勝負的激安店

2002年07月22日 さあ!二つの主張はどちらが正しいのか〜?


ターゲットはこの機種にしてみた!

「これは間違いである!とは言い切れない主張だ!」

2週間程前に、激安電器店の気になる「はり紙」の御報告をしておいた。さらに、その後、テレビコマーシャルでもその主張が流れ始めたので、状況は皆様もよく御存知だろう。その「はり紙」の主張とは以下の通りである。

ワットマンの主張「コジマさんより安くしてます!」
コジマの主張  「他店より最大20%安くしています!」

前回は、この主張を見つけただけで具体的な内容調査にまでは立ち入っていなかった。しかし!この矛盾に満ちた主張の真偽を確かめたかった私は、7月20日「海の日」ついに決心をし茹だるような暑さの中、両店に潜入したのである!傍から見れば、ただ単に「涼みに行ったのでは?」と勘ぐられるかもしれないが、あくまでも「潜入調査」を目的とした行動なのだ!(誰も信じてね〜よ!)

さらにもう一つ、この調査を行う上でエサとなる「商品購入の意志」を示さなければ、店員と具体的価格交渉が出来ない。そこで、当家でかねてより購入予定だった「DVDプレーヤー」をそのターゲットとした。まずは「ワットマン」へ出撃!店内は休日だと言うのに閑散としていた。近所に「コジマ」が出来た為に客足が遠のいていると予測される!

そこで「ワットマン」としては「コジマさんより安くしてます!」と声高に主張せねばならない状況に追い込まれているのである!その真偽を確かめる為には、同じ「DVDプレーヤー」を両店で価格交渉しなければならない。まずはDVDプレーヤー陳列棚を見て歩いた。10機種が並べてあった。

売上げ人気1位〜3位と書かれた札が目についた。ほほう!こいつらが人気機種か〜!店員に聞いてみると、表示された価格よりさらに安くなって、第3位はTOSHIBA製で14000円にできると言う。ううむ・・・TOSHIBAと言えばDVDの開発会社である!私は開発段階でTOSHIBAのDVD視聴室に招待された事がある。ううむ・・・あれが14000円か・・・。恐るべき、低価格化の波だ!

ちなみに1位はパイオニアDVD-RW対応、2位はTOSHIBAプログレッシブ対応であった。私自身はメーカーはどこでも良いと考えていたので、パンフレットを見ながら、選択基準を決める事にした。そこで「DVD-RW対応でプログレッシブ対応の機種」を店員に聞いてみた。すると・・・「ほとんど無いですねえ!」と投げやりな答えである。そのうち「これは大丈夫ですね!」と目の前のSONY製品を指差してくれた。

「DVD-RW対応でプログレッシブ対応の機種」は上位機種になるのだろう。価格は29,800円と表示されていた。もともとオープン価格なので、いわゆる定価と言うのは判明しなかった。そこで店員に一押ししてみる。「で、これからいくら下がるの?」「申し訳ないんですが・・・この機種はこれで目一杯です!御勘弁下さい!」えっ?そうなの?そうなんだ〜!よ〜し!この機種をターゲットにして、価格調査の開始である!

当然「ワットマン」で購入する事はなく「コジマ」に突撃である!思っていたより店内は空いていたが、結構、客が入っている。目的のDVD売り場を探し歩いていると「ガキ」の姿が目立った。おおお〜!そうかそうか!夏休みが始まったのだな〜!だが・・・その「ガキ」達が群れていた場所に問題があった。健康機具の御試しコーナーなのだ。室内ジョギングマシンやスカイウオーカーなど、大人が室内で筋力アップする為の機具に「ガキ」乗って走っていたのだ!一帯をガキが占拠している状況であった!夏休みのガキは外で汗流して遊ばんか〜い!昆虫採集に励まんか〜い!

気を取り直し、DVDコーナーへ足を踏み入れた。安い機種が山積みになっている。売れ筋はやはり14000円程度のようだ。「ワットマン」で見つけたSONYの高級機種を探したが、展示されていなかった。ふう〜ん・・・店員を捕まえてパンフレットを示し、その機種について聞いてみた。「これはお取り寄せになりますね〜!」「じゃあこれ、いくらになります?」「少々お待ち下さいね」とフロア主任と思しき店員はレジの方へ向かって行った。

フロア主任は、電話で何やら連絡をとっている。これは、メーカー在庫の確認だろうか?いやいや・・・他店価格調査の可能性が強い。かなり時間をかけているようだ。5分以上経ってしまった。そして、フロア主任によってはじき出された「コジマ価格」は、なんと25800円だったのである!先ほどの「ワットマン」で聞いた「これが限界です!」はアッサリとクリアされたのである!

そこで、この価格が決定されたいきさつを想像してみると・・・。まずフロア主任は、本部に連絡し他店動向を聞いたのだろう。そして「ワットマン」で29800円であると掴んだのだ。ここで「コジマの主張」を思い出していただきたい。「他店より最大20%安くしています!」ではないか!29800円の20%引きは23840円となる。25800円では13.4%引きなのだ!「最大20%安くする」との主張に偽りはない。この駆け引きが主任の主任たる腕の見せ所だろう!さあ!このあたりで決定しても良いだろう。と「御取り寄せ」をお願いして購入決定した。

以上の実践結果から導かれるのは、以下の通りである。

コジマの主張  「他店より最大20%安くしています!」

は、その主張の通りの結果となった。納得すべき主張である。

ワットマンの主張「コジマさんより安くしてます!」

これは間違いである!とは言い切れない主張だ。なぜなら、ワットマンが特定機種のコジマ価格調査しようにも肝心の価格表がその時点でコジマに展示されていなかったからである。つまり、コジマで購入を決定せずに、私が再度ワットマンに戻り店員に対し「コジマは25800円だったよ!」と状況証拠を提示して居たら発動されたであろう「ワットマンの主張」なのである!

今回の調査段階では両店の主張は認めざるを得ないのだ!矛盾に満ちた主張だが、そう判定せざるを得ない。だが・・・この主張を究極的に突き詰め判断するには、何度も両店を往復する行動力と図々しさが必要となってくる。企業に所属し、日々「利益追求」を行っている身としては「果てしない値切り倒し」の技はあまりに辛く、ついつい我が身を振り返ってしまう!

てなことだから、激安店でも値切りはほどほどにね〜!




本日の結論
とは言え、今回は「コジマ」の勝ちとさせていただこう!

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