があるわけが無い!ううう・・・往復の電車代380円を計算に入れても、消費税を入れても1955円なのだ!ううう・・・なんという価格差なのだ!ほぼ半額ではないか〜!落涙寸前の私である!やはり秋葉原は偉大だ〜!

そもそも、ケーブルとD端子コネクタのそれぞれのパーツ価格はたいした事は無い。それを組み合わせて商品にした段階で付加価値がうまれる。自力で作ろうとすれば、500円もあれば充分におつりが来るはずだ。大量生産すれば、材料費は100円程度か?人件費を入れて1500円ならば納得行くが、4000円はなあ・・・。それにしても悔しいぞ〜〜〜!!!

さて、気を取り直してズンズン進もう!表通りに面した一般店には見向きもせずに、さらにズンズン歩みを進める。めざすは秋葉原フリークには欠かせない、ガードしたのパーツ屋なのだ!専門パーツごとに1坪程の店がずらりと軒を並べている。怪しさを感じる風情はあるが、ここにくれば探しているパーツはほぼ見つかる。細かな部品を1個単位で販売してくれるのだ。自作派にはたまらん世界なのである!

1階をぐるりと一周し各店内を覗き込んで、物色を続けた。必要なパーツは何店かで目撃できたが、それを組み合わせたコネクタはどこにも売っていなかった。さて、次は2階に上がるとしよう。更にディープな世界に突入だ。秋葉原初心者はなかなかこの2階に上っては来れまいて〜!

会談を上がって左に曲がり、その奥突き当たりに「山本電機」がある。ケーブル専門店だ。ここに無ければ秋葉原には存在しないと言えるかもしれない。店主に声をかけた。「D端子からBNCへの変換ケーブルあります?」「無いねえ!」なに〜?無いだとう〜!「造ると特注になるンでちょっと高くなりますよ・・・。これはどう?」と店主は高級D端子ケーブルを指差し「このD端子ケーブルにBNCコネクタをつければ結果は同じだし安いよ!」と言うのであった。おおお!その手があったか〜!そうしようそうしよう!

このように当初の店と違い、「山本電機」ではこちらの意図を汲み取りきちんと対処していただけたのである!店内を見ると、壁には大量のケーブルが陳列されている。LANケーブルやテレビ配線用のアンテナケーブルが、かなりの種類置かれていた。なに?アンテナケーブル?おおお〜〜〜!!!忘れていたぞ〜〜!!!

先日、妻の願いで台所にテレビを設置したもののまだアンテナが繋がれていなかったので、番組を見る事が出来ないのであった。ここで相談してみてはどうだろうか?そうしよう!「テレビアンテナを分岐して引っぱりたいんですが、20mは必要だと思うんです。安全を観て25mかな・・・どのケーブルがいいっすかね?」「25mもあるとノイズが発生するから、このケーブルにしておいたほうがいいでしょうね。これならまったくノイズが出ませんよ!」と示されたケーブルは「CANARE」であった。

通常、ケーブルのメーカーに対し一般人は気にする事は無いだろうが、私は敏感に反応したのである!「CANARE」はギターのシールドでも使われている。当社の業務用映像マシンにもその接続に使われている程の、ケーブル界の一流ブランドなのである。私に不満があるはずが無い!安物のケーブルよりやや価格は張るが、クオリティー優先を選択する私なのである! 両端に端子を取り付けてもらい25mを購入した。これで、当家の台所でもテレビ番組が観られるようになるぞ〜〜〜!!!

約1時間程で当初の目的と、個人的目的を果たした私は、晴々とした気分である!足取りも軽く会社へ戻るのであった。そしてコネクタの設置、使用テストふっふっふ・・・問題ない!上手く行ったぞ〜〜〜!!!

そして、二度目の落涙はその夕方にやって来た。帰宅時に大崎駅で定期券を出そうとポケットに手を入れると・・・無い?無いぞ〜!ズボンのポケットを探しまくるが出て来ない。胸ポケット、バッグの中、財布の中、すべてを探したが見つからない・・・記憶を辿れば、最後に見たのは秋葉原の精算機の前だった。あれ以来手にしていない・・・。まだ1週間しか使っていない定期券なのだ・・・ううう・・・ううう・・・。

かくして、ハッピーなはずの秋葉原ツアーの記憶は、一転して不幸のどん底へと突き落とされたのであった〜!あああ・・・。お〜〜〜い!誰か秋葉原で私の定期券を拾わなかったか〜〜〜!!!



本日の結論
自宅の台所テレビは無事にアンテナが繋がり、番組が観られるようになったぞ〜!

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