六弦的擦板造

2002年07月23日 道具から造り出さねば!


ここが一番すり減っている5フレットだ。

「削り過ぎになる可能性を秘めている」

いやはや、なかなか手をつけられずにいる「フレットすり合わせ」である。あれほど強く予告しておきながら、放置する事2週間以上となった。この件は単に「放置プレイ」としていたのではない!私なりにあれこれ考えを巡らしつつ、身の回りの「やんなきゃしょうがないよね〜!」的Macのトラブル解決や思い出したように始めた画像編集、DVDプレーヤー購入に、しばし精神集中をしていたのである。

Macのトラブルは、ほぼ解決し、それによって画像編集もスムーズに進む事が確認された。その間さらに、別の画像処理のテクニックも吸収しつつ「ふふふふ・・・これで映像編集は見通しが付いたぞ!後はじっくり作業を進める事にしよう!」と落ち着きを取り戻した昨今である。となれば、いよいよ「フレットすり合わせ」を開始しようではないか!

さ〜て、それではどこから始めたら良いのだろうか?まずは「擦り板」の製作を行わなければならない。そこで「擦り板」とはなんぞや?を説明しよう。エレクトリック・ギターの指板にはほとんどの場合「R」がつけられている。つまり、カマボコのように少し盛り上がった曲面にしてあるのだ。その曲面に沿ってフレットにも「R」がつけられている。下の画像でその「R」具合が良く分かるだろう。



この曲げられたフレットをサンドペーパーで削りでこぼこを平にしようとした場合、サンドペーパーを平面の板に巻いて使うのは非常に危険である。曲面は平面で正しく磨く事は出来ないのだ。そこで、指板の曲面に対しマイナス曲面を持つしっかりした板を用意しなければならない。安易に某ギター工具ショップで購入する手もあるが・・・。この際、そのマイナス曲面板を造り出してみようではないか!と、大いなる野望を抱いたのである!でも・・・どうやって造り出すのだ?

「擦り板を造る簡単なハウツーがあります!ネンドです!指板にサランラップを敷いてネンドを押し付ければ指板のRが写し取れますので、それを乾燥させてからサンドペーパーを両面テープで張り付ければOKっす!」と1年程前にB.C.Rich師匠様から教えられ、なるほど!その手があったか〜!とその時は激しく感心したのであった。

では、その作業を始めてみようかとネンドを買いに立ち上がった時、ふと疑問が浮かんだ。ネンド型取り話は「乾燥時の収縮」について考慮されているのだろうか?ネンドには水分が含まれている。乾燥しながらその水分が抜けて行く際に「R」の変形は起こらないのだろうか?焼き物を造る際には10%程度の収縮率を計算に入れると言うが・・・。ううむ・・・気になり始めたぞ〜〜〜!!!

それに、ネンドは渇くまで時間がかかりそうだ。一気に型取りできる方法はないのか?そうだそうだ!「石膏」はどうなのだ?これなら5分もあれば固まるぞ!しかし・・・擦り板としての強度に心配があるなあ・・・ハードな作業でポロポロ割れてきそうだ。それに凝固する際に発熱する。ネックに影響はないだろうか?ううむ・・・素早く型取り出来てしかも強度が確保出来る物質は他にないだろうか?

ひょっとして「硬質リジン」はどうだろうか?歯医者さんが型を取る時に使うあれだ。歯の精密な型を取るのだから、リジンの凝固時の収縮は最小限に抑えられていると予測出来る。が・・・それを歯科医師ではない私が手に入れるルートは現在持っていない。東急ハンズなら手に入るか?だが・・・次の手も考えてみよう!

てな事をツラツラ考えていたら、さらに疑問が沸いて来た。指板の「R」を写し取るだけで、はたしてそれは正しい「すり板用のR」と言えるのだろうか?指板の「R」の上にフレットは乗せられている。ということは、フレットの高さが均一であるとするならば指板の「R」よりフレットの「R」の半径の方が大きいはずだ。もし指板の「R」を型取りして「すり板」を造りスリスリしたら、明らかにフレット両サイドが削り過ぎになる可能性を秘めている。ううむ・・・ヤナ事に気付いてしまったなあ・・・。この考え方は厳密すぎるのだろうか?


所詮、最終的には私の手作業でゴシゴシやるのだ。あまり厳密な事を言い始めたら何も出来なくなりそうだなあ!だが、事は慎重に進めた方が悔いが残らなくて良いだろう。もっときっちり論理的準備をしてから取りかかるとしようかね。

と、のんびり考え事をしていたら・・・「電装系のチェックからネックコンディション、さらにはフレットすり合わせまで全部セットで6000円」のショップを見つけてしまったぞ〜〜〜!!!しかも信頼できそうなショップなのだ!ううむ・・・迷うではないか・・・迷うではないか〜〜〜!!!




本日の結論
やる前から迷い、揺れ動く日々である!

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