謎栞的小片

2002年05月24日 これが何であるのか?推理してみよう!



「阿鼻叫喚を繰広げることは容易に想像出来る」

本を読む時に必ず必要となるのが「栞(しおり」である。ハードカバーの本には必ず「紐の栞」が装着されている。これがアルとナイとでは、通勤電車の中で読む私には大きな差がある。日々の読書タイムは朝の出勤時に40分、帰りに40分の電車の中である。乗り換えがあるので、一気にそれぞれ40分ずつではないが。

その為、本の開閉が頻繁になる。栞がないとどうしようもない。では、栞がない「文庫本」や「マニュアル」的な本の場合はどうするのか?ページの角を折るのは嫌なので、必然的に何か薄っぺらいモノを挟む結果となる。昔は、枯れた木の葉を使った事もあるが、最近はバッグの中に入っているものなら何でも挟んでしまう。単なる目印なのだから、凝る必要もない。

1か月程前の事だった。いつものBOOK OFFで買い求めた100円の小説を読み始めてすぐに、妙な紙切れが挟まっているのを発見した。5cmx10cm程のサイズ。じっくり見るとそれは領収書であった。ほほう!この本の前の持ち主は、この領収書を栞代わりにしていたのか!この領収書は、精算を目的として発行されたに違いない。だが、その領収書は今私の手元にあるのだ。たいした金額ではないが、その方は明らかに精算できない状態に追い込まれているのだろうなあ!

この事実から生まれる教訓は「領収書を栞にしてはならない」ということだ。

そして、先日の事だった。又しても100円購入本を開いた際に「謎栞」が発掘されたのである!今回はそれがなんであるのかはすぐに分かった。「JRのチケット」なのだ。「新幹線自由席特急回数券」と明記されている。「東京←→熱海」区間だ。日付けを見ると平成12年2月18日18時53分に検札されている。熱海でも検札を受けているが、印字が明確ではない。

さて、このような状況の「JRのチケット」が購入した本に挟まっていたということは、どう言う事なのか?推理してみよう。

まず、この本の前の持ち主を仮称「ブリトニー」としよう。「ブリトニー」が平成12年2月18日「東京←→熱海」を移動したとは容易に推察出来る。だが、新幹線から降りる際にチケットが改札口で回収されると考えるのが常識である。そうなると、回収されない切符を持ったまま、「ブリトニー」はどうしたのだろうか?改札口を出なかったとは考えにくい。改札口を通過せずに、この本をBOOK OFFに持ち込む事なぞ出来ないからだ。

しかし、現にチケットは私の目の前にある。そうなると、どうやって通過したのだろうか?まずは、駅に到着して改札口寸前で切符が見つからない事に気付く。大慌ての「ブリトニー」である。焦ればアセルほど何処に入れたのか思い出せなくなってくる。やがて諦めが訪れ、シオシオとなり改札口の駅員「エリック(38才)」に告げるのである。「すみません・・・熱海から乗って来たんですけど・・・切符を紛失してしまいました・・・どうしたらいいですか〜?」そう言いながら上目遣いに「ブリトニー」は瞳を潤ませるのである。

だが、そんな涙にうろたえる「エリック」ではなかった。旧国鉄時代からの掟の通り、区間料金の3倍を請求したのである。うおおお〜〜〜!!!「新幹線自由席特急回数券」を使っている「ブリトニー」である。倹約家なのである。それが3倍の請求とは〜〜〜!!!呆然としつつも「え〜〜〜!!!そんな〜〜〜!!!お金ないんですぅ〜!」と反撃に出るのであった。このようにして、阿鼻叫喚となった東京駅新幹線ホーム改札口には、夜ふけまで激しく罵倒し続ける「ブリトニー」の声が響き渡っていたと言う。そして、その損失をうめる為、小銭稼ぎに「ブリトニー」は翌日、手持ちの本をBOOK OFFに持ち込んだ。切符が挟まっているのも知らないまま・・・。

違う解釈もある。
確かに新幹線の中でその本を読んでいたのは「ブリトニー」であったが、降りる直前にうたた寝をしていて本を盗まれた可能性がある。そうなると、本をBOOK OFFに持ち込んだのは別人と言う事になる。盗んだのは「ミカエル(28才)」であろう。たぶん「ミカエル」はこの本を盗んだくらいだから、最後まで読んだに違いない。となると、丹念に全ページの指紋採集を行えば、「ミカエル」の指紋が発見される可能性がある。だが・・・本屋で立ち読みした人々の指紋もあるので、特定は難しいなあ。このケースでも切符を失った「ブリトニー」が改札口で阿鼻叫喚を繰広げることは容易に想像出来る。



しかし・・・紐の栞が付いている本に、領収書や切符を挟まなくてはならなかったのは何故だろうか?
私はまだ、買った本から「へそくりの万札」が出て来たケースには巡り会ったことがない。



本日の結論
BOOK OFFに本を売る前に、何か挟まれていないか確認しよう!

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