配備的機関銃

2002年04月10日 警察は使いこなせるのか・・・?


「ついフラフラと誘いに乗る可能性は否めない!」

昨夜のニュース番組を観た方々は御存知だろうが、日本でもついに警察の装備として「H&K MP5」が導入された。これはドイツ製のサブマシンガンだ。略してSMGと書く場合もある。2.8kgと軽量のうえに、全長が短いので取り回しが楽なSMGである。さらに精度も良いとくれば、世界中の特殊部隊がこぞって採用している理由が理解出来る。

日本に配備されたのは1400丁のようだ。「H&K MP5」のマガジンは30発装填出来る。マシンガンのイメージとしてはバリバリ弾幕を張り敵を殲滅するイメージがあるが、フルートでは30発なんぞはすぐに撃ちつくしてしまうので、日本警察はそんな勿体無い事はしない。最初からフルオートバリバリの設定は出来ないようになっているらしい。

ではどのような設定か?それは「3連射」である。一回トリガーを引けば、バリバリバリと3発飛び出す。これであれば1マガジンで10回発射出来ると言うわけだ。そこでさらに疑問がある。なぜ「1発発射」ではなく「3連射」なのか?これ又理由がある。まず、銃を構えてみたとしよう。最初にトリガーを弾く際には、正確に的に照準をあてているので、リクツ通りであれば適確に的に当るはずである。「3連射」で発射したと想定しよう!

そこから先に3つのケースが生まれる。

その1。正確に照準をあてていたので命中した。
その2。正確に照準をあてていたつもりがかなりずれていたので外れた。
その3。敵が動いたので外れた。

2の場合は明らかに外しているので、初弾で目的は達成できない。3の場合は目的の場所に当らないかも知れないが、弾が擦る可能性はある。致命傷とはならないがダメージを与える事はできる。これをもう少し掘り下げてみようか。初弾はこのように外れるか、擦るかしたとしよう。「3連射」ではあと2発続けて発射されるので、すぐに2弾目3弾目が飛んで来るのだ。

さて、問題はこの2弾目3弾目である!初弾は正確に照準を定めていたが、2弾目3弾目は初弾発射直後なので、かなり銃身が揺れている。「H&K MP5」は反動が少ない設計になっているのだが、それでもかなり揺れる。ぐっと力ずくで押さえ込み何とか制したとしよう。 人間の身体の肩幅は約60cmである。銃身の揺れ幅が直径60cmの円の中に納まり、しかも3発が散らばって飛んで行ってくれれば命中率はかなり高くなるのだ。

この場合は射撃競技ではない実践なのだ。的の真ん中に正確に当てることを考えるより、実践ではまず敵にダメージを与え、攻撃されないよう動けなくすることが必須なのである。



つまり、敵を制圧する為には、正確に3発全部が同じ場所に命中してもらっては困るのだ!当たれば良いが、外れれば全部が外れてしまうことになるのだ。むしろややバラけてもらわないと命中率は下がるのである!このような事を書いていると「おめえ!何いってんだ!人命はだなあ!どうのこうの・・・」とお叱りをウケルかも知れないが「H&K MP5」を導入したのは国家である。しかも、明らかに「護身用」ではない。テロなどの武器を持った敵を想定した配備である。「H&K MP5」は明らかに対人火器である。配備した以上はもう、キレイゴトでは済まされない状況なのだ。

今回の配備で「ほほう!そう来たか!」と思ったのは、「H&K MP5」射撃練習の様子を公開した事である。撮影させニュースで流したのはどのような戦略なのか?まずは、映像による抑止力ととれる「俺たちゃ持ってるぞ〜!日本にもあるんだぞ〜1」と外敵を牽制する為だろうな。

次に考えられるのは「リクルート対策」かもしれない。あなたは「警察官になりせんか?」と勧誘された事は無いだろうか?私は若い頃一度だけある。深夜に車で帰宅途中、検問にあってそこで勧誘されたのである。今「特殊部隊でH&K MP5が撃てまっせ〜!」と勧誘されたら、ついフラフラと誘いに乗る可能性は否めない!(だから、だれも勧誘しないってば〜!)



本日の結論
あんなものに撃たれたくはない。

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